日本医科大多摩永山病院の成功例に学ぶ | 東京リーシングと土地活用戦記

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猪瀬直樹の「眼からウロコ」

日本医科大多摩永山病院の成功例に学ぶ
周産期医療体制を整えるには強いリーダーシップが必要だ


2009年4月7日

 僕が座長を務める東京都の「周産期医療体制整備プロジェクトチーム(PT)」では、これまで2回の提言を行ってきた(関連記事)。医師不足にどう対処するか、3回目の提言に向けて、4月1日に日本医科大学多摩永山病院を視察した。

32の産婦人科クリニックとネットワークを組む

 多摩永山病院は多摩地域の基幹病院の1つで、高リスク出産にも対応できる大病院だ。多摩地域は、都内における出産数の3分の1を占めている。

 最近は、妊娠・出産に伴うリスクへの意識が高まっていることもあり、地域の産婦人科クリニックではなく、比較的規模の大きい病院での健診・出産を望む妊婦が増えている。そのため、多摩地域でも、多摩永山病院のような大病院に多くの妊婦が訪れる。

 周産期医療体制の問題は、少ない医療資源をどう効率的に配分するかがカギである。リスクが高い妊婦もリスクが低い妊婦も、みんなが大病院に行ってしまえば、ベッドが足りなくなり、医師の手もまわらない。これでは、緊急時に対応できなくなる。

 そこで、多摩永山病院と地域のクリニックは、2年前から「母と子のネットワーク」を運用しており、医療資源を効率的に活用することに成功している。

 日本医科大学教授で多摩永山病院女性診療科・産科部長の中井章人医師を中心に、2006年9月に準備委員会を立ち上げて、2007年4月から「母と子のネットワーク」の運用を開始した。現在、32のクリニックがネットワークに参加している。

ネットワーク手帳を作り、妊婦の情報を共有する

 ネットワークでは、リスクの低い妊婦は地域のクリニックで健診を受け、何かあれば多摩永山病院で対応するという体制になっている。出産については、希望どおり多摩永山病院で行うことができる。
 ただ、いくら健診はクリニックでやってくださいと言っても、妊婦に納得してもらわなくてはならない。妊婦としては、最初の希望と違う病院で健診を受けることに不安を抱く人もいる。
 そこで、多摩永山病院では、「母と子のネットワーク」の必要性と仕組みを患者に丁寧に説明することで、理解を求めている。
 母子手帳とは別に独自の「母と子のネットワーク手帳」も用意した。母子手帳には簡単な数値しか記入できないが、ネットワーク手帳には、クリニック医師の所見なども記入することができる。永山病院とクリニックのあいだでカルテを交換するわけにはいかないから、このネットワーク手帳を介して、妊婦の健康状態を共有しているのである。

役割分担により、多摩永山病院はハイリスク妊婦の受け入れが増加

 クリニックの健診体制も強化した。以前はクリニックごとに診断基準がばらばらだったものを、健診回数や診断基準を統一するための検討会を何度も開き、多摩永山病院並みの健診体制を確保した。実際に、あるクリニックでは、新しい診断基準によって、妊婦の異状を早期発見することができている。
 ネットワーク導入以前と比べて、多摩永山病院の健診は約7割に減少した。普段の健診はクリニックで構わない。いざ本番ということで、出産のときに多摩永山病院に来ればいいわけだ。多摩永山病院は、リスクの高い妊婦を以前の2.5倍も多く受け入れることができるようになった。
 周産期医療体制が整備されただけでなく、病院の経営面も強化されている。多摩永山病院では、健診をクリニックに任せることで、その分のベッドや医師を分娩にまわすことができるようになった。その結果、分娩数が増えて、収益が改善された。赤字に苦しむ基幹病院が多いなか、多摩永山病院のケースはいい経営モデルになりうる。

猪瀬 この永山モデルを他の地域に拡げていけないでしょうか。

中井教授 基幹病院となるところのモチベーションが必要ですね。大学病院であれば、スタッフの教育効果という点でも、ハイリスクの妊婦を診る方がいいんです。ローリスクの妊婦や健診に時間をとられるよりは、リスクの高い妊婦を診る方がいい。基幹病院がやる気さえ出せばできるとは思うのですが。

