「お金はつかってもなくならない。誰かのもとに移動するだけ。」こちら

という、どんなときも変わらぬ原則があります。

 

ということは、「不景気でも日本全体のお金の総量は変わらない」ことになります。

「たとえどんな無駄遣いをしても、日本は貧乏にはなれない」のです。

 

それでも、私たちは貧乏になっています。

いろんなデータをみても、貧困化は確実に進んでいます。

 

貧困化が進行している現在の日本はデフレ―ション、いわゆる「デフレ」の状態です。

 

 

デフレは、「自由経済市場の砂漠化」です。

 

砂漠にも生き物はいます。
植物や昆虫、爬虫類も哺乳類も。
 
生命活動は水を消費します。
必要な水は、雨からと、他の生物や植物を食べることで摂取します。
 
砂漠には、水をすこししか摂取しなくても大丈夫な生き物が住んでいます。
飢えと渇きに耐えながらほとんど活動せず、必要最小限の動きしかしない。
そういうふうに適応できなかった生き物は、死んでいきます。
 
20年間デフレ経済が続いている日本経済は砂漠のようです。
砂漠で生きていくためには、砂漠に適応する必要があります。
生きるために「なるべくを金を使わない」=「節約」を身につけます。

企業は、積極的にうごいても体力を消耗するだけです。
投資しても回収できないので、設備投資をしないようになります。
設備投資もしないので、銀行からお金を借りることもありません。
 
企業が利益を出せないから、給与は減ります。
給与が減った家計は「節約」で、自分を守ります。
消費は減ることになり、さらに企業は儲からなくなります。
 
砂漠で生きられるように「節約」という適応をする。
その適応が、さらに砂漠化を進める。
これが「デフレスパイラル」です。

デフレの社会に生きる若者は、夢を持たなくなります。
夢を持ったら、活動したくなる。
活動した分だけそれだけ得られる社会じゃないので、夢を持ったら苦しくなります。
自然と、夢を持たなくなります。
 
今の若者は車を欲しがらず、住まいも狭くて大丈夫。
活きる環境がそうさせているのです。
砂漠のような経済の中で生き延びるための適応です。
 
さらに。
その砂漠のような環境での「貴重な消費活動」に課税するのが、消費税です。
消費への罰則です。
 
経済が縮小するの当たり前です。
2019年の10~12月期はGDPが年率で7.1%も減少しました。
縮小は予想されていましたが、予想をはるかに超えるダメージを経済に与えました。
 
消費税に限らず、デフレ時の増税はデフレを加速させます。
中でも消費税はもっとも直接的に消費を縮小させます。
 
 
 
自由経済市場という砂漠のなかで生きる私たちは、非常に弱い存在です。
私たちにできるのは、そこで生き延びるための「身を守る適応」だけです。
 
政府は、市場に資金を投入しようと「量的緩和」をしました。
銀行にはたくさんの資金が投入されました。
しかし、消費者が貧困化している状況では、企業が投資をしても回収できないので企業はお金を借りません。
結局消費を増やすことはできておらず、デフレ脱却はできていません。
 
でも!
「お金は使ってもなくならない」の原則があります。
私たちが20年デフレで苦しんでも、お金はなくなってはいません。
それは間違いない。
 
じゃあ、どうなったんだ?
お金はどこに行ったんだ?
 
⇒「デフレ②~デフレは格差を広げる」に続く