田原総一朗の政財界「ここだけの話」
鳩山新内閣の閣僚人事を分析してみよう
2009年9月17日 NIKKEI BP
民主党の鳩山新首相による政権がスタートした。
新政権の顔ぶれを見たが、予想以上にいい人事だと思っている。
小沢さんが反対しているので随分危ぶまれていたが、藤井裕久さんが財務大臣になった。
藤井さんをおいて他に財務大臣はいないだろう。
また、仙谷由人・行政刷新会議(行革)担当相、長妻昭・厚生労働大臣も、なかなかいいと思う。
そして、岡田克也外務大臣、菅直人国家戦略局担当大臣。
なかなかいい布陣だなと思っている。
「密約」問題に切り込む岡田外務大臣

まず、なぜ岡田さんの外務大臣がいいのか。そこから説明しよう。
政権を取った民主党の最大の問題は、安全保障だからだ。
これまで民主党は野党であり、前にも述べたが野党は労働組合のようなもので、経営陣を批判しチェックしているようなものだ。
「野党」民主党が安全保障のことを考えられないのは当たり前だ。
民主党のマニフェストには安全保障については何も書かれていなかった。経済政策も全く抜けていた。
安全保障も経済も、いわば時の政府が考えることで、そこが抜けるのは仕方がないし、同時に弱いところだとも言える。
その安全保障の部分で、社民党、国民新党との三党合意で決まった3点がある。
一つは、対米関係を緊密で対等な関係にすること。次に、沖縄問題を見直すこと。さらに、インド洋での給油活動が期限を迎える1月で撤退すること。
そして、もうひとつ、密約問題がある。
1960年の安保改定時、日本には非核三原則があった。「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」。
ところが、アメリカが核を持ち込むと言って、それを日本側が認めるという密約があった。明らかに非核三原則に違反している。
これを村田良平元外務次官が、「密約はあった」と証言した。
自民党政権では麻生太郎首相が最後まで「密約はなかった」と言ってきた。が、国民の中には「なかった」なんて思っている人は、一人もいない。
今、首相になろうとしている鳩山さんは「密約あり」として、これをはっきりさせると言っている。
このように、いろいろな問題がある。
特に沖縄・普天間基地問題では、基地を島内に移転させることが計画されていたが、三党合意では基地を島外あるいは国外に出すと言っている。
これに対して、アメリカ国務省のケリー報道官が「基地問題は、日本と交渉し成立しており、再交渉する意志はない」と言って圧力をかけてきた。
さらに、インド洋からの撤退については、国防総省のモレル報道官が「インド洋での日本の活動は、大変成果が上がっており、我々は高く評価している。続けてほしい」と言った(※同報道官はのちに発言修正)。
これも日本に対する警告だろう。
さあ、そこで民主党政権は、これにどう対応するのだろう。
オバマ大統領との会談に注目
9月下旬に国連総会があり、23日には鳩山-オバマ会談が予定されている。
だがここでは、この問題は出ないだろう。日米関係強化のための、儀礼的な話に終わるだろう。
問題はオバマ大統領が来日する11月だ。ここでは、さまざまな問題をまともに話さなければならない。
いずれも非常に難しい問題だ。
ただし、日本がアメリカと条約を交わした時代と大きく時代は変わっている。
そのころはまだ冷戦の時代で、日米の仮想敵国としてソ連があった。
そしてアメリカは中国を仮想敵国の一つに考えていた。アジアは非常に緊張していた。
だが、冷戦は終った。もはやソ連はなくなり、ロシアはアメリカの仮想敵国ではないし、中国とは今、非常に密接な関係となっている。
時代は変わった。
そして極東をめぐる安全保障のあり方も、大きく変えざるを得ない。変えなくてはいけない状況になってきている。
だが自民党政権は、そうしたことがわかっていながら今までアメリカに対して一切、交渉をしようとしてこなかった。
だから私は今こそ、「再交渉する」時期だと思う。
オバマ大統領も「チェンジ」といい、日本も政権が変わって「チェンジ」を迎えた。
そして、その再交渉をするのに、岡田氏は非常に適した人物だ。
岡田氏は外務へと追い出された?
