「Denis Savardとは仲が良く、彼は頭の切れるホッケー人です。」とスラッシャーズのGM、Rick Dudleyは言った。彼はByfuglienがシカゴにいた頃の選手人事部長だった。「Byfuglienについてはいつも議論していましたよ。1年目が終わってDenisが言うんです。『ほら、19点も取っている。彼はフォワードだ。』と。それで、私が言いました。『Denis、19ゴールしか取らないフォワードと15ゴール取るディフェンスとどちらが欲しいんだい?』と。

Byfuglienは今の状態がいい。12月の中旬時点でディフェンスの中では一番点を取っており、Dudleyの15ゴールという予測は控えめ過ぎる。28試合で10得点29ポイントをあげ、Byfuglienは今シーズン29ゴール、85ポイントを取れるペースでいる。

Byfuglienがディフェンスに戻り、生まれ変わった最初のシーズンにノリス・トロフィー(最優秀ディフェンス賞)候補になれるほど成長したのにはいくつかの理由がある。しかし、それはByfuglienの見かけによらず高い才能に集約されるのだ。Dudlyは、Byfuglienは(ナッシュビルの)Shea Weberのようなシュートを打つことができ、スケーティング力とゲームを読む力があると思っている。スラッシャーズでByfuglienはTobias Enstromと組んでおり、Enstromは典型的な故障知らずのスゥエーデン人で自分が目立とうという気持ちが少なく、攻撃に加わらずに積極的に守りにまわるがByfuglienは荒っぽく前へ出て行ってしまうので、ブルー・ラインでピンチを招くことがある。また、スラッシャーズはByfuglienの転向に最適なコーチ、Craig Ramsayを雇った。Ramsayはディフェンス専門のアシスタント・コーチとしての経験が長い。彼の指導のもとでNHL選手としての瀬戸際にいた選手が百万長者になった例は数知れない。

「Craigのいいところは皆が完璧ではないということを受け入れることです。」とDudlyは言う。「下手な選手よりも上手い選手が多いチームである限り、Craigは下手な選手に取り組み、少しでも上手くしようとします。しかも上手い選手を殺すようなことはしません。」

自分の仕事として、RamsayがキャンプでByfuglienがディフェンスをしているのを見た時、そっくりそのままではないがDoug Harvey(* 史上最高で最初の攻撃的ディフェンスとされる選手。1924-89)の姿が頭をよぎった。RamsayとDudlyは、この夏にByfuglienをシカゴから獲得した時、Byfuglienに相応しいポジションを与えようと約束した。そして、それが実験とか短期間の試みというつもりだったら失敗していただろう。

Ramsayは言う。「『そうだ、Byfuglienは暫くディフェンスをやっていなかったんだ。』と思うことにしたんです。攻撃に加わる時のタイミングがずれていました。敵との間合いの取り方も良くなかった。相手の選手よりもパックばかりを見ていた。そしてパックを取りに行ってつぶされていた。しかし、それを自覚しているので、だんだん良くなってきました。彼はパックがどこへ行くか解っており、素晴らしいスティック技術を持っている。相手のパスを遮ることができるし、ポークチェックもできる。そして、一旦相手がゾーンに入ってくるとあの体でチェックに行き、相手をパックから引き離す。」

本人はあまり話さなくても、今シーズンのByfuglienのプレーについては多くが語られている。シカゴでプレーし、スタンレー・カップを獲ったことが注目され、表舞台に引っ張り出されたが、表向きByfuglienは見ているのが可哀想なほど無口なのだ。

「カメラや記者がいると別の人格になるようです。メディアが嫌いなんだと思います。」とスラッシャーズのキャプテン、Andrew Ladd。「でも、ロッカーに入ってくる時にはカエルのカーミットの靴を履いてそれと同じライム・グリーンの帽子を被っているんですよ。『目立つのが嫌いなはずなのに...』と思いますよね。」

恐らくそういうことが何年もByfuglienを過小評価させてきた理由なのだろう。