Ken Campbell
2011-12-13 00:05:00
ロサンゼルス・キングズのGM、Dean LombardiがTerry Murrayを解雇しなければならないと思ったことは理解できる。ただ、そのタイミングが悪すぎた。Murrayはコーチとしての通算500勝まであと1勝だったのだ。そして、彼がいつかその区切りに到達するチャンスがあるかどうかは誰にも分からない。
NHLでの生活が公平だとは誰も思っていない。特にNHLのコーチにとってはそれが事実なのだ。もし公平ならば、GMが有無を言わさずに突然誰かの仕事を奪う権利を持っているはずがない。しかも、解雇される彼等は問題のごく小さな一部分に過ぎないことが多いのだ。コーチの解雇を知らせるために、GMがチームと23人の選手を部屋に集めたとする。しかし、殆どの場合、そのGMもまたベンチの後ろにいた人物と同じ程度に咎められて然るべきなのだ。今回の場合はそうではないと言えば、それは事実を歪めることになるだろう。このような場合の常であるように、月曜日(12日)にコーチの交代を発表した時、Lombardiも自分の責任を認めた。
(ところで、THN.comでは『今度ガスでやられたのは誰だ』という一週間おきの新しい特集記事への広告を募集しようと思っています。次回の掲載は2週間以内になるでしょう。広告に興味を持っている方は私たちのオフィスに電話してください。)
しかし、既に言ったように、キングスがMurrayを解雇しなければならないと感じたことは理解できる。得点力に乏しい選手に上限額に近い報酬を払うという冒険をし、チームの成績はウェスタン・カンファレンスの11位、得点数ではリーグ29位という衝撃的な数字だ。どこの誰であっても仕事の実績としては破滅的な証拠である。
理解出来ないのはMurrayの交代として浮上している名前だ。はっきりさせよう。今の選手を以ってしてもチームが十分に創造的だとは到底言えず、得点できていない。キングスは表面上このような理由でMurrayを解雇した。しかし、この問題に対する答えがDarryl Sutterということなのだろうか。
一見したところ、NHLの中に相応しい人々を知っているというのは価値のあることに思えるかもしれない。しかし、それは今日の新しい考え方では決してないのだ。他の可能性が全て駄目だった場合、マネジメントは過去に一緒に仕事をしたことがある人々に頼るのが一般的だ。そして、LombardiとSutterにはサン・ノゼ・シャークスでの日々に遡る歴史がある。しかし、もしSutterを雇おうとするならば、まず第1に疑問なのはMurrayの解雇にはどんな意味があったのかということだ。
キングスがSutterにこの5年間で初めてNHLコーチの仕事を与える前に、Sutterが合計9フル・シーズンと部分的な2年間のNHL在籍期間中に3チームのコーチを務めたことを考えに入れるべきだ。シカゴ・ブラックホークス、シャークス、そしてカルガリー・フレームズでの9フル・シーズンの間に、彼のチームが総得点数でNHLの上位になったのはただの1度だけ、シャークスが2001-02年に総得点数でリーグ4位になった時だ。他の8シーズンでの総得点順位は平均20位だ。(それはリーグにまだ24チームしかなかった1シーズンを含んでおり、また、26位だったことが2回、27位と28位がそれぞれ1シーズンずつある。)
キングスのコーチだった3年余で、Murrayが成し得た一つのことは強力なディフェンスの基礎を創り上げたことだった。Anze Kopitarが攻撃を犠牲にしてでも、全てのゾーンで役割を果たそうとしているように見えたことがあったかもしれないが、MurrayはKopitarを信頼できる攻守両方に秀でた選手に変えることができた。キングスは既にとてもディフェンスに優れたチームだ。そこにはほとんど問題がない。
従って、それでもキングスがMurrayをSutterに代えようとしているのは混乱以外の何物でもない。口先ばかりで実を伴わないSutterのやり方は、見るのもプレーするのも楽しくない、息が詰まりそうで退屈な守り中心のホッケーをすることだ。そして、ロサンゼルスは、単にチームが勝たなくてはならないだけでなく、試合が楽しくならなければならないという市場なのだ。Sutterがコーチになっても、キングスはそれらのどちらにもならないことは想像がつく。Murryaは笑うことが多くなかったとキングスが思うなら、Sutterの下で2、3ヶ月経験してみるといい。
コーチのリサイクルはチームの運営方法として実証済みで実際に行われていることではある。しかし、もし、キングスが新たなページをめくり、且つ彼等のアイデンティティを確立することを本当に望むのなら、トロント・メープル・リーフスに頼んでDallas Eakinsと話をさせてもらったり、ピッツバーグ・ペンギンズの許しを得てJon Hynesに会ったりすることの方がより一層役立つのではないだろうか。この二人は斬新な考えとチームの現状に対する新しい見方をキングスにもたらすことができる前途有望なアメリカン・リーグのコーチだ。
