パナソニックが三洋買収 狙いは「太陽電池とリチウム電池」
11月5日11時45分配信 J-CASTニュース
パナソニック(旧松下電器産業)が、三洋電機を買収する方針を固めたことが明らかになった。主要行の三井住友銀行など金融機関3社と今後、本格的な交渉に入る。実現すれば、大手電機メーカー同士のM&A(企業の買収・合併)としては初めてになり、年間売上高11兆円を超える国内最大の電機メーカーが誕生する。
■三洋はリチウムイオン電池では世界シェアトップ
関係者によると、パナソニックは、三井住友銀、大和証券SMBC、米ゴールドマンサックスの3社が保有する優先株を取得する方向で協議を進める。3社が現在、保有している優先株は普通株に転換することが可能で、すべてを転換した場合は発行済み株式の約70%に当たるとされる。パナソニックは三洋株の過半数を取得して、2009年4月ごろをめどに子会社化する方針で売却額などを詰める方針だ。
三洋買収に動き出したパナソニックの最大の狙いは、「三洋が世界に誇る太陽電池や充電池事業」(電機業界関係者)との見方が一般的だ。パナソニックは白物家電から半導体まで幅広い製品を手掛けているが、太陽電池は事実上、取り扱っていない。さらに、三洋はパソコンや携帯電話に使うリチウムイオン電池では世界シェアトップに位置する。パナソニックが三洋を傘下に収めれば、太陽電池とリチウムイオン電池事業で一気に世界上位にたち、地球環境への貢献もアピールできる。製品のフルライン化を充実させ、国際戦略を加速することも可能だ。
一方、今回の買収交渉には、世界的な金融危機による市場低迷が大きく影響している。三洋は2004年ごろから業績が悪化し、三井住友銀など金融3社を引き受け先に優先株を発行して資本増強を図った。この優先株は三洋の了解がなければ売却できない取り決めになっているが、09年3月にはこの縛りが切れるため、金融3社は株式の売却について水面下で検討を進めていた。そんな中で金融危機が広がり、特にゴールドマンや大和にとっては、自身の業績が落ち込んでいるという事情からも、三洋株は早急に売却したかったといわれる。

■白物家電や半導体など事業の重複部分はどうする
ただ、パナソニックや三井住友銀など金融3社にとって都合がいい話でも、三洋にとって歓迎すべきかどうかは微妙といえる。そもそもパナソニックと三洋は、白物家電や半導体など事業の重複も多い。「パナソニックの本心は、太陽電池と充電地だけあればいいということ」(電機業界関係者)との見方もある。三洋ブランドの維持、雇用確保という三洋側の条件をパナソニックが飲んだとも伝えられるが、松下時代の「ナショナル」と「パナソニック」のブランド並立をようやく一本化したパナソニックにとって、三洋買収がなった暁には、ブランド戦略が改めて問われることになる。

三洋電機株式会社(以下、三洋電機)は、このほど、独フォルクスワーゲングループ(フォルクスワーゲン、アウディー)とハイブリッド自動車(以下、HEV)用の次世代リチウムイオン電池システムの共同開発を進めることで合意しました。
三洋電機は、地球環境保護への意識の高まりや原油高騰を背景に、今後急速に拡大することが予測されるHEV用二次電池の開発ならびに事業を強化しています。既に北米市場において、フォード社、ホンダ社に HEV用ニッケル水素電池の供給を行っております。
また、フォルクスワーゲングループとは、2006年1月に、次世代ニッケル水素電池システムの共同開発を進めることで合意し、現在も共同開発に取り組んでいます。
今回のフォルクスワーゲングループとのリチウムイオン電池システムの共同開発合意により、ニッケル水素電池システムに加え、フォルクスワーゲングループと緊密なパートナーシップを構築し、更なる高性能HEV用電池システムの開発、商品化を加速し、グローバルでのHEV用バッテリー事業の拡大に取り組みます。
三洋電機は、ブランドビジョン「Think GAIA」のもと、今後も「GAIA(地球)」に貢献できるHEV用バッテリー事業を更に推進し、高い2次電池技術力で「グローバルエナジーソリューション」を提供してまいります。
週刊ダイヤモンド編集部【第161回】 2008年07月09日
三洋電機がリチウムイオン電池で“一人勝ち”する理由
大手パソコン(PC)メーカーの幹部らが最近、相次いで淡路島を訪れている。供給不足に陥っているノートPC用リチウムイオン電池を求めて、ここに本部を置く三洋電機の電池事業部門、モバイルエナジーカンパニーに、供給増を頼み込んでいるのだ。三洋はリチウムイオン電池でトップシェアを誇る。
