Tom Thompson
2011-10-07 11:25:00

プロ・スポーツでは常に何らかの変更がなされる。フィールドでの試合から試合日程まで、そしてその他諸々のことがよく変更される。2月のスーパー・ボウル、11月のワールド・シリーズ、6月中旬のスタンレー・カップ決勝戦を過去に予想していた人がいるだろうか。チャンピオンシップを決める全ての決勝戦への関心が最高潮になるので、スポーツ・ファンはこのタイミングに満足しているようだ。

それぞれのスポーツ界はそのシーズンの始め方を再検討しているところだ。伝統的に野球、フットボール、ホッケーは多くのプレ・シーズン・ゲームを伴う長いトレーニング・キャンプを続けてきた。しかし、近年、それぞれのスポーツはこのアプローチに疑問を持っている。スポーツ選手は1年を通して身体の調子を整え、ピークに近い状態でキャンプに参加する。長いキャンプでコンディションを整えるというやり方はもう必要ないのかもしれない。特にプレ・シーズン・ゲームでは公式戦と同じ収入を得られるわけではないので、各リーグは知恵を絞ってレギュラー・シーズンへより早く移行することを考えなければならない。ホッケー界は興味深い挑戦を強いられることになる

現在、NHLのトレーニング・キャンプは以前より約1週間遅く始まっている。しかしながら、NHL内部の多くの消息通はNHLがNBAのやり方に従うべきであり、公式戦を今より遅く始めるべきであると主張している。何故10月いっぱい野球のプレーオフと競争しなくてはならないのか。この考えに従えばキャンプを長くする必要はなく、キャンプの開始をさらに遅くすることになるかもしれない。

しかし、一方で逆の視点からの意見もある。それはレギュラー・シーズンのスタートを今よりさらに早くするべきだという主張である。各クラブは数日のキャンプをし、限られた数のオープン戦を行えば公式戦への準備はできる。ホッケーは6月より秋口の方が売り込み易いと主張する。

シーズンを早く始めることを主張する人々は、秋には野球とフットボールの両方と競合することを認める。しかし、6月は野球のシーズンはまだその前半にあり、また、もう一つの競合はNBAのプレーオフである。もしスタンレー・カップの決勝が5月に行われれば、野球との競合はより少なくなり、バスケットボールのプレーオフはまだ始まったばかりである。ホッケーはその最も重要なゲームが行われている間メディアの注目を容易に独占することができる。

プレーオフを長くするという最近の議論はレギュラー・シーズンを早く始めることを検討する上で重要な問題だ。昨シーズンのプレーオフの娯楽としての面白さを考えれば、ポスト・シーズンの試合数を増やしたいというNHLを非難することはできない。

シーズンを早く始めたいという議論には他の要因もある。近年、感心なことにNHLは様々なタイプの怪我に対して懸念を示している。常識的に考えれば、選手が疲れていれば怪我をし易くなる。今の公式戦をこなすための日数が増えれば、選手の疲労を減らすことができる。

もう一つ考慮に入れなくてはならないことは「ヨーロッパの要因」と呼ぶべきものだ。当然のこととして、NHLはこのスポーツの世界に於ける存在感を増そうとしている。より多くのチームがプレ・シーズンや公式戦を行うためにヨーロッパへ乗り出している。この傾向はこれからも確実に続き、拡大するだろう。そのための移動には負担がかかる。従ってレギュラー・シーズンの日数を増やすことはこのような選手の負担を減らすことにもなる。

公式戦の開始についての議論は一方的なものではない。秋の娯楽の奪い合いはとても激しい。概して10月はNHLを見る人の数はシーズン中で最低である。アメリカのあちこちで11月後半までカレッジ・フットボールがあり、高校のフットボールまで含めるとかなりの数ある。5月や6月にはそのような競合はないのだ。

NHLは資金的に困難な状況にある中で生き残り、繁栄しようとしているビジネスである。ビジネスに於いては戦略が重要な意味を持つ。日程の再検討はそのために不可欠なことである。

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