直感思考論理思考では、同じ問題を考えても違う結論になりがちです。
 
もちろん同じ答えになることもありますが、違ってしまうことが多くなります。
 
「意見や考えがあわない」ということになってしまいます。
 

 
 
なぜ、そうなるのか??
 
答えは、「結論の出し方が違うから」です。
 
論理思考と直感思考の結論の出し方の違いは、なんでしょう?
 
 

論理思考と直感思考は違うアルゴリズムですが、直感思考が論理的ではないのかというと、じつは直感思考も論理的なのです
 
これはどういうことか。ちょっと説明が必要です。
 
 

論理」という言葉を辞書で調べると、
 
「考えや議論などを進めていく筋道」
 
とあります。
 

論理思考は「筋道をたてて考える」ことです。
 
「根拠のある考え」とも言えます。
 
 

直感思考は、「根拠のない考え」「筋道のない考え」なのかというと、実はそうではありません。
 
直感思考も、根拠があり、筋道があります。
 
 
 

「根拠・道筋」という意味でいえば、論理思考直感思考も、論理があります。

ただ、直感思考の根拠・道筋と、論理思考の根拠・道筋は、性質が違います。

この性質の違いが、非常に重大な事実です。
 
 
 
その違いは「主観」と「客観」です。
 
 
 
論理思考の論理は、「客観的論理」です。
 
直感思考の論理は、「主観的論理」です。
 
 
 
客観的論理は、客観的事実を根拠や道筋としている論理です。
客観的事実とは、「誰にとってもそうである」という事実です。
 
 
主観底論理は、主観的事実を根拠や道筋としている論理です。
主観的事実とは、「その人にとってはそうである」という事実です。
 
 

客観的事実主観的事実の違いを、2つの例で説明します。
 
 
 
例えば、ある部屋の室温について

人によって、「暑い」とか「寒い」とか「ちょうどいい」などと感じたりします。
 
それぞれの人は確かにそう感じています。それは、事実です。
 
事実ですが、それぞれの人によって感じたことが違います。
 
これが、主観的事実です。

「暑いよね?」「いや寒いよ」となったりします。
 
どっちが正しい、という一つの答えはありません。
 
「それぞれの感じ方の違い」です。
 

一方、温度計を見て、「この部屋の室温は25℃です」というのは、誰にとっても変わらない事実です。
これが、客観的事実です。
 
 
 

もう一つ。
 
例えば、「あれ、出かけるときカギ閉めたかな?ウン、ちゃんと閉めた気がする!」というとき。
 
家に戻って、ドアを開けてみて鍵がかかっているのか調べれば、鍵を閉めたかどうかわかります。
そうして調べた結果は、客観的事実です。
 
 
 
その人の記憶では「鍵を閉めた」となっているとき。
 
そういう「記憶がある」というのは事実です。
 
ですが、その「記憶」はその人にしかわからない、主観的事実です。
 

そして、記憶の内容は、実際に鍵が閉まっているかどうかと、関係がありません。
 
鍵が閉まっていても、閉め忘れていても、記憶の中では「鍵は閉めた!」となっていたりします。
 
いわゆる「思い込み」です。
 

思い込みでも、その人にとっては「事実」です。主観的事実の一つです。
 
ほかにも、主観的事実のパターンはあります。
 
 
 
 
客観的事実は、だれにとっても事実で、それが事実であることを確認することができます。
 
論理思考」は、「誰にとっても事実であり、しかもそれを事実だと確認できること」を根拠や道筋として考えることをいいます。
 
客観的論理思考」ということもできます。
 

 
主観的事実は、その人にとっては事実だけど、ほかの人にとってはそうとはかぎりません。
 
他の人からみたら事実と異なることは、よく起こります。
 
 
「論理的でない」と思う場合は、実際に根拠や道筋がない考えなのではなく、「主観的事実にもとづく主観的論理で考えている」のです。
 
主観的事実は、ほかの人にとっては「間違っていること」であることも多い。
 
それを根拠に結論を出せば、結論も間違っています。
 
でも、その方にとっては、その方が事実と思うことを根拠に論理的に考えた結果なのです。
 
ですが、客観的には成立しない論理、つまり論理的に間違っている結論なので、それをもとに何かをしても「うまくいかない」のです。
 
 
 
論理思考直感思考では、同じ問題を考えても違う結論になりがち。
 
その原因は、論理展開の元が、客観的事実主観的事実、の違いです。

 
 
客観的論理思考による結論は、正しい結果に向かっていきます。
 
主観的論理思考による結論は、正しい結果に向かうとは限らない。
 
運が悪ければ間違ってしまいます。
 
 
 
このブログのタイトルの「論理思考でみんなハッピー」の「論理思考」は、「客観的論理思考」です。
 
自分が論理思考しているか、そしてその論理が客観的かを意識することで、論理思考力を高めることができます。

論理が客観的かどうかは、自分のなかで「事実」としていることが「客観的事実」か「主観的事実」かを見極めることです。
 
 
 

どうやって見極めるか?
 
それは、いたってシンプル。

「鍵が閉っているかどうか、実際に確かめること」です。
 
実際に確かめれば、それは客観的事実です。
 
 
 
自分が思っていることが客観的事実主観的事実かを、一つ一つ確かめていくと、どんどん望ましい方向に進んでいきます!
 
 
 
ややこしい話になりましたが、今回の話はとってもとっても重要な話です。
 
以前にも書きましたが、論理思考と直感思考は、どちらが良い・悪いというのではなく、役割が違います。
 
「この部屋は寒い」という主観的事実は、事実であると大事にしないといけません。
 
「え?別に寒くないよ?」という人がいてもその人が寒くないだけで、あなたの体は「寒い」と言っています。
 
寒いのだから、一枚羽織る、部屋からでる、エアコンの調整をお願いする等の対処が必要です。「あ、寒いと思った自分が間違ってるんだ」と思うのは、間違っています。
 
こういうような場合も、主観的事実と客観的事実の見極めができるとすんなり判断できます。