#7「包む文化」と感情表現 ~あなたは自然に笑えていますか?~ | あら50の心理カウンセラーでございます

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(つづきfrom#6

 

 前回取り上げた「感情の扱い方」の続き、今回は「感情表現」についてです。さてみなさんは、自然に笑えていますか? 赤ちゃんがキャッキャと笑うとき、人の目を気にしはいないでしょう。しかし知恵がついてくると、愛想笑いや誤魔化し笑い、冷笑や失笑など、「嬉しい、楽しい、おかしいから笑う」のとは違った「笑い」を小さい子どもでも使うようになりますね。

 私は、どこかで何かがこじれてしまったようで、素直に笑っているつもりなのに、斜に構えたような人を小馬鹿にするような笑いか、極端な馬鹿笑いを自分がしていることに20代のとき突然気づき、「笑うって難しい……」なんて悩んでいたことがあります。あんまり共感してもらえたことがないのですが、みなさんはどうでしょうか?

 

 そんなときに「感情は自然に出せばいいんだよ」とアドバイスされたことがあります。その「自然」ってのが、考えれば考えるほど分からなくなってしまい、さらにドツボに陥ったことも。「考え」てしまったら、どんどん「自然」な状態から離れてしまいますね。自然な感情表現がこころの健康に大切ということは分かりますが、赤ちゃんのように感情を自然に表出するなんてできるのでしょうか?

 

 白い歯を出すのははしたないからお口を押さえて「オホホ」と笑う、というのが女性のたしなみ。男は黙って○○ビール。日本文化は「感情まるだし」であることへの圧力がだいぶ強いようです。一方で、喜びを(私からすると)大げさに表現する欧米文化があったり、お葬式などでの悲しみの表現もお国や文化によってだいぶ違います。

 よくよく考えると、感情(情動反応)は身体に備わった自然のメカニズムですが、「感情表現」は自然ではなく「文化」的なものだったんですね。電車を待つときに並ぶかどうかや、知り合いと会ったときにお辞儀をするのかハグをするのかなどの文化があるように、怒りや悲しみや喜びの表し方にも、文化的な「作法」や「型」がある、決して自然に表現しているわけではありません。あなたが怒ったときや傷ついたときにとる態度や行動は、誰をモデルにしているのでしょう。親御さんでしょうか、それともテレビの影響でしょうか?

 

 感情表現について考えるとき、中学の国語教科書にあった『包む』という文章が思い出されます。大切なものを「包む」、大切な感情は内に秘め「つつしむ」のが日本の伝統文化だ、といった内容だったかと思います。「感情があからさまなのもどうかと思うが、見えないように包んでしまっておくのもどうなんだ?」と思った記憶があります。

 何やら話が「感情の扱い方」にまた寄ってきてしまった感がありますが、「感情表現」を文化として考えてみることのご提案でした。特に「怒り」の表現方法は、昭和なノリだと波平さんの「ばかも~ん!」ですが、ギャル語の文化なら「激おこプンプン!」。あなたに合った怒りの表現方法のモデルを探してみてはいかがでしょう?

 

(つづくto#8