ビュッフェスタイルのランチメニューを提供し女性客の拡大を狙う(横浜市港北区の「コート・ダジュールダイニング」)
カラオケ店運営の各社が女性や若者の利用者確保に向け「歌」以外のサービスを競っている。カラオケ業界は1996年をピークにルーム数が減少に転じている。シダックスや第一興商など大手各社は05年3月期決算が軒並み経常減益となった。客足を回復させるにはカラオケ以外の切り口でも店の魅力を高めることが不可欠と、料理や設備に工夫を凝らしている。
「ランチは週に1000食は出る。主婦層の客が多く、予想以上に好調だ」——。カラオケチェーン「コート・ダジュール」を運営するヴァリックの菅谷信一常務は、カラオケ離れが進む女性客の回復に安堵(あんど)の表情を見せる。

ヴァリックが昨年12月に開設した新業態店「コート・ダジュールダイニング」(横浜市)。5階建てのビルの2—4階はカラオケ個室。1階は50席以上を配置し、仕切りが少なく広々とした印象のカフェを併設している。
昼は980円で常時50種類以上の料理が選べるランチビュッフェを目当てに、周辺に勤務するサラリーマン・OLや近隣住宅街の主婦で賑わう。カラオケ個室でも食べられるので、ゆっくり食事をしたい子連れ客のニーズもつかんでいる。夜は2500—4500円のイタリア料理コースも提供し、近くのホテルで挙げた結婚式の2次会として利用する客もいる。
ヴァリックは各店に料理長を置き、レストラン並みの厨房(ちゅうぼう)で調理する。カラオケ店で主流の冷凍食品は極力使わず、店内調理が中心。通常のカラオケ店より食事の単価は高いが、レストランに比べて割安感を打ち出している。

料理で差別化する戦略はアンケート調査などで女性や若者の顧客がカラオケ店に足りないと感じていることを分析し編み出した。店舗の清潔さや店員の応対の丁寧さと並び、店内でしっかり作る食事への要望が多かった。
シダックスは専用ルームやコース料理が楽しめる有料の会員制度「ゴールドメンバーズ」を導入した。入会金1000円を払えば部屋でコース料理が利用できるなど特典がある。落ちついた雰囲気でカラオケを楽しみたい女性などを「常連客」としてつかむ狙いだ。
料理よりもカラオケと連動して楽しむコンテンツ(情報の内容)で女性や若者を集客しようと試みているのは「カラオケの鉄人」を運営する鉄人化計画だ。
CGを駆使した近未来の空間をバックに歌う歌手の浜崎あゆみさんのビデオクリップ。自分もあんな映像を背景に歌う姿を撮られてみたい——。音楽好きなら一度は夢見ることを1回500円程度で実現できるサービスを年内にも店舗で開始する。鉄人化計画は外部のソフト開発会社と協力し、カラオケを歌う利用者の映像をその場で撮影・編集するシステムを開発。アトラスの「プリント倶楽部」のように背景を合成し、プロ歌手のビデオ風に仕上げられる。撮った映像は携帯電話の着信動画向けなどの用途を見込む。大容量データ通信ができる第3世代携帯電話にその場で取り込めるようにし、集客手段にする考えだ。
カラオケルーム内に専門の機材を設置し撮影する。世界各地の映像や仮想のライブハウスなど100種類以上の背景映像を用意し、利用者が選べるようにする。すでに試作機を完成させており、現在は性能評価の段階だ。
鉄人化計画は「カラオケ店は歌える曲数や音響など設備の質を高めれば集客できる」(日野洋一社長)という直球勝負でこれまで臨んできた。そのため、第一興商のDAMやBMBのUGAなど5種類程度の通信カラオケを統合し、古今東西の20万曲以上から選べるシステムを自前で開発した経緯がある。社内のシステム開発部隊を活用し、将来はカラオケ客が店舗で作った着信動画を自宅のパソコンでも自在に加工できるようにするのが目標だ。
音楽のし好が多様化し、ミリオンヒットが生まれにくくなった状況は、人々の音楽の楽しみ方自体が変化したことを物語っている。団塊の世代の高齢化でカラオケ人口の目減りは必至。生き残るには他社にないサービスで差別化するなどし、興味が薄れた顧客を振り向かせる経営が求められる。(小暮晃一)
カラオケ各社の新サービス(カッコ内はチェーン店名)
ヴァリック(コート・ダジュールなど)
昼は980円のビュッフェランチ。夜は2500—4500円のイタリア料理コース
鉄人化計画(カラオケの鉄人)
カラオケを歌う姿を撮影し背景映像と合成した着信動画を提供予定
シダックス(シダックス)
専用ルームやコース料理が利用できる有料の会員制度
BMB(U—STYLEなど)
ビリヤードやダーツも楽しめる大型複合施設を計画
ニュートン(パセラ)
複数通信カラオケを統合し13万曲超提供。ダーツバー併設店も
[7月1日/日経産業新聞]
カラオケ大好きですね!!! 先日、夜の11時頃、飲んだ後、京王線の聖蹟桜ヶ丘で、タクシー乗り場に行くと、20人位、人が並んでいました、六割が、女性です。日本も変わったねー、と感じた次第です。タクシーの運転手さんも言っていました。
