Ken Campbell
2011-11-07 07:33:00
*Ken Hitchcock :1995~2002ダラス、2002~2006フィラデルフィア、2006~2010コロンバスでコーチを務めた。1998-99にはダラスでスタンレー・カップを獲得。
さて、Ken Hitchcockのコーチとしての将来について言えば、今回の件は私達が予期していたこととは全く違っていた。そうではないだろうか。実際、Hitchcockがベンチの後ろに戻ることを初めて知った時、それは当然コロンバス・ブルー・ジャケッツだと考えたのはごく自然なことだ。ブルー・ジャケッツは今シーズン29ポイントしか取れないペースでいる。それが物事の道理だろう。
しかし、かつてダラス・スターズでHitchcockと仕事をしたことのあるブルースのGM、Doug Armstrongは上手いことセントラル・ディビジョンのライバルからHitchcockを引き抜き、解雇したDavis Payneに代えて、日曜(6日)の夜にHitchcockを雇った。今シーズンここまで6勝7敗0分の成績のPayneがNHLで解雇される一番手になるとは少しも考えられなかった。しかし、チーム全体でパワー・プレー・ゴールが(*フィラデルフィアの)Claude Girouxより少ないということは、物事が全く上手く行っていないことの表れだと推測される。
紙面上は、ブルースは極端に競争率の高いウェスタン・カンファレンスの中でもプレーオフ進出を逃さないチームではある。しかし、Hitchcockが去ったブルー・ジャケッツもそのカンファレンスで最下位に甘んじているチームであるはずがない。パックを止めることを最もあてにされている選手が素晴らしいゴールテンディングを出来ていないからと言ってそのような成績でいるのは奇妙なことだ。コロンバスのSteve MasonもセントルイスのJaroslav Halakも今シーズンはひどい出来であることは確かだ。二人ともチームのシーズン初期の苦悩の責任を分かち合わなければならない。
今、疑問なのは、コーチを替えようと悲鳴をあげているように見えるチームが、まだ契約が残っていて、難局を乗り切る力を持っているHitchcockを何故ディビジョンのライバルに行かせてしまったのだろうということだ。特にコロンバスは今こそHitchcockのようなコーチを必要としているのだ。(契約の途中でHitchcockを持ってゆかれ、何らかの補償を求めてヒステリックになっているコロンバスの人達のために言っておくと、NHLは数年前にそれを廃止したのだ。つまり、別のチームがある仕事についてマネジメントの一人と話すことを許可した瞬間に補償を得る権利を放棄したことになるのだ。)今後数日のうちに(*コロンバスの)GM、Scott Howsonがこの件に関してどのような見解を述べるのか興味がある。
考えられることは、例えブルー・ジャケッツがHitchcockと1シーズンに6回対戦することが解っていても、Hitchcockの存在がチームの動揺を招き、コーチ陣にとっても差し迫った危機になっていたので、彼が去っても良いと思ったのではないだろうか。Hitchcockはブルー・ジャケッツのファーム・チームと仕事をしたことがあるが、その時でも彼は試合中にチームの社長、Mike Priestと一緒に座っていた。それはチームの不安感を増すこととなった。
しかし、ブルー・ジャケッツが現コーチのScott Arnielを解雇し、今シーズンの残りを率いるために、契約が今シーズンの終りまで残っているHitchcockをベンチの後ろに置くことがあっただろうか。それはHitchcockが望んだシナリオではない。何故なら、それが決して勝つことのできない仕事であると解っているからだ。そして、より重要なことは、そうしてしまうとセントルイスのような空席となったポジションに立候補できなくなるからだ。
ブルー・ジャケッツについて見れば、とにかく何か良いところがあるのだろうか。現在、順位表で誇らしくも5ポイントを持っている。ウェスタン・カンファレンスのチームはロックアウト後、プレーオフに進出するためには平均94ポイントを得ることが必要とされている。つまり、シーズンが始まってわずか1ヶ月で彼らはプレーオフ進出が絶望的なのだ。ポスト・シーズンの資格を得るためには、ブルー・ジャケッツは今後の68試合で89ポイントが必要だ。それは0.654の勝率、言い換えれば40勝19敗9分の成績が必要ということだ。
一方で、ブルースは火曜日のシカゴ・ブラックホークス戦に始まる5試合の本拠地シリーズが確実に注目されている。Hitchcockはチームのスター選手と衝突することで知られている。しかし、ブルースはスター選手がいないチームの一つだ。従って、その心配はない。セントルイスは他に見劣りせず、懸命にプレーするチームだ。5人対5人では素晴らしく強く、ディフェンスの強いチームで、被シュート数はリーグで下から2番目に少ない。ゴールテンディングが良ければ恐らくもっと良い成績を収めているだろう。順位表で6~10位あたりにいることができ、プレーオフ進出をかけて熱い戦いができるに違いないチームなのだ。
また、今回私達が学んだことは、シーズンの初めに事態を収拾しなければ遅れを取り戻すのはほとんど不可能だということだ。Payneは見苦しくない成績でブルースを率いた良いコーチだった。しかし、彼を選んだのはArmstrongではなかった。Hitchcockを得ることができるのをArmstrongが知った時、彼は「今だ」と思ったのだろう。
Hitchcockはトレーニングや構造改革をし、選手に責任感を与えることでブルースを率いてゆくだろう。Chris StewartやT.J.Oshieのように若くて苦しんでいる選手は、ビデオでの分析に時間をかけ、難しい練習をこなし、そして時にはベンチから見たアドバイスに従うように言われるだろう。ブルースの経営チームはこれでこのチームがプレーオフに進出する事ができると考えているようだ。もしそうなれば、Hitchcockは遥か下位にいる彼が去った組織を見下ろすことになるだろう。
