「また、やってしまった……。」
そんなふうに、自分を責めたことはありませんか。
例えば、こんな場面です。
何気なくLINEを送ります。
「きっと、すぐ返信が来るだろう。」
そう思っていました。
でも、30分経っても返信はありません。
何となくスマホを見ます。
まだ来ていません。
しばらくして、また見ます。
やっぱり来ていません。
この頃には、胸の奥が少しだけザワザワし始めています。
私は、この小さな変化をとても大切にしています。
まだ「感情の嵐」ではありません。
言うならば、嵐の卵です。
最初は本当に小さな違和感です。
だから、多くの人は気づきません。
「ちょっと気になる。」
その程度です。
ところが、返信はまだ来ません。
すると、不安は少しずつ大きくなっていきます。
そして、不思議なことが起こります。
感情が大きくなるにつれて、それまで気にもしていなかったことまで気になり始めます。
「嫌われたのかな。」
「わざと返信していない?」
「他の人と一緒なのかな。」
「私なんて、どうでもいいのかな。」
まるで、その大きくなった感情に見合う理由を探すように、考えが一つ、また一つと浮かんできます。
頭では「そんなことはないかもしれない」と思っていても、その考えは止まりません。
気づけば•••
・不安
・怒り
・悲しみ
・寂しさ
が入り混じり、自分でも説明できないほど苦しくなっています。
そして、その苦しさに耐えきれなくなると、
相手を責めるLINEを送ってしまう。
「もう別れる」と言ってしまう。
自分を傷つけてしまう。
「消えたい」
「もう生きていたくない」
そんなところまで、一気に苦しさが大きくなってしまうことがあります。
カウンセリングで、このようなお話を伺うことは少なくありません。
私は、この状態を説明するときに「感情の嵐」という言葉を使うことがあります。
ただ、この名前に特別な意味はありません。
ある方は「やつ」と呼びます。
ある方は「ずん」と呼びます。
「小さい自分」と表現する方もいます。
名前は何でもいいのです。
大切なのは、
「あ、今、自分の中であの状態が始まっている。」
と気づけることです。
私は、すぐに「考え方を変えましょう」とは言いません。
なぜなら、多くの場合、苦しみは考えから始まるのではないからです。
まず、言葉にならない苦しさが生まれます。
その苦しさが大きくなるにつれて、それに見合う理由を頭が探し始めます。
だから私は、考えよりも先に、その「言葉にならない状態」を一緒に見つめます。
そして、その反応が人生の中で何度も繰り返されているとしたら、そこには、その人にとって大切な「テーマ」が隠れていることがあります。
テーマが少しずつ見え始めると、多くの方がこう言われます。
「そうそう、それです。」
私は、この頷きがカウンセリングの本当のスタートだと思っています。
苦しみをなくすためではありません。
苦しみに飲み込まれないためです。
その第一歩は、「感情をなくすこと」ではなく、
自分の中で何が起きているのかに気づくこと。
そこから、少しずつ練習が始まっていきます。
次回は「テーマ」についてお話しします。
同じような出来事なのに、ある人は気にならず、ある人は深く傷ついてしまう。
その違いはどこから生まれるのでしょうか。
私は、その答えを「テーマ」という言葉で考えています