需給が逼迫している理由は大きく3つある。
第一に、ノートPC市場の急拡大だ。米調査会社IDCによれば、2008年1~3月期の出荷台数は、対前年比で40%も伸びた。
第二に、昨年来相次いだ電池メーカーの工場火災によって、供給が減少したためである。昨年9月に松下電池工業、今年3月には韓国LG化学で火災が発生し、松下はこの3月に完全復旧したばかりで、LGは「いまだ完全復旧に至っていない」(関係者)。
第三に、小型化・コードレス化が進む電動工具用電池の需要急拡大だ。ノートPCも電動工具も同じ円筒型電池を使用しているが、電池メーカーからすれば、「常に値下げ圧力のあるノートPC向けよりも、電動工具向けに売ったほうが儲かる」(業界関係者)ため、各社は電動工具向けの増産を優先する傾向にある。
「なぜ他社には出せてウチには出せないんだ」――。
ある電池メーカーの営業担当者は、大手PCメーカーからそんな叱責を受けたという。それほど、各社は必死で電池の確保に奔走している。特に、LGからの調達比率が大きかった米ヒューレット・パッカードなどは厳しい模様だ。
一方、電池業界は活況にわいている。「完全な売り手市場。いくら作っても供給が追いつかない」(関係者)。特に好調なのがシェアトップの三洋と2位の韓国サムスンSDIだ。両社は共に積極的な設備投資で、松下やLGがつまずいたすきに生産能力を増強しシェアを伸ばしている(右のグラフ参照)。シェア3位のソニーや松下も増産に動き始めており、業界全体の供給能力は上がってきている。
それでも、供給不足は当面続く可能性が高い。ノートPC市場は成長にはずみがつく一方、電池の急激な供給増は望めないからだ。電池の製造には高度な技術とノウハウが必要で、供給できるメーカーは限られる。「需要に対して10~20%足りなくなるのではないか」(三輪秀明・テクノ・システム・リサーチ・マーケティングディレクター)という見方もある。
ノートPC市場の急拡大に乗って一様に好業績を享受してきたPC業界だが、今後は電池の調達が明暗を分ける。壮絶な争奪戦はまだまだ続きそうだ。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 前田 剛)
フォード、GM、トヨタなど大手自動車メーカーは、大幅な減益を発表しています。
ガソリンも、やすくなってきましたが、
これからは、電気自動車など
あたらしい電池の時代がくるかもしれませんね・・・
焦点: パナソニック、三洋電買収で新時代の「水道哲学」展開へ
11月7日、パナソニック(旧社名:松下電器産業)は三洋電機買収を通じて、太陽電池やリチウムイオン電池といった環境製品事業を強化する。

[大阪 7日 ロイター] パナソニック<6752.T>(旧社名:松下電器産業)は三洋電機<6764.T>買収を通じて、太陽電池やリチウムイオン電池といった環境製品事業を強化する。
いずれも、持続的なエネルギー供給や地球温暖化問題の解決に向け高い市場成長が期待されると同時に、大量生産と製品価格の大幅な低下が求められる分野だ。パナソニックの創業者である故松下幸之助氏は、製品を安価かつ大量に供給する「水道哲学」を提唱。三洋買収により、パナソニックは21世紀型の水道哲学に道筋をつけたとも言える。
<経営理念が競争力の源泉>
水道哲学は、幸之助氏が「生産者の使命は、貴重なる生活物資を水道の水のごとく無尽蔵たらしめること」と説いたことに由来する。幸之助氏はこの哲学を1932年(昭和7年)5月、大阪市内で開いた会合で社員に伝えた。ちなみに、この会合で司会進行役を務めていたのが、幸之助氏の義弟で、松下電器専務を経て戦後に三洋電機を創業した故井植歳男氏だった。
パナソニックは10月1日に社名を変更したが、水道哲学は「現在でも当社の経営理念を構成する要素」(パナソニック関係者)という。ただ、水道哲学は、単なる経営理念にとどまらず、現在でもパナソニックの競争力の源泉とみる向きがいる。例えば薄型テレビ。ライバルのソニー<6758.T>など国内の多くのが赤字で、近年、継続して利益を出してきたのはパナソニックとシャープ<6764.T>だけだ。ある国内証券系アナリストは、「パナソニックの場合、水道哲学に基づく大量生産によるコスト引き下げで、最終的に勝ち残ればよいという割り切りがある」と指摘する。
最近でも、プラズマパネルについて、パイオニア<6773>が自社生産を断念し、日立製作所<6501>は生産工程の大幅縮小を決め、それぞれパナソニックからの調達に切り替えるなど、同分野におけるパナソニックの存在感が目立つ。パイオニア、日立はともに画質など技術面での評判が高かったが、最後にものを言ったのが、パイオニアや日立とはけた違いのパナソニックの生産量だった。