岡田さんは、こうと決めたら絶対に揺るがない人だ。
彼は民主党内でも非常に変わった人物で、いわゆる子分が一人もいない。岡田派は、ない。
皆がハラハラしているのは、岡田さんはこうだと決めると誰が反対してもやるということだ。
今回の選挙では幹事長として大勝させたのだから、本来ならば幹事長は留任のはずだ。
だが、これに反対したのは小沢さんだろう。
岡田さんを内政担当にするとうるさい。だから外交へ、外務大臣として追い出したわけだ。
そのうるさい岡田氏が、外務大臣として対米交渉をやる。
すると、どうなるか。
想像するに非常にスリリングで、これで大きく体勢を変える可能性が出てくると思う。
つまり、冷戦後の新しい日米関係に向かって踏み込む可能性がある。
これはスリリングであるが、非常に面白いと思う。
藤井財務大臣の難問は予算編成
そして藤井さんだが、彼も小沢さんが嫌がっている人物の一人だ。
実は、小沢さんの秘書が西松建設問題で起訴されたとき、藤井さんと渡部恒三さんが小沢さんは辞めるべきだと批判した。
小沢さんは、こういう批判を絶対に忘れない人だ。許さない人だ。
だから渡部さんは本来は衆議院議長になると言われていて、本人もそのつもりでいたが、結局はなんと、横路孝弘さんが議長になった。
横路さん本人も意外だっただろう。
私は渡部恒三さんの息子さんをよく知っているが、彼が言っていた。衆議院議長に横路氏が決まった日、渡部さんから孫に会いたい、孫を寄越してくれ、と電話があった。「ヒマになったから」と。
本人は衆議院議長になると思っていたのだろう。
そしてもう一人、小沢さんを批判したのが藤井さんだった。
藤井さんは早い段階から財務大臣だと言われていた。
また、以前、藤井さんは議員を辞めると宣言もしていた。
が、わざわざ比例区で藤井さんを出馬させたのは鳩山さんだ。
鳩山さんは前々から藤井さんに財務大臣をやってほしいと思っていた。
その話は途中で一旦立ち消えたが、それが復活したのは、小沢さんの許容であり、それがとてもよかったと思う。
藤井さんには『サンデー・プロジェクト』にも来てもらった(9月13日)。
そこで藤井さんに聞いた、大事なことが大きくは二つあった。

まず、自民党が組んだ2009年の予算を組み直すが、どう組み直すかという問題が起きている。
特に補正予算だが、約8兆3000億円が未執行になっている。
補正予算15.3兆円のうち約7兆円は執行されているが、8.3兆円が未執行のままだ。
その未執行分を、民主党は返還してもらうと言っている。それをマニフェストで挙げた子ども手当などに当てようとしている。
しかし、未執行分の多くが地方自治体に渡ることになっており、自治体はそれで既に予算を組んでいる。返還するとなると大変だと、訴えるという自治体さえある。
そのように難しい予算編成の問題がある。
私は藤井さんにどうするのかと番組で聞くと、藤井さんは非常に明快に答えた。非常に細やかに知っている。まずプライオリティをどうするのか。これに非常に明快に答えた。
二番底が来たらどういう手を打つのか
さらに大きな問題がある。
GDPの前年度比が昨年の10-12月期はマイナス12.8%、今年の1-3月期はマイナス12.4%だったが、4-6月期がプラス3.7%に転じたとき、麻生さんは日本の不況はこれでやっと底を打った、景気は良くなると、選挙のときに盛んに発言していた。 しかし、速報値で3.7%だった数字は、2.3%に減ってしまった(下方修正された)。
多くのエコノミストたちは、実は底を打っていない、この秋以降に二番底が来て景気は悪くなると言っている。
もし自民党が政権を続けていたなら、おそらく二次補正予算を作っていただろう。
では、二番底が来て景気が悪くなった場合、民主党ならどうするのか。
それを藤井さんに聞いたら、藤井さんは「まず、懸命に内需拡大を図る。そのためには個人の消費を高めるために子ども手当などを出す。だがそれでも、どうしても景気が悪くなったら、場合によっては借金を増やす必要も出てくるだろう」と答えた。
借金とは何か。国債の発行だ。
自民党は、去年は22兆円だった借金を44兆円まで増やした。それをさらに増やす可能性さえあった。
こうした問題を明確に話せるのは、藤井さんしかいないだろう。
その藤井さんを、小沢さんが好き嫌いではずすならば非常に問題があると思っていたが、彼が財務大臣になったということは民主党にとってよかった。
問題は菅直人さんだ。国家戦略局(当面は、国家戦略室)の担当大臣となった。
その国家戦略局は首相直属の機関だが、どういう位置づけなのか。
首相直属といえば、普通は官房長官の下になる。
ところが鳩山さんが菅さんを副首相にしたことで、国家戦略局は官房長官の上になった。
この国家戦略局がどこまで稼働できるか、そこが勝負だ。
国家戦略局は、かつての経済財政諮問会議に当たるだろう。
小泉政権では、竹中平蔵さんが経済財政諮問会議の担当大臣だった。
そのときには、まさに経済財政諮問会議は「統合参謀本部」であり、ここから「骨太の方針」というのを出した。財務省はまさに、経済財政諮問会議の下請機関ということであったろう。
だが竹中さんが辞めてから、経済財政諮問会議は形があっても中身のないものとなった。
国家戦略局も、「統合参謀本部」としてどう機能していくのか。
そこが鳩山内閣への、大きな期待と不安が入り乱れているところだろう。
仙谷さん入閣の意味は?
