By Ryan DIXON (November 22, 2010 / Vol.64 No.10)

Won't Back Down

自信なのかうぬぼれなのか。声が大きいのかホラ吹きなのか。P.K.スゥバーン (P.K.Subban) はこれまでとは違うタイプの新人だ。



スゥバーンがいらだちを見せたことはちっとも驚くことではない。
というのは、このモントリオール・カナディアンズの若いディフェンスは自分のルーキー・シーズン、つまり去年の春の大活躍と自分自身の全て、について話すために記者に電話をしていた。誤解を生じさせたのはスゥバーンはその日、ユナイテッド・ウェイ主催のストリート・ホッケー・トーナメントでゴーリーをやったのだった。

スゥバーンは、質疑応答の用紙をめくりながら人気漫画雑誌”Subby-doos”(*アニメ”Scooby Doo”に引っ掛けた冗談))を取ろうとした時に電話を受けたことを私に説明しながらまだ腹立たしげに荒い呼吸をしていた。

その記者は「あなたはどんなタイプのゴーリーですか?得意な技は?必要ならケリー・プライス (Carey PRICE) を例にしていただいてもいいですよ。」と質問したのだった。

その記者に対しては説明が必要だっただろうが、それはせずにスゥバーンは私達との約束の時間ぴったりに来た。顔にも耳にも、感情を抑えている様子も、取材を嫌がる様子もなく、またその状況がいつでも変わるという心配もなさそうだった。その後間もなく、話題がスゥバーンとチーム・メイトのジョッシュ・ゴージス (Josh GORGES) が同じ建物に住んでいることに及ぶと、質問に答えるはずのスゥバーンが我に帰って聞いてきた。

「あなたがジョッシュとも話す予定であることは聞いているよ。僕があのビルのペントハウスを買ったことを聞いたとジョッシュに言うんでしょ?」とスゥバーン。

実際にはこの新人はビルの最上階の部屋は持っていない。しかし、そのチーム・メイトの上の階に二つの部屋を持っているのは紛れもない事実である。

「スゥバーンはそう言うだろうね」とゴーシュは笑って言った。

確かにスゥバーンは語彙が豊富である。相手チームへ向けられる言葉は相手の言いようのない怒りを買うことになる。「それがスゥバーンの本当の姿なのかは判らない。あまりやり過ぎない方がいい。スゥバーンは相手チームやその考え方を攻撃するんだ。スゥバーンが何か言うと相手は気狂いのようになる。」とゴージスは言う。「まるでお笑いだ。ちょっとした一言で反対側のベンチの選手全員がかっとなっているのが分かるんだ。それはスゥバーンの言ったことに対してなのか、言い方が気に入らないのか分からない。いずれにせよスゥバーンは相手の怒らせ方をよく知っている。」

それに加えて、スゥバーンはホッケー界の古いしきたりも乱している。それはこれまで常に守られ、確立されてきた氷の上の餌を食べる順番のようなものである。

「相手チームは若い、特に新人が自信満々なのを見るのは嫌でしょう。でもそういう考えは間違っている。僕はリンクに出て、自分のプレーをし、自分自身になりきり、そしてそれが自分に成功をもたらしてくれたらいいと思ってる。」とスゥバーンは言う。

スゥバーンの活躍が爆発したのは去年の春、14ゲームで終わってしまったカナディアンズのプレー・オフでのことだ。ワシントンを破った1回戦の第6戦でカナディアンズに加わるまで、スゥバーンのNHL経験は公式戦での2試合だけだった。しかし、ピッツバーグとの2回戦初戦にNo.1ディフェンスのアンドレイ・マルコフ (Andrei MARKOV) が膝の怪我をしてからスゥバーンの役割が急に増えた。スゥバーンのプレーはまるで光のスペクトラムを動力から危険へ動かしたようだった。それ以上に印象に残ったのは自分の役割をこなす強い精神面だった。

「あの状況で登場したこと、つまり公式戦で2試合の経験しかないのにプレー・オフに出たこと、は余程の自信がなければできないことだ。」とゴージスは言う。「時にはそれでも上手くやって行けることもある。でも、長い目で見れば、ゲームに対する精神面をさらに磨いてゆけばスゥバーン単なるいい選手ではなく、偉大な選手になれると思う。」

プレー・オフでスゥバーンが対戦した優れた選手の1人はシドニー・クロスビー (Sidney CROSBY) である。繰り返すが、その時NHLでの試合経験がまだ1桁の選手がカナダの英雄と接して良いものだろうかと思う人もいるだろう。しかし、スゥバーンは違う考え方をしていた。

「試合では敵愾心や緊張があるものだ。でも、プレー・オフを通じて、お互いに敵として戦っているんじゃないと思えるようになった。」とスゥバーン。

「僕は挑戦することが好きなんだ。偉大な選手を相手にプレーするのが楽しい。その相手が何番目のラインだろうと構わない。僕は全力で戦うし、誰に対してもおじけづいたりしない。それが僕のやり方だし、勝ちたいんだ。それが自分のチームへの貢献の仕方だし、自分自身をここまで導いてきたやり方なんだ。」