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「母と子のネットワーク」について説明する日本医科大学教授で同多摩永山病院女性診療科・産科部長の中井章人氏(右)と、医局長の関口敦子氏


猪瀬 やる気のあるリーダーがいればいいのね。

中井教授 どなたかが強い熱意を持ってやればいいと思います。

いま産科医の7割は女性。産休など女性医師の支援体制も重要

 医師不足という根本的な問題を解消するために、多摩永山病院では女性医師の活用も積極的に行っている。多摩永山病院の産科医師は15名(常勤12名、非常勤3名)で、うち8名が女性医師である。8名のうちの4名が、現在子育て中だという。

中井教授 いま産科医になる人の7割は女性です。多摩永山病院では、短時間勤務制度などを導入し、産休、育児休業期間を短くしてもらう取り組みをしています。その分、男性医師の当直は増えるわけですが、そちらについても、当直明けは昼までですぐ帰すというようなことをしています。

猪瀬 女性医師の稼動率というものを考えていかないといけませんね。お産をしてからどのくらいで復帰できるんですか。
中井教授 育児休業期間として、1年取得できる制度がありますが、その後すぐには完全復帰というシフトは組まないようにしています。一度離れると仕事のカンも狂いますから、半年間程度、完全復帰に向けての支援期間をとっています。
猪瀬 病院内保育所というのはどうなっているのでしょうか。
中井教授 多摩永山病院には残念ながらありません。ただし、ご理解いただきたいのは、院内保育所は地方には有益であると思いますが、東京ではどうか。わざわざ、お子さんを朝の山手線に乗せられないんですよ。一緒に連れていくかというと連れていけないのが現実です。都内の病院内保育所については、利用率は25%くらいだと聞いています。

猪瀬 東京都では、待機児童の解消に向けて、独自に認証保育所という取り組みを行っています。
中井教授 やはり自宅近くの地域に預けるというシステムが現実的でしょう。

猪瀬 大病院は36時間勤務が当たり前の世界ですが、その辺はうまくやれているんですか。
中井教授 以前は3泊4泊が当たり前でしたが、いまはできる限りそうならないようにやっています。そうすることで、男性医師にも評判がよくなりました。

永山モデルを他地域にも応用できる可能性はある
 周産期医療の基幹となる病院で出産を受け持ち、そのまわりにあるクリニックで健診を行う。これが本来はあたり前の体制だ。富士山のすそ野にいろいろな森があるようなもので、富士山を中心におのずとピラミッド型のネットワークが構築されていく。
 しかし、東京都心には基幹となる大病院がいくつもある。一方で分担するクリニックが少ない。峰がたくさんある北アルプスや八ヶ岳のようなものだから、みんながいきなり高い峰に殺到してしまう。大病院とクリニックのあいだで役割分担ができにくい。

 東京でも多摩地域には、多摩永山病院という富士山が1つ抜け出ていたから、ピラミッドが構成されやすかった。また、それだけではなく、中井教授による強いリーダーシップがあったからこそ実現したのである。ピラミッドが構成されやすい条件と、強いリーダーシップがあれば、かぎられた予算と人員のなかでも、周産期医療体制を整えることができる。

 中井教授は「私は変人」と言っている。ものごとを変えいくには、やはり「変人」ぐらいでないとだめなのだろう。

 永山モデルは、母体に優しいということだけではなく、収益を上げているという点が重要だ。この永山モデルというものを、都内の他のエリアでうまく応用して現状の医療資源を最大限に活用すれば、都の周産期医療体制は持続可能になる。

猪瀬直樹(いのせ・なおき)NikkeiBPnet



 志の高い先生方が、頑張っているんですね!!!

 とっても、ありがたいと思います。

 地元で、もう、20年以上も、家族でお世話になっています・・・

 とってもいい病院ですよ!!
 


日本医科大学多摩永山病院
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