【器大好き イギリス・Pool Pottery】  










  

わたしはもともと器が好きで、高校生くらいから、

  

好きなものを少しずつ買い集めていました。


  

最近は大事な器もしまい込んでいましたが、

  

引越しを機に、お気に入りの器を日常も使うことにしました。


お気に入りの器を使うと、いつもの食事もより一層おいしくなりますし、

  

せっかく出会った大好きなものに囲まれてすごしたいですものね。

  

今朝の朝食の時に使用したのは、18年くらい前にイギリスで

  

出会った、Pool Potteryの大好きな器です。

  

20代の1年を、イギリスで過ごしたことがあります。
 
貯金を切り崩して、英語を学んだり、ボランティアをしたりしていたので、


贅沢はできませんでしたが、週末にはチーズサンドイッチを作って、


いろいろな ところへ出かけて行きました。 


ボランティアをしていた関係で知り合った一人の方は、

 

異文化教育に携わっていたこと、

 

わたしより少し若いくらいのお嬢さんが二人いたこともあり、

  

まるでわたしの「イギリスのお母さん」のように、

  

わたしのことを気にかけてくれ、時には自宅に招いてくれました。 

  

イギリスでは、日本人は、「有色人種」です。

  

ボランティア先で子供たちが書いたわたしの似顔絵は、

  

肌色ではなく、茶色か褐色に塗られていました。

  

英会話のクラスでも、自然にアジア人とヨーロッパ人

  

のグループは、何となく自然にわかれます。

  

でも、わたしの「イギリスのお母さん」は何も気にせず、

  

わたしを泊まらせてくれることもありました。
  

 
あるとき、彼女の家に招かれたとき、素敵な食器が


目にはいりました。

 


「素敵な器ですね♪」

  

「Pool Potteryっていう、私のふるさとのPoolで作られている

  

陶器なの。

  

結婚30周年のお祝いにいただいたのよ」

  

もともとわたしはなぜか葡萄柄に弱いのですが、有名なイギリスの

  

老舗のデザインとは違う、シンプルで可愛らしいその柄に、とても

  

心惹かれました。

  

その後、Pool Potteryの窯元がある港町、Poolを訪れました。

  

(港町ということもあってか、なんだか小樽に似ているなあ、と懐かしい

  

気持がしました。)

  

もちろん、Pool Potteryで工場見学をしたのですが、なんとそこには

  

アウトレット店もあったのです。

  

これなら、わたしのお小遣いでも買える!

  

散々迷い、悩んだ末わたしが手にしたのは、あのイギリスの

  

お母さんのうちで出会った葡萄柄の食器でした。

  

(本当は他にもいろいろほしかったのですが、イギリス滞在の途中

  

でもあり、荷物は増やせなかったのです)

  

この器を使うとき、いつも明るかった「イギリスのお母さん」の

  

ことを思い出します。

  

彼女の家の食卓はいつも明るくて、わたしのことも家族の

  

皆さんがつつんでくれました。

  

(今でも彼女とはクリスマスカードのやり取りをしています)

  

実は最近物販の勉強をして、せっかく扱うなら好きな器が

  

いいかな、とPool Potteryも調べてみたのです。

  

そうすると、数年前に食器事業からは撤退していることがわかり、

  

少し寂しい気持ちになりました。

  

思い出のこもったこの器は、わたしの宝物の一つです。