キングスが今勝たなくてはならないということは解る。彼らはトップ・クラスの将来ある若い選手を獲得するために大きな痛手を被り、スター・プレーヤーの育成のために莫大な資金をつぎ込んできたのだ。しかし、Sutterと共にそれができるという保証はない。彼がコーチしたことのあるチームはプレーオフの第2ラウンドで敗退したことが2度あるだけなのだ。
それでもキングスは真剣にSutterにその仕事を託すことを、少なくとも、考えるのを止めることはさそうだ。そして、私たちが見る限り、それはキングスにこれまでと同じような結果をもたらすだろう。あまり良くない結果を。
‘- end –
【Cournoyerの所感】
先日、Darryl Sutterがロサンゼルスのコーチになることが発表されましたが、この記事は前コーチのTerry Murrayが解雇された翌日の13日に書かれた記事です。
Darryl Sutterは日本リーグ時代の岩倉組で活躍したことがあり、古いファンには懐かしい名前です。手元には古い資料しかないのですが、第13回の日本リーグ(1978年)で24試合で28ゴール13アシストという記録を残しています。この年間28得点は第15回の日本リーグ終了時点で年間最多記録となっていました。その後、この記録がどうなったのかは、申し訳ありませんが、知りません。今とは試合数も違いますしね。
さて、この記事はSutterに対してなかなか手厳しい内容です。一つ「おや?」と思ったのは、Sutterのコーチとしての成績についてです。「プレーオフ第2ラウンドに2回進んだだけ」という記述がありますが、2003-04年、Sutterがヘッド・コーチを務めたカルガリー・フレームズは公式戦では82試合42勝30敗7分3OTLでディビジョン3位、カンファレンス6位と振るいませんでしたが、プレーオフでは一転奮起して、決勝に進出しているはずです。
この記事に書かれている通り、Sutterがオフェンスに優れたチームを作るのが苦手であれば、確かに今のキングスに相応しいコーチとは言えなさそうです。この後、どうなるか注目してみましょう。
尚、この記事の始めの方にあるカッコ書きの宣伝文句はここのところ頻繁にコーチが解任されることを皮肉った冗談です。そのような特集記事は実際にはありません。少なくとも今のところは...
2011-12-13 00:05:00
ロサンゼルス・キングズのGM、Dean LombardiがTerry Murrayを解雇しなければならないと思ったことは理解できる。ただ、そのタイミングが悪すぎた。Murrayはコーチとしての通算500勝まであと1勝だったのだ。そして、彼がいつかその区切りに到達するチャンスがあるかどうかは誰にも分からない。
NHLでの生活が公平だとは誰も思っていない。特にNHLのコーチにとってはそれが事実なのだ。もし公平ならば、GMが有無を言わさずに突然誰かの仕事を奪う権利を持っているはずがない。しかも、解雇される彼等は問題のごく小さな一部分に過ぎないことが多いのだ。コーチの解雇を知らせるために、GMがチームと23人の選手を部屋に集めたとする。しかし、殆どの場合、そのGMもまたベンチの後ろにいた人物と同じ程度に咎められて然るべきなのだ。今回の場合はそうではないと言えば、それは事実を歪めることになるだろう。このような場合の常であるように、月曜日(12日)にコーチの交代を発表した時、Lombardiも自分の責任を認めた。
(ところで、THN.comでは『今度ガスでやられたのは誰だ』という一週間おきの新しい特集記事への広告を募集しようと思っています。次回の掲載は2週間以内になるでしょう。広告に興味を持っている方は私たちのオフィスに電話してください。)
しかし、既に言ったように、キングスがMurrayを解雇しなければならないと感じたことは理解できる。得点力に乏しい選手に上限額に近い報酬を払うという冒険をし、チームの成績はウェスタン・カンファレンスの11位、得点数ではリーグ29位という衝撃的な数字だ。どこの誰であっても仕事の実績としては破滅的な証拠である。
理解出来ないのはMurrayの交代として浮上している名前だ。はっきりさせよう。今の選手を以ってしてもチームが十分に創造的だとは到底言えず、得点できていない。キングスは表面上このような理由でMurrayを解雇した。しかし、この問題に対する答えがDarryl Sutterということなのだろうか。
一見したところ、NHLの中に相応しい人々を知っているというのは価値のあることに思えるかもしれない。しかし、それは今日の新しい考え方では決してないのだ。他の可能性が全て駄目だった場合、マネジメントは過去に一緒に仕事をしたことがある人々に頼るのが一般的だ。そして、LombardiとSutterにはサン・ノゼ・シャークスでの日々に遡る歴史がある。しかし、もしSutterを雇おうとするならば、まず第1に疑問なのはMurrayの解雇にはどんな意味があったのかということだ。