<「宝の山」の電池王国>
三洋は、経営危機に陥った2006年3月、三井住友銀行など金融3社に総額3000億円の優先株を発行。財務的な破たんは回避したが、経営の独立性を失った。ただ、地球温暖化問題への世界的な危機意識の高まりと、空前の原油価格高騰に伴い、三洋が得意とする太陽電池やリチウムイオンなど二次電池が将来大きな収益事業に化けるのではとの思惑が膨らんだ。
三洋が手掛ける「HIT太陽電池」は独自の構造を持ち、太陽光を電気に変える変換効率が業界トップを誇る。また、携帯電話やパソコンの電源として使われるリチウムイオン電池で三洋は世界シェアトップ。今後は環境対応型のハイブリッド自動車や電気自動車への搭載が期待されている。三洋は、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)
いずれ三洋への出資金を回収する金融3社の動きを見通して、どこが三洋を手に入れるかに関心が高まっていたが、パナソニックは当初から有力候補とみられていた。パナソニックは、省エネ技術は高く、蓄エネの二次電池も強いが、太陽電池は開発を進めていた時期はあったものの、「採算性の問題」(関係者)により事実上撤退。経営目標に、売上高、株主資本利益率と同等に事業活動から出る二酸化炭素の排出削減量を挙げるほど環境対応にこだわるパナソニックとしては、太陽電池事業は「事業内容に加えたい分野」(幹部)であった。
太陽電池分野では、三洋は変換効率など技術面では高い水準にあるが、世界市場のシェア(生産量)は2005年の4位から2007年には8位(野村証券金融経済研究所調べ)に落としている。ハイテク分野の調査・コンサルティングを行うジェイスター(東京都中央区)の豊崎禎久社長は、10月中旬、ロイターの取材に対し、「2013年ごろには日本の太陽電池メーカーはトップ10からはじき出される」と厳しい予想を示した。
野村証券によると、07年の世界市場シェアでは三洋のほか、シャープ<6753>(2位)と京セラ<6971>(4位)がトップ10に顔を出している。豊崎氏は、パナソニック・三洋連合の太陽電池市場における位置取りについて、「パナソニックの資金力とグローバルの展開を考えていくと、(他の日本メーカーに比べ)トップ10にとどまる可能性は高いと思う」と指摘する。パナソニックは国内で住宅事業を手掛けていることも太陽電池拡販で強みとなりそうだ。
リチウムイオン電池など二次電池市場でもパナソニックと三洋は強力な組み合わせとなる。自動車向け二次電池開発では、パナソニックはトヨタ自動車<7203>と協業し、共同出資会社を運営。独フォルクスワーゲンと組む三洋を傘下に収めることで、規模の拡大によって価格交渉力が強化される。モバイル機器用などの二次電池でトップシェアの三洋に対する評価や、その技術力もパナソニックの手中に入る。みずほ証券の桂竜輔シニアアナリストは「(顧客からの)信頼が高まる」と、製品力の向上を指摘している。パナソニックの大坪文雄社長は7日の会見で、自動車用二次電池について「爆発的に伸びる」と語り、三洋買収の最大の狙いであることをにじませた。
リチウムイオン電池は、太陽光発電や風力発電など自然エネルギーを普及拡大させていく際にも、有望な装置と期待されている。天候任せの自然エネルギーは、蓄電装置と組み合わせることで、発展途上国で多く残る無電化地域でも送電網の大規模なインフラ投資なしに電力の供給が可能になる。また、電力インフラが整備された日本では、それ自体では出力が安定しない自然エネルギーの発電能力が一定規模を超えた場合、送電網の安定運用に支障を来たすと電力業界などが懸念を示すが、蓄電装置と組み合わせることで悪影響が回避できるとされる。
太陽電池や環境対応型自動車向けの二次電池、自然エネルギーを補完する蓄電装置などの需要の本当の姿を知るには、現実には数十年規模の時間軸でみる必要があるが、潜在力は極めて大きいと言え、パナソニックはそこに成長戦略を託したと言える。パナソニックが将来の果実を確実に得るためにも、統合後の重複分野の整理など当面の課題にどう対応するかが重要となりそうだ。
(ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者、取材強力:平田 紀之記者)
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