サクラは萌えているか | 会社を辞めてXXを season 2

会社を辞めてXXを season 2

自分の原点に戻るべく57歳にして東京の商社を辞めて農業分野への転職を決意。年齢フィルターに苦戦しながらも農園への転職に成功するも1年でリストラに。再び彷徨いはじめた自分探しの備忘録。

 

 

 

 



みなさん、こんにちは。

気象庁によれば都内のソメイヨシノが今日明日中には開花するようだ。毎年同じサクラに見えるが実はビミョーに違う。色合いや咲き方が例年違うのだ。これは都内のサクラをデジタルカメラで撮影するようになって気付いたことだ。

風や光の具合、満開時のズレもあるのだが、わた雪が積もったように咲くときもあれば幹が見えてスッカスカの時もあるのだ。色合いも微妙に違う。サクラにもイイ気分の開花、ワルい気分の開花があるようだ。今年はどんな気分で咲いてくれるだろうか。

さて、私が第2の人生の計画を立てはじめたのが転籍を言い渡された50歳のとき、7年前だ。そしてその準備段階として、その業界へ転職を決意したのが54歳、今から3年前だ。コロナ禍で求人募集すらもママならないことも多かった転職活動だった。

そして転職活動の最大の醍醐味とは、もしかすると内定を受けることより退職届を今の会社に提出する、イヤ、叩きつける瞬間なのかもしれない。これまでの会社の自分に対する偏見と仕打ち、そして転職サイトの応募と落選の日々が報われる瞬間でもある。

ここで、これまでこのブログを応援していただいた多くの諸兄にご報告がある。今日、私はすべての転職サイトの登録を削除した。そして会社人生ではじめて退職届を書いた。そう、13社目の会社から「内定」を頂いたのだ!!

                             ハイタッチ!

ヤッターーーーーー!!! ヽ(。´Д`)人(´Д`。)ノ !!!ーーーーーーヤッター

まさに望んでいた「サクラサク」が届いた。本当にこのブログを読んで応援をしていただいた多くのみなさんに心から感謝申し上げます。

私のこれまでの戦績は応募全14社、面接4社、落選12社、辞退1社、内定1社だった。前回ご報告した14社目の商社はやはり自分の目指す方向性とはかなり違ったので応募を辞退させてもらった。57歳にしてようやく足がかりをつかむことができた。

私がやりたい仕事、身を置きたい業界とは何か。それは「農業」だ。このブログのタイトルのXXとは「農業」なのだ。最終的には就農を目指したいと考えている。私の父はサラリーマンだが肉牛の畜産業に従事していた。そしてその牧場でアルバイトなどを経験し、農業に興味をもった。

大学も農業にかかわるところに入り、卒業して農学士となった。農業にかかわる仕事に就きたかったが時代はバブル前、円高不況で就職氷河期だった。そこで縁故をたよりにイナカを出て東京にある今の会社に入ったのだった。

今の会社は私に素晴らしい経験とスキルを与えてくれた。これに関しては本当に感謝しかない。だが、2004年頃からの経営の迷走、そして外来役員の襲来。既存部署をタライ回しにされ、不振な事業を好転させ、新規事業を軌道に乗せては異動させられる日々。

そして究極は転籍先やアジア支店がブッツブされたことでホトホト愛想が尽きた。そして自分の居場所はココではないと思うようになった。自分の原点、そしてやりたかった農業の道へ進みたいと考えたのだ。

農業を始めるにはリスクを伴う。いきなり会社を辞めてもすぐに農家にはなれない。また仮に農地が手に入ったとしても初年度はまず収入がない。天候によっては2年目もないだろう。これは企業間の転職ではまずあり得ない。

加えて、農産物が仮に収穫できたとしてもそれをただ販売したのでは収入は僅かだ。スーパーの野菜売り場の単価を見るといい。努力のわりに本当に安いのだ。そしてその単価にはスーパーと流通業者とたぶん農協の手数料が乗っている。

おそらく私ひとりが切り盛りできる面積の農地ではカミさんを食わせていけないと思うのだ。カミさんはよく食べるヒトだ。販売に回す野菜まで食べてしまいかねない。

だから私はまず、会社組織の農業に従事してその地に住まい、そして地域の状況を確認しながら農作業を覚え、給料をもらうことを考えたのだ。そしてその地で就農し、収穫物を加工し、付加価値をつけて販売するまで手がけようと6次産業化までの事業をこの7年間模索してきた。

今度の会社はこの6次産業化、そして貿易まで手がけている。私はこの会社が営む関東の農園で管理者として働くことになった。商社経験を活かして新規事業や商品開発にもアドバイスが欲しいと言われている。年収は半分以下になるだろう。だが今の会社に居続けても、あと2年で60歳定年を迎えればまた同じことだ。

大学で得た知識で植物生理学はなんとか使えるだろうが育てている野菜はさまざまだ。それぞれに栽培法がある。また農薬や肥料は資格があるので扱えるがあたらしい種類が増えている。まさに「リスキリング」で再び勉強しなければならない。でも現場の暗い管理室で慣れない作業をさせられるよりは、はるかに楽しそうだ。今年、私の心の中のサクラは実にイイ気分で萌え始めている。(^_^)

4月の異動が今の出向先で先週発表になり、私の現場の管理室行きが確定していた。なんとか諸兄のおかげでギリギリ脱出することに成功したようだ。明日、総務にいって退職届を出しに、イヤ、叩きつけてくる。大騒ぎになるだろう。ホンの少し、今の会社にツメ跡を残せそうだ。最後まで読んでいただきありがとうございます。そしてたくさんの応援をいただき本当にありがとうございます。

Live long and Prosper. ||//_