太陽ワインの取引停止で、窮地に立たされた鴨居商店。
世の中の見方を１８０度変えるために、
鴨居が考えた、社運を賭けた起死回生の一撃。
女性のヌードを起用した、太陽ワインの広告ポスター。
太陽ワインポスターそのエピソードの元になったのが、
鳥井商店（寿屋）の「赤玉ポートワイン」の、このヌードポスターです。
モデルとなった赤玉ポートワインポスターワイングラスを持った、ヌードの結い髪の女性モデル。
グラスのワインだけが赤くなっています。
１００年ほど前のこの時代、それはそれはセンセーショナルなものだったでしょう。
日本で初めて、ヌード写真を使用したポスターで、
ドイツのコンクールで１位に輝いたそうです。
モデルは、松島栄美子さんというオペラ歌手で、
当時、鳥井がワイン宣伝用に主催していた、赤玉楽劇団のプリマドンナでした。
「美味・滋養・葡萄酒」という、キャッチコピーが記載され、
健康的で、美容的に感じられたかどうかは、現代の私にはわかりませんが、
当時の人々の視線を、釘付けにしたことは間違いないでしょうね。
世間の度肝を抜いた、このポスター。
これを店先に貼りたいがために、
赤玉ポートワインを仕入れる店も、あったのではないでしょうか。
松島栄美子さんの勇気もスゴいですよね。
彼女は、このポスターでヌードになったために、
親に勘当されてしまったらしいです。
善かれ悪しかれ、いずれにしても、
世の中の見方が１８０度変わったことは確かですね。
これによって、この後、赤玉ポートワインは注文が殺到。
驚異的な売上を記録するに至ります。
現代にまで続く、サントリーの広告宣伝力の高さは、
ここが原点なのですね。
それにしても、これを世に出した鳥井信治郎は、
やはりスゴイ人です。
現在、この赤玉ポートワインポスターは、
岐阜県恵那市にある、中山道広重美術館にて開催されている、
「サカツ・コレクション 日本のポスター芸術 浮 世絵、引札から始まった広告アート」
のなかで展示されています。
本展は、名古屋市に本社のある、酒類販売会社サカツコーポレーションが所蔵する、
「サカツ・コレクション」約500点の中から、
明治・大正・昭和の時代に制作されたポスターを中心に、約80点が展示されています。
作品は女性を描写したものが大半で、
日本の広告芸術の歴史と、それに対する高い技術力、
時代時代の風俗や、世相、美意識を反映した、
日本のポスターの魅力を味わうことができます。
中山道広重美術館で展示中の赤玉ポートワインポスター公益財団法人 中山道広重美術館
〒509-7201 岐阜県恵那市大井町176番地の1
TEL 0573-20-0522/FAX 0573-25-0322
開館時間 午前9時30分～午後5時(入館は午 後4時30分まで)
休館日 月曜日（祝日は除く）、祝日の翌日、年末年始
観覧料 特別展 大人（一般）８２０円 子供（小中高生）５１０円
マッサンゆかりのポスターとして、
地元のテレビの情報番組でも紹介されました。
私もぜひ、実物を見てきたいと思います。
中山道広重美術館 >>> 中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art
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