さらに、仙谷由人さんが入閣したが、これは非常に望ましい人事だ。
つまり小沢さんが民主党の中で一番、嫌っているのが仙谷さんだからだ。
仙谷さんは、民主党の誰も小沢さんにモノを言えない中でひとり、小沢さんにモノを言う人だ。
私は今度の内閣で、仙谷さんがはずされるのかどうか、非常に大きな問題だと思っていた。
もし仙谷さんがはずされるならば、小沢さんのエゴイズム内閣で、鳩山さんは傀儡(かいらい)に過ぎないということになる。
だが仙谷さんは入閣したので、小沢さんが相当、自己規制をしたということになるだろう。
今回の人事で、オールスターキャストの内閣ができ、私は大変評価している。
前原誠司さんも、仙谷さんと同じグループだが、国土交通相となった。
他にも私が注目しているのは、福山哲郎氏、古川元久氏、細野豪志氏、枝野幸男氏といった人たちだ。
こうした人物を政府に採り入れるということが、民主党にとって非常に大きいと私は思う。
田原総一朗(たはら・そういちろう)

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。1987年から「朝まで生テレビ!」、1989年からスタートした「サンデープロジェクト」のキャスターを務める。新しいスタイルのテレビ・ジャーナリズムを作りあげたとして、1998年、ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞。また、オピニオン誌「オフレコ!」を責任編集。2002年4月に母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたっている。最新刊に「ズバリ!先読み 日本経済」(アスコム)がある。
きのうの、サンデープロジェクトも、おもしろかった、
田原さんと、仙谷氏とのはなし・・・
45万人の天下り特殊法人を、なくした場合、
失業した人の雇用はどうなるんでしょうか・・・
特殊法人が必要なければなくしますんで、
ご自分たちで、

それからの、仕事先を・・・
探してもらうしかありませんね・・・・ だって・・
長妻昭のヒット。 韓国と小沢の会談
長妻昭。
早速、我らが長妻昭のクリーンヒット。
障害者が1割の自己負担をする障害者自立支援法を廃止すると明言した。
この自立支援法というのは、名前は立派だが、障害者の希望を奪う悪制度だ。 それまでは施設で働けば、月に3万円ほどになった賃金が、この法律の後は自身の持ち出しになった。小泉さんが強行採決させた法律だが、障害者いじめと言っていい。
枝野幸男が2年ほど前の予算委で、声涙からして、この支援法は障害者の夢と希望を奪うものだと、事例を挙げつつ福田康夫を追及していたが、時の総理であった福田康夫は聞く耳持たぬであった。
★福島みずほ。
消費者庁が入居する永田町の高層ビル「山王パークタワー」の年間賃料が8億円に上る問題で、移転するかどうか、今月中にも方向性を出すという。
先週も取り上げたが、同じ永田町にいる民主党は、6フロアを借りて賃料が年間1億5千万円。 対して年8億円というのは高すぎる。 これは我々の税金だ。 果たして、「社民党のみずほ」 はどのように決断するか見ものだ。
妖刀ムラマサ行状記 <武田じゅうめい>
ムラマサ肩にかけて、じゅうめいどこへ行く http://blog.goo.ne.jp/takejj_1953
そう、新しい閣僚のみなさんがーーー
ぞくぞくと、ヒットを出しつつあると、感じますネーーー!!!