キングスがSutterにこの5年間で初めてNHLコーチの仕事を与える前に、Sutterが合計9フル・シーズンと部分的な2年間のNHL在籍期間中に3チームのコーチを務めたことを考えに入れるべきだ。シカゴ・ブラックホークス、シャークス、そしてカルガリー・フレームズでの9フル・シーズンの間に、彼のチームが総得点数でNHLの上位になったのはただの1度だけ、シャークスが2001-02年に総得点数でリーグ4位になった時だ。他の8シーズンでの総得点順位は平均20位だ。(それはリーグにまだ24チームしかなかった1シーズンを含んでおり、また、26位だったことが2回、27位と28位がそれぞれ1シーズンずつある。)
キングスのコーチだった3年余で、Murrayが成し得た一つのことは強力なディフェンスの基礎を創り上げたことだった。Anze Kopitarが攻撃を犠牲にしてでも、全てのゾーンで役割を果たそうとしているように見えたことがあったかもしれないが、MurrayはKopitarを信頼できる攻守両方に秀でた選手に変えることができた。キングスは既にとてもディフェンスに優れたチームだ。そこにはほとんど問題がない。
従って、それでもキングスがMurrayをSutterに代えようとしているのは混乱以外の何物でもない。口先ばかりで実を伴わないSutterのやり方は、見るのもプレーするのも楽しくない、息が詰まりそうで退屈な守り中心のホッケーをすることだ。そして、ロサンゼルスは、単にチームが勝たなくてはならないだけでなく、試合が楽しくならなければならないという市場なのだ。Sutterがコーチになっても、キングスはそれらのどちらにもならないことは想像がつく。Murryaは笑うことが多くなかったとキングスが思うなら、Sutterの下で2、3ヶ月経験してみるといい。
コーチのリサイクルはチームの運営方法として実証済みで実際に行われていることではある。しかし、もし、キングスが新たなページをめくり、且つ彼等のアイデンティティを確立することを本当に望むのなら、トロント・メープル・リーフスに頼んでDallas Eakinsと話をさせてもらったり、ピッツバーグ・ペンギンズの許しを得てJon Hynesに会ったりすることの方がより一層役立つのではないだろうか。この二人は斬新な考えとチームの現状に対する新しい見方をキングスにもたらすことができる前途有望なアメリカン・リーグのコーチだ。
キングスが今勝たなくてはならないということは解る。彼らはトップ・クラスの将来ある若い選手を獲得するために大きな痛手を被り、スター・プレーヤーの育成のために莫大な資金をつぎ込んできたのだ。しかし、Sutterと共にそれができるという保証はない。彼がコーチしたことのあるチームはプレーオフの第2ラウンドで敗退したことが2度あるだけなのだ。
それでもキングスは真剣にSutterにその仕事を託すことを、少なくとも、考えるのを止めることはさそうだ。そして、私たちが見る限り、それはキングスにこれまでと同じような結果をもたらすだろう。あまり良くない結果を。
‘- end –
【Cournoyerの所感】
先日、Darryl Sutterがロサンゼルスのコーチになることが発表されましたが、この記事は前コーチのTerry Murrayが解雇された翌日の13日に書かれた記事です。
Darryl Sutterは日本リーグ時代の岩倉組で活躍したことがあり、古いファンには懐かしい名前です。手元には古い資料しかないのですが、第13回の日本リーグ(1978年)で24試合で28ゴール13アシストという記録を残しています。この年間28得点は第15回の日本リーグ終了時点で年間最多記録となっていました。その後、この記録がどうなったのかは、申し訳ありませんが、知りません。今とは試合数も違いますしね。
さて、この記事はSutterに対してなかなか手厳しい内容です。一つ「おや?」と思ったのは、Sutterのコーチとしての成績についてです。「プレーオフ第2ラウンドに2回進んだだけ」という記述がありますが、2003-04年、Sutterがヘッド・コーチを務めたカルガリー・フレームズは公式戦では82試合42勝30敗7分3OTLでディビジョン3位、カンファレンス6位と振るいませんでしたが、プレーオフでは一転奮起して、決勝に進出しているはずです。
この記事に書かれている通り、Sutterがオフェンスに優れたチームを作るのが苦手であれば、確かに今のキングスに相応しいコーチとは言えなさそうです。この後、どうなるか注目してみましょう。
尚、この記事の始めの方にあるカッコ書きの宣伝文句はここのところ頻繁にコーチが解任されることを皮肉った冗談です。そのような特集記事は実際にはありません。少なくとも今のところは...