リック・ダドリー (Rick DUDLEY) はクレイグ・ラムゼイ (Craig RAMSAY) をアトランタ・スラッシャーズのコーチに任命した。ラムゼイはNHL一の指導力を持ったコーチの一人であることは多くが認めるところである。そして、もし、全てがダドリーの思い通りに運べば、ラムゼイは数百万ドルの報酬を得ることになるだろう。

ダドリーはザック・ボゴシアンの2年間のそこそこの結果について、ラムゼーの指導の下での飛躍準備期間と考えている。

歴史的にスター選手はNHLでの3年目に大きく伸びる傾向がある。最初の2年間は怪我や安定性に苦しんだもののボゴシアンもそうなる可能性がある。

「劇的な変化を期待しているよ。ラムゼイはこれまでに多くの若いディフェンスマンを育ててきた。」とダドリーは言う。「ラムゼイはダニー・ボイル (Danny BOYLE) で奇跡を起こした経験がある。誰も我々(当時はダドリーもラムゼイもタンパベイにいた)がダン・ボイルをドラフトで5位指名したことを覚えていなかった。当時はあまりいいチームじゃなかったからボイルはフロリダではプレーできなかったんだ。しかし、ダン・ボイルは突然トップ・ディフェンスマンの1人になった。まぐれなんかじゃない。また、マイナーであえいでいたジョニー・ボイチュク (Johnny BOYCHUK) はボストンに行き、その時にこのディフェンスマンを指導したのがクレイグ・ラムゼイだ。今やボイチュクは1試合に20分プレーできるディフェンスとして2百万ドル(166百万円)稼いでいる。」

ダウティーと違ってボゴシアンは身体見本のような体格をしている。全く贅肉のない220パウンド(約99キロ)でチームの中で最も良い状態にある選手の一人である。ダドリーはボゴシアンを「トレーニングマニア」と呼んでいる。固い御影石でできた彫刻のようだ。しかし、それだけでディフェンスができたり点を取ったりできる訳ではない。ラムゼイの指導でボゴシアンが優秀なディフェンスになれるようチームは期待している。

NHLに上がるまでボゴシアンは試合で苦労したことがなかったようだ。それが突然、それまで汗もかかずに出来ていたことが世界有数の選手達が相手だとできなくなった。クリス・プロンガー (Chris PRONGER) がそうしたように、ボゴシアンが今のうちに自由に試合について学べば、目覚ましい結果になるだろう。それでも、ボゴシアンは良い道を歩んでいると言える。ラムゼイはボゴシアンにプレーを単純化して、自分の創造性を抑えることなくより良いポジションにつくように教えなくてはならないだろう。ラムゼイは4人での攻撃を考えている。そこにはディフェンスも責任を持って深く関わる必要があるが、それにはある程度の訓練が必要だ。

ボゴシアンほどのスケーティング力があれば攻撃に加われるし、パックを奪われた時にもすぐに守りに入ることができる。

「年末までにはすごいディフェンスマンを見ることになるだろう。それまでの辛抱だ。」とダドリー。「多分20試合ぐらい必要だろう。少し時間がかかるだろうが、今年中にはそうなるだろうし、年末までには人々が『今まで見た中で一番のディフェンスの一人だ』と言うようになると信じている。」

昨年のボゴシアンは中くらいのセットでプレーし、親指と手首のけがのため十分に活躍できなかった。ボゴシアンの実力を見せる機会を与えられなかったという感じだ。今、チームは新しい体制とより強いメンバーを得たのだ。

「ダウティーとスタムコスは既に彼らがどんな選手かを証明し、誰もが二人とも優秀であることを認めている。」とボゴシアンの代理人であるオア・ホッケー・グループのポール・クレペルカ (Paul KREPELKA) は言う。「今、皆が『こいつはどのくらいできるのだろう』と思っている。ボゴシアンはダウティーやスタムコスよりも多くのことを証明しなくてはならない。『これが自分の全てだ』と言えるように。」


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