「世界金融危機、日本企業にとっての意味」(NIKKEI NET 2008/10/21)
「グローバル超競争」と失われた15年
バブル崩壊後のいわゆる「失われた15年」を振り返ってみると、グローバル競争における日本企業の地位低下は顕著であった。それは、輸出産業の代表であった電機業界を見れば明らかだ。グローバル市場での売上高ランキングで見ると、1997年にはトップ10に日本の電機メーカーが6社、うち2社(日立製作所、松下電器産業=現パナソニック)はトップ5に入っていた。それが2006年になると、トップ5はゼロ、辛うじて4社がトップ10に残っている。
売上高成長率でグローバル競合に後れを取った日本企業は、営業利益率で見ても劣位にある。その結果、IBMやノキアといった海外大手メーカーの時価総額は、パナソニックやソニーの約3倍に及ぶ(昨年末時点)。デジタル化、グローバル水平分業の波が押し寄せ“勝者総取り”の市場構造ができる中で、日本の電機メーカーは戦略的集中の欠如によりグローバル市場で欧米や韓国のプレーヤーに敗れ、国内偏重の事業構造から脱却できずにきた結果と言える。その証拠に、日本を代表する電機メーカーといえども、海外売上高比率を見るとパナソニックでやっと5割、日立が4割強、NECは25%にすぎない。
日本企業の地位低下は、電機に限った話ではない。酒類・飲料業界で見ると、1997年にはトップ10に日本企業が2社(サントリー、キリン)入っていたが、2006年にはゼロ。小売、通信など、他の多くの業界でも似たような状況が見られる。
この現象は、基本的に2つの要因の組み合わせで説明できる。1つは、1990年代末から本格化するリストラや構造改革という内向きの作業を進める中で、日本企業の海外展開にブレーキがかかっていたこと。そしてもう1つの要因が「グローバル超競争」、すなわち、この10年間のグローバル市場の構造変化と産業集中化の進展だ。
この10年の間に、ユーロ誕生とEU(欧州連合)拡大が巨大な欧州市場の統合を完成し、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が世界のひのき舞台に登場した。同時に、発達した情報通信技術が米・欧・新興国をつなぎ、「フラットな」真のグローバル経済を生みだした。この中で、成長市場での優位とグローバルでの規模の経済性を求める巨大企業同士が、世界市場での覇権を争うグローバル競争を本格化させた。さらに、金融市場の発達と新興国マネーの参入が、国際的M&Aを加速した。
岐路に立つ日本企業
要約すれば、「グローバル超競争」とは、顧客、サプライチェーン、資本市場という3つの側面で統合されつつある世界市場での覇権を目指して、国際的巨大企業による寡占化が加速度的に進んでいく現象である。そこでは、欧米先進国の伝統的プレーヤーのみならず、新興国からの新たな企業群が加わった大競争が展開されている。
その中で日本は、人口減少による国内市場の縮小、円安による所得の海外流出に直面し、国際経済におけるポジションは低下する一方であった。このまま内向きの経営を続けるのか、あるいは、世界に大きく打って出て、グローバル市場で超競争に対峙(たいじ)するのか――。岐路に立つ日本企業にとって、世界が金融危機の渦中にある今が、決断の最後のチャンスになるかもしれない。
A.T. カーニー 日本代表
梅澤 高明氏
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2008年 2007年 2006年
(株)日立製作所 売上高 11兆226,735百万円 10兆247,903百万円 9兆464,801百万円
パナソニック(株) 9兆068,928百万円 9兆108,170百万円 8兆894,329百万円
ソニー(株) 8兆871,414百万円 8兆295,695百万円 7兆475,436百万円
(株)東芝 7兆668,076百万円 7兆116,350百万円 6兆343,506百万円
富士通(株) 5兆330,865百万円 5兆100,163百万円 4兆791,416百万円
NEC 4兆617,153百万円 4兆652,649百万円 4兆824,929百万円
キヤノン(株) 4兆481,346百万円 4兆156,759百万円 3兆754,191百万円
三菱電機(株) 4兆049,818百万円 3兆855,745百万円 3兆604,185百万円
シャープ(株) 3兆417,736百万円 3兆127,771百万円 2兆797,109百万円
日本の電気メーカーは着実に業績が上がっていると思いますが??
2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
トヨタ自動車(株) 売上高 26兆289,240百万円 23兆948,091百万円 21兆036,909百万円
ホンダ 12兆002,834百万円 11兆087,140百万円 9兆907,996百万円
日産自動車(株) 10兆824,238百万円 10兆468,583百万円 9兆428,292百万円
スズキ(株) 3兆502,419百万円 3兆163,669百万円 2兆746,453百万円
マツダ(株) 3兆475,789百万円 3兆247,485百万円 2兆919,823百万円
三菱自動車(株) 2兆682,103百万円 2兆202,869百万円 2兆120,068百万円
ヤマハ発動機(株) 1兆756,707百万円 1兆582,046百万円 1兆375,249百万円
富士重工業(株) 1兆572,346百万円 1兆494,817百万円 1兆476,368百万円
川崎重工業(株) 1兆501,097百万円 1兆438,618百万円 1兆322,487百万円
自動車、バイクなどもですね・・・
ただ、これら他の輸出型の大きな産業たちが、今回の世界金融危機の影響を受け、
国民生活に直接影響する、可能性は多いですよね・・
ロシア、中国、東南アジアなどへの輸出は増々つづくでしょうが・・
