磐梯吾妻スカイライン旅の翌日(6月18日)さほど疲れも無く普通に起床ゴミ捨て洗濯朝食を終えて・・・何しよ!?

 

天気は良い、これを逃す手はない!今からなら可能な時間。

 

モンキーにまたがり片道115km程の道のり、岩手・秋田・青森の県境に位置する分水嶺の山「中岳・四角岳」へGO!!

 

この山、今月初めに友達からめずらしく「山行きませんか~!?」と連絡が入り私の希望により登山予定でしたが前日に低温と強風の山の天気予報により断念していました。さらにこの山、熊の巣と言われるほど熊の生息が多いらしい。何年か前に秋田の鹿角市でタケノコ採りの入山者がクマに襲われ何人も食べられてしまった事故がありましたが今年も一件発生してしまいました。そして中岳・四角岳はその区域に接する山となります。今年の事故を受け青森県側の登山道では毎年恒例の清掃登山を中止にしたということです。

 

しかしながら登山アプリを閲覧すればマイナーな山ながら岩手秋田青森のいずれの登山ガイドブックに掲載されているようで上っている人は少なからずいるうようです。なにより春は根曲がり竹と言うタケノコ採りでにぎわうそうで登山者よりも圧倒的にそちらの方が多いみたいね。

 

今回は急遽となりましたので一人で行きます。そもそもその予定でありましたのでね。結構なやぶ漕ぎがあるとの情報もあるので友達もあまり気が進まない感じがありましたからね。危険なところには連れて行かないのが安心です。

準備はエネルギーチャージを二つリュックに入れ先の尖った剣鉈とマジな熊除け鈴とガイドブック、スマホの登山コースアプリを起動させ位置情報も確認出来るように念を入れます。

 

ただ、バイクで出たので車だったら道中運転しながら済ませる昼飯を取るのを忘れてしまった。しかも飲料も途中で購入しようと思っていましたが忘れてしまった。もう林道に入ってしまったので戻るのも時間のロスとなるので安易に諦めた。登山口までの未舗装の林道は9km強あるらしい。凸凹で狭いので車で来なくて良かったかも。車高の低い車は無理です。

 

 

案内板、道標がほぼありません。最初に林道入り口も通り過ぎて随分走っってからおかしい事に気づきましたからね。いつも。

 

 

林道の終点を知らせる標識。フムフム。

 

登山アプリがないと登山口がどこなのかも分かりません。こまめに確認。まだまだ先だ。

 

 

やっとそれらしき駐車スペースを確認し登山口を探す。道標はないがアプリがスタート地点である事を教えてくれる。

そしてなぜか入り口の草むらにゴルフクラブ。なにに使う!?

 

 

 

スタート時間の確認に腕時計を見る。・・・バンドの痕は残っているが時計自体が無い!ガビ~ン。いや、まてよ、バンドの痕が残っているということは落ちて間もない。バイクまで戻ったら近くに落ちていました。あぅぅ、感激!(笑)バネ棒が外れてしまっています。ちょいと引っ掛かった時に外れたんだな、悪い予感はセーフと思うようにして再出発!

 

 

随分と足跡がある。ほぼほぼタケノコ採りだろうな。でもこの日は他に人の気配はなし。

 

良いペースで進み最初の沢渡渉点。親切にロープが備わっている。

 

そしてこの沢に!絶対にこれはミズだ!採った事はないけど食ってみる!(笑)クセもえぐみもない。確信、帰りに収獲だな!

 

んで、大分進んだ頃、道に熊のフンがありちょいと進むとなぜかソリ。

タケノコを運搬するのに使う人がいるのは知っているが、明らかに捨ててあると言うか放置してある。ひょっとして辺りに人が!?いませんでした。ソリには穴が開いていて破片が道に落ちていましたが深く考えない事にしました。

 

採ったタケノコでも焼いて食べたのだろうか?道の脇に広場を作って焚火の跡。

 

 

そしてここまでは笹薮もそれほどでは無く順調に進みこのコースならではの地点に。

 

大正時代に鉱山で働いた家族の子供達の学び舎があったのだそうです。すごい所だ。

 

 

しばし立ち止まり思いを馳せるが先を急ぎます。そしてこの後2回目の沢が出現するのですが、道がわからなくなります。

GPSアプリで確認しますが、登山道は近くにあるはずなのに探し出せません。スマホはポケットに入れ沢伝いに!?などと登山道を探し笹薮の中に迷い込んでしまいました。身動き出来ない様なやばい状態に。そっちか?そっちか?と目視で迷い歩き登山道からどんどん離れてしまっていました。息が上がる。方向感覚がなくなりいよいよやばいぞ!・・・冷静になって一瞬登頂を諦めようかとも思いましたが、GPS機能に従い登山道のある方向へと確実に近づくようにそれだけを注視しながら歩くのもままならない背丈以上の笹薮を必死の思いで移動しました。それでなんとかコースに戻る事が出来ましたが体力と時間を大分ロスしてしまいました。ここまで来たら何が何でも登頂して帰らねばもったいない。

その後のコースはマジでひどい笹薮をかき分け進む事になります。鉈を手に道を見失わないよう時折バッサバッサと笹を切る。

 

 

GPSで尾根の十字分岐が近づいて来ました。水が欲しいが山頂に行ってからエネルギーチャージをすする事にします。

 

分岐

 

 

先に笹薮に覆われ眺望の無いという四角岳に行くことにしました。道にタケノコが伸びて来ているので水分というか腹の足しにといいますか、生で食っちゃいました。意外と食えますがちょいとえぐい。(笑)

 

 

へとへとになりながらも四角岳登頂。

 

午後3時。

 

一旦分岐に下りて反対側の中岳へ。急登だわ。体力的に上れるか?

