Adam Proteau
2011-12-01 12:54:00

ワシントンでお払い箱(dead duck)になったBruce Boudreauはおよそ67時間後にアナハイムでダックの先頭(head Duck)に立つことになった。こんなに早くチームを移ったのはNHL史上、Boudreauが初めてだ。このことは、もしこのリーグのベンチの後ろで堅実な仕事をし、メリーゴーラウンドに乗っているかのように何十年もコーチという一つの仕事を繰り返しているのでなければ、まともな神経を持ったどこかのチームが真っ先に食いついてくることを証明している。

順位表をサッと見れば、ホッケー・コーチの世界では失敗と解雇が名声と成功に規則的に織り交ぜられているのがよく解るはずだ。

イースタン・カンファレンスの上位5チーム(ペンギンズ、ブルーインズ、パンサーズ、リーフス、レインジャース)のうちで、フロリダの新コーチ、Kevin DineenだけがNHLのヘッド・コーチとして1年目を務めている。ピッツバーグのDan Bylsmaは4年目、ブルーシャツ(*レインジャースの愛称)のベンチのボス、John Tortorellaは2年目のチームで働いている。ボストンのClaude Julienはコーチとして3年目、また、トロントのRon Wilsonは4年目だ。これはウエストのトップ5チームでも全く同じだ。ミネソタは新コーチとしてMike Yeoを迎えた。一方で、デトロイトのMike Babcock、フェニックスのDave Tippettは二人とも2年目を迎えており、シカゴのJoel Quennevilleは3年目、また、セントルイスのKen Hitchcockはチームを率いて4年目となる。

もし、Bylsma、Tortorella、Julien、Babcock、Quenneville、Hitchkockのようにその経歴の中でスタンレー・カップ優勝を経験するか、或いはTippettやBoudreauにようにJack Adams賞を受賞したことがあるという、相応の成功をしてきたNHLコーチがいれば、コーチを替えることに関心を持っているGMが彼等を連れてきて、選手やメディアやファンに売り込んで悦に入るというのが実際のところだ。Carlyleも少しはその快適さを味わって良かったはずだ。Carlyleは2007年にダックスを唯一の優勝へ導き、この夏にサインした3年契約というクッションの上に暫くの間座れるはずだった。

Boudreauと同じように、Carlyleも恐らくすぐに現場に戻るだろう。簡単に負けてしまうコーチで苦しんでいるチームは、Carlyleが持つ厳格で理論的にしっかりした哲学を望むだろう。言い代えれば、アナハイムで起こったことの逆だ。ダックスのGM、Bob Murrayはチームの苦しみを和らげるためにBoudreauのような比較的選手に優しいやり方を鎮静剤と看做しているのだ。そして、コロンバス、ロング・アイランド、カルガリー、コロラドに見られるように、来シーズンの始めとは言わず、オールスターの中断の前に先を争ってCarlyleを得ようとする低迷しているチームはいくらでもあるのだ。

ここで話を少しBoudreauに戻そう。Boudreauは鍵となるディフェンス、Lubomir Visnovskyの復帰だけでなく、このチームで白紙からスタートできるという利益を得るだろう。Visnovskyは指の負傷のために11月中旬から欠場しており、2、3週間のうちに戦列に戻れる予定だ。また、Boudreauはワシントンのドタバタ劇から解放され、また、Corey PerryやRyan Getzlaf (そして、もしトレードされなければ、Bobby Ryan)にやる気を起こさせる努力が、Alex Ovechkinに対して試み、苦労した時のようには、世間に注目されることはないのが分かっているので安心していられる。

しかしながら、トロフィーを勝ち取った歴史があるとは言っても、Boudreauを含む多くのコーチが仕事を得る機会は限られている。元オイラーズのコーチ、Craig MacTavishはこの夏にコーチへの就任を検討されたが結局見送られた。また、伝説のコーチ、Mike KeenanやPat Quinnは最早第1、第2或いは第3の選択肢ではないのだ。

コーチの交代はこの世界では正常な法則なのだ。Carlyleの解雇を含めて、バッファロー・セイバーズが、現在リーグで最も長くコーチを務めているLindy Ruffを1997年に雇って以来、現在までに167のNHLコーチの交代があった。RuffとナッシュビルのBarry Trotzは、海底で絶え間なく移動する砂のようなこの法則の例外なので目立っている。実際のところ、その他全てのコーチに関しては、彼等がどれだけの勝利を得てきたかは重要でないのだ。コーチは才能ある選手を獲得するよりも使い捨て易く、また得易すかったし、これからもそうあるだろう。チームが上手く行かない時に最初に落とされるのは彼等だ。同時に、困難な時期に討ち死にした同僚に代わって最初に呼び出されるのも彼等だ。

これはBoudreauやCarlyleがコーチという仕事を始めた瞬間から解っている呪いと祝福なのである。そして、気まぐれで飽くことを知らない人間の獣性の定めなのだ。

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