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*Ken Hitchcock :1995~2002ダラス、2002~2006フィラデルフィア、2006~2010コロンバスでコーチを務めた。1998-99にはダラスでスタンレー・カップを獲得。
さて、Ken Hitchcockのコーチとしての将来について言えば、今回の件は私達が予期していたこととは全く違っていた。そうではないだろうか。実際、Hitchcockがベンチの後ろに戻ることを初めて知った時、それは当然コロンバス・ブルー・ジャケッツだと考えたのはごく自然なことだ。ブルー・ジャケッツは今シーズン29ポイントしか取れないペースでいる。それが物事の道理だろう。
しかし、かつてダラス・スターズでHitchcockと仕事をしたことのあるブルースのGM、Doug Armstrongは上手いことセントラル・ディビジョンのライバルからHitchcockを引き抜き、解雇したDavis Payneに代えて、日曜(6日)の夜にHitchcockを雇った。今シーズンここまで6勝7敗0分の成績のPayneがNHLで解雇される一番手になるとは少しも考えられなかった。しかし、チーム全体でパワー・プレー・ゴールが(*フィラデルフィアの)Claude Girouxより少ないということは、物事が全く上手く行っていないことの表れだと推測される。
紙面上は、ブルースは極端に競争率の高いウェスタン・カンファレンスの中でもプレーオフ進出を逃さないチームではある。しかし、Hitchcockが去ったブルー・ジャケッツもそのカンファレンスで最下位に甘んじているチームであるはずがない。パックを止めることを最もあてにされている選手が素晴らしいゴールテンディングを出来ていないからと言ってそのような成績でいるのは奇妙なことだ。コロンバスのSteve MasonもセントルイスのJaroslav Halakも今シーズンはひどい出来であることは確かだ。二人ともチームのシーズン初期の苦悩の責任を分かち合わなければならない。
今、疑問なのは、コーチを替えようと悲鳴をあげているように見えるチームが、まだ契約が残っていて、難局を乗り切る力を持っているHitchcockを何故ディビジョンのライバルに行かせてしまったのだろうということだ。特にコロンバスは今こそHitchcockのようなコーチを必要としているのだ。(契約の途中でHitchcockを持ってゆかれ、何らかの補償を求めてヒステリックになっているコロンバスの人達のために言っておくと、NHLは数年前にそれを廃止したのだ。つまり、別のチームがある仕事についてマネジメントの一人と話すことを許可した瞬間に補償を得る権利を放棄したことになるのだ。)今後数日のうちに(*コロンバスの)GM、Scott Howsonがこの件に関してどのような見解を述べるのか興味がある。
考えられることは、例えブルー・ジャケッツがHitchcockと1シーズンに6回対戦することが解っていても、Hitchcockの存在がチームの動揺を招き、コーチ陣にとっても差し迫った危機になっていたので、彼が去っても良いと思ったのではないだろうか。Hitchcockはブルー・ジャケッツのファーム・チームと仕事をしたことがあるが、その時でも彼は試合中にチームの社長、Mike Priestと一緒に座っていた。それはチームの不安感を増すこととなった。
しかし、ブルー・ジャケッツが現コーチのScott Arnielを解雇し、今シーズンの残りを率いるために、契約が今シーズンの終りまで残っているHitchcockをベンチの後ろに置くことがあっただろうか。それはHitchcockが望んだシナリオではない。何故なら、それが決して勝つことのできない仕事であると解っているからだ。そして、より重要なことは、そうしてしまうとセントルイスのような空席となったポジションに立候補できなくなるからだ。
ブルー・ジャケッツについて見れば、とにかく何か良いところがあるのだろうか。現在、順位表で誇らしくも5ポイントを持っている。ウェスタン・カンファレンスのチームはロックアウト後、プレーオフに進出するためには平均94ポイントを得ることが必要とされている。つまり、シーズンが始まってわずか1ヶ月で彼らはプレーオフ進出が絶望的なのだ。ポスト・シーズンの資格を得るためには、ブルー・ジャケッツは今後の68試合で89ポイントが必要だ。それは0.654の勝率、言い換えれば40勝19敗9分の成績が必要ということだ。
一方で、ブルースは火曜日のシカゴ・ブラックホークス戦に始まる5試合の本拠地シリーズが確実に注目されている。Hitchcockはチームのスター選手と衝突することで知られている。しかし、ブルースはスター選手がいないチームの一つだ。従って、その心配はない。セントルイスは他に見劣りせず、懸命にプレーするチームだ。5人対5人では素晴らしく強く、ディフェンスの強いチームで、被シュート数はリーグで下から2番目に少ない。ゴールテンディングが良ければ恐らくもっと良い成績を収めているだろう。順位表で6~10位あたりにいることができ、プレーオフ進出をかけて熱い戦いができるに違いないチームなのだ。
また、今回私達が学んだことは、シーズンの初めに事態を収拾しなければ遅れを取り戻すのはほとんど不可能だということだ。Payneは見苦しくない成績でブルースを率いた良いコーチだった。しかし、彼を選んだのはArmstrongではなかった。Hitchcockを得ることができるのをArmstrongが知った時、彼は「今だ」と思ったのだろう。
Hitchcockはトレーニングや構造改革をし、選手に責任感を与えることでブルースを率いてゆくだろう。Chris StewartやT.J.Oshieのように若くて苦しんでいる選手は、ビデオでの分析に時間をかけ、難しい練習をこなし、そして時にはベンチから見たアドバイスに従うように言われるだろう。ブルースの経営チームはこれでこのチームがプレーオフに進出する事ができると考えているようだ。もしそうなれば、Hitchcockは遥か下位にいる彼が去った組織を見下ろすことになるだろう。
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