△日本百名山 No.086「光岳」(2/2) | 名人塾2

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△日本百名山 No.086「光岳」(2/2)







●光岳 てかりだけ 静岡県と長野県 2,592m/



上河内岳から光岳


コース:聖平→南岳→上河内岳肩→上河内岳(2803m,往復)→お花畑→茶臼岳(2604m)→仁田池→喜望峰→仁田岳(2528m,往復)→易老岳(2354m)→三吉ザレ→静高平→光小屋→光岳(2591m)→光小屋

この日も長距離を歩いた。最初に登った上河内岳からはすばらしい展望が広がっていた。北には今まで登ってきた山々が連なり、南にはこれから辿る光岳までの稜線が続いているのだ。でも、縦走1週間目なのでバテぎみであった。




登山記録:2007年8月13日(月)(画像は1983年南アルプス縦走および1998年光岳登山の記録)

・・・「光岳」(1/2:2月26日投稿済)より続く

仁田岳

茶臼岳山頂から岩稜を少し行くと急降下になる。ザラザラの急斜面をジグザグに下って行くと、下には草原の中に木道が通っているのが見える。いかにも遠い。
下り着いて平坦な道になると左に小さな池があった。指導標には仁田池と書かれていた。
樹林の中に入ったり出たりするのだが、林から抜けたところには草原が広がっていて、そこは木道がつけられている。
木道のあるところはお花畑だと思うのだが、あまり花は咲いていなかった。季節が違うのだろうか。振り返ると茶臼岳は鋭い峰となって聳えていた。
行く手に樹林に覆われたピークが迫ってくる。展望の開けた尾根を登って行き、だいぶ登ったところで樹林に入ると、そこが希望峰山頂であった。まったく展望はない。
このすぐ先に指導標がたっていて、そこからは縦走路を左に外れて仁田岳に向かうことができる。できるだけたくさんの山の登ろうと思っているので、この仁田岳にも登ることにした。
樹林を抜けると展望の稜線で、その先にハイマツの緑におおわれたピークが見える。意外と近いと思いながらこのピークに登ったら、そのかなり先に標識のたつピークが見えた。それが仁田岳であった。
ハイマツの広い尾根を登って仁田岳の山頂にたったのは10時半であった。山頂からは兎岳や聖岳がよく見えた。
助かったのは、これから歩く光岳への縦走路が一望できたことである。希望峰からはかなり下らなければいけないことがわかったし、光岳直前では急登が待っていることもわかった。そしてなによりも光岳まではめちゃくちゃに遠いということを思い知らされた。





茶臼岳から下る



仁田池



希望峰山頂



仁田岳山頂














































易老岳から光岳山頂へ

仁田岳山頂から来た道を引き返す。雲が湧き上ってきていて、聖や茶臼が雲に隠れようとしていた。
喜望峰に戻って下る。この先は樹林の中をひたすら歩くのだ。ゆるやかなアップダウンを繰り返して行く。所々で樹林が途切れると草原があってお花畑が広がる。でもほとんどは針葉樹林の中を行くのだ。延々と1時間ほど歩くと、行く手に針葉樹林の大きなピークが迫ってきた。樹林の中を登って傾斜が緩やかになって、さらに5分ほど行くと易老岳山頂に着いた。深い樹林に囲まれた山頂である。でも山名の標識の前にはちゃんと三角点があった。山頂からほんの少し行くと易老渡との分岐があった。そこにはたくさんのザックが置いてあって、ここから空身で光を往復する人が多いということがわかる。私も明日はここまで引き返してこなければいけないのだ。
長めの休憩をとった。ここから光小屋までは2時間40分である。15時過ぎには小屋に着けそうだ。
易老岳からは樹林の中を下る。深い樹林の中の稜線をひたすら行く。地図にある三吉ザレに着く。右側が大崩落地になっているのだ。ここには「携帯使えます」の標識がたっていたのでさっそく携帯を使ってみた。ちゃんと通じて、天気予報が確認できた。今回の南アルプス縦走中は、どこでも携帯は使えなかったので助かった。
樹林の中を下って行く。尾根は広い樹林帯で踏み跡が錯綜して、けっこう判りにくい。道が湿った感じになると、地図の三吉平らしきところに着いた。でも指導標がないので、はたして三吉平かどうかはわからない。針葉樹林の中を行くと、前方に高く聳える山が迫ってくる。この山を越えるのかと思っていたら、その右側を捲いてしまった。よかった…。
やがて道は涸れた沢のような溝の中を行くようになった。
岩がゴロゴロする道で、ものすごく歩きにくいのだが、進むにつれて傾斜は増してどんどんきつくなってくる。まさしく沢をつめていくのだ。厳しい登りが延々と続く。
傾斜がゆるまると、ダケカンバが点々とする草原になった。さらに登り詰めると広い草原で、そこには「静高平」の標識がたっていた。
地図ではここが水場なのだが涸れていた。ここで水が手に入らなかったら、小屋で水を買うしかない。困った…。
あきらめて涸れた水場から少し行くと、次の水場があった。湧き出た水が溜まりを作っていて、水は流れていないようにも見えたが、少しずつ流れているようだ。コップにすくって飲んでみたら冷たくておいしかい。助かった。さっそくポリタンにつめた。水も補給できて、安心して光小屋に向かった。
草原から樹林に入るが、すぐに再び草原に出る。そこにはイザルヶ岳の登山口があって、その先に木道が続いている。そして山小屋も見えてきた。木道をたどって山小屋に向かうと、道の左下にテント場と思われる空き地があった。でも、一つもテントは張られていない。小屋に向かって行くと、小屋から大きな声で、上のテント場はいっぱいなのでそこにテントを張ってくれと叫ばれた。ここにザックを置いて小屋に向かった。テントの手続きをしながら、易老渡からの交通について訊いた。タクシーを頼むと12000円ほどかかるらしい。なんとか乗り合わせる人はいないかと訊いたが、今のところタクシーを頼む人はいないという。管理人さんは夕飯のときにみんなに訊いてくれるという。
お願いして、テント場に戻ってテントを張った。時間はまだ3時半である。
余裕だと思って、のんびりしていたら、後からどんどん登山者がやってきて、私一人だったテント場がけっこう賑やかになった。時間も早いので、今日中に光岳に登ることにした。
小屋の前の指導標に従って、樹林の中の道をたどる。小屋から15分ということなのだが、けっこう距離があった。一段登ると平坦な稜線に出て、平坦な道をしばらく歩いてから樹林が茂るピークに向かって急登する。登りきったところが光岳山頂である。樹林に囲まれて展望はまったくない。でも、10m先に展望地があるというので行ってみた。そこからは光岩を見下ろすことができた。この岩を麓から眺めると光って見えるので光岳という名前がつけられたという。
光岩までは7分という標識もあったが、めんどうになって引き返した。山頂で登山者に写真を頼まれて、それから一緒にテント場まで下ったが、話を聞くと易老渡まで車で来てるという。そこで、車に乗せてもらえないかと頼んだら了解してもらった。助かった。
小屋でビールを買ってこれを持って、彼のところに行って山の話をした。南アルプス市に住んでいて、今回は易老渡から遠山川を遡って聖岳に登り、それから上河内・茶臼と縦走してきたのだそうだ。
日が暮れるまで話をして、明日は5時に出発することを約束して、自分のテントに戻った。





長い稜線を行く



易老岳山頂



三吉ザレ



ガレた涸沢を急登する



静高平に着いた



イザルヶ岳分岐



大鉄光小屋



光岳への道



光岳山頂



私のテント、シュラフを干した