 

流石にキツイが空が近くなる。

 

 

はぁ~~~やっと来た。午後3時20分。

 

 

標識はもはやパズルも出来ない。熊のせいか?

 

分水嶺の水源としての信仰があるのだろう。石しかない四畳半程に見えた物寂しい山頂だが眺望は確かに360度。

 

石の上に薄っすらと岩手山。俺は周囲が山並みだけのポツンな山頂にいる。どうしてこんな所に来てしまったのか自問自答している。(笑)

 

 

そしてアブに腕を刺される。(涙)なんでこんなところで、山頂で、意味が分からない。一匹。ぶっ叩いても元気だったのでふんずけてもやりましたが山頂なのでとどめは刺さず恩赦を与えました。馬鹿野郎め! ほら500円玉程のアザ見たくなったじゃねぇか!今思い出すだけで頭に来る!(爆)

 

 

あ、花があったな!山頂手前には白いかわいい花だ。

 

山頂には黄色い花。

 

 

さてと帰りはしっかりルートアプリを見て迷った区域を慎重に正規のルートで帰ることにしよう。

 

ここはタケノコ採りが沢山入る山だからなのかタバコの吸い殻が道に捨てられているのをしばしば目にする。だから山火事が起こるんだろうが!・・・吸い殻は拾う気になれませんでしたが、ペットボトルのキャップと蚊取り線香のやつと軍手片方をゴミとして拾って来ました。青森側からの清掃登山の代わりにね!(笑)

 

軍手はめてるし!(爆)

 

 

ヘトヘト~、ヘトヘト~と道を見失わない様に笹をかき分けながら下っていきますが、また突然道が無くなりました。戻るのは面倒。それが間違いです。

数メートル進めば続きがあるか? GPSを確認せずに行動することで再び遭難してしまいます。近くに沢があり道が繋がっているような錯覚、この沢は登りで迷った時の沢なのだろうから下りれば上って来た時の降り口があるだろうと沢に下りてしまう。

 

沢はアイスバーンに水を撒いたようにツルツルでとても危険だが心得て沢伝いに下る。と、急激な落ち込みになり進めない。こんな所はなかったはず。GPSを確認すると登山道は遥か谷の上にある。笹薮の斜面に取り付き登山道の方向に上り始める。

笹薮というより密集した猛烈な竹藪。とにかく体全体をはばまれながら必死で上る。一度数メートル滑落。竹藪は滑る。とにかくキツイが登山道に戻らなければ。最後ではないけど最後の力を絞ってわずかばかりの平地に転がり込む。ん!?分教跡か?・・・全然ちがう所だったがすぐ上手に登山道があるはず。そして通った覚えがある登山道。さまよい歩きながら分教跡は通り越して下ってきたようだ。確かに地図上は通り過ぎていたがGPSを疑っていました。反省だがとりあえず良かった、ビバークしないで帰れる。

 

そしてあの赤いソリもあった。ある意味不気味だが一安心。

 

ロープの沢にも戻る事ができ気力は無かったがこんな思いをしてタダで帰る訳にはいかないだろう。良い事もないとね。あのミズを少々収獲した。

 

無事にモンキーまで戻りまたがってしまえば後はモンキーが走ってくれる。登山口よ早く訪れてくれ。・・・そんな時なぜかピンポイントで頭に浮かんできたのは「みぞれ」! 町に出たらコンビニに寄って絶対食うぞ!それまで死ねない。(笑)

 

ってことで、「うんめぇ~~~!!」思わず声に出る。こめかみがキー—ーンとしても脳天がギューーーンとしてもこれ以上のものはない!! おっさんがコンビニの駐車場でみぞれを無我夢中で!(笑)生き返った!!

 

 

そして過酷な思い出にはなりましたが、嫌な記憶とならない様に!

 

ミズと根曲がり竹。旨し!

 

 

しかしあの岩手側の登山道はないな。私がさまよい歩いた辺りには同じくさまよい歩いた様な痕跡がありました。なので余計にルートなのか?とさまよってしまうさまよいのスパイラル。コースデータとGPSが無ければ踏破不能に感じます。山をなめるな!と思わされた経験は幾度かありますがなめて上った結果になります。

 

もう行かない!と思うのが本来でしょうが、悔しさは残り完全攻略をしてみたい気にもなります。ですがそれは忘れる事にしましょう。でもそうは言いながらも強烈な苦い思い出は忘れる事はないかもしれませんね。

 

岩手の山60分の31座目制覇です! 無事に帰って・・・。(汗)