テレビでスポーツの名場面、珍場面特集があると決まって映されるのがホッケーの乱闘場面です。

そのためか、ホッケー=乱闘という印象を持たれてしまっているのはとても残念なことです。

血の気の多い選手が多いことや激しい体当たり(ボディ・チェック)が認められていることでそのような乱闘が起こりやすいのは事実です。

確かに乱闘があると観客も校風し、試合が盛り上がります。

ただ、乱闘をする選手はほぼ決まっていて、スター選手はやりません。

そこで怪我をしてシーズンを棒に振ってしまっては本人だけでなく、チームにとっても大きな痛手となるからです。

 

しかし、青少年に与える影響もあり、その乱闘についてもルール変更がなされてきています。

この動画では闘っている以外の選手はベンチにいますが、

 

https://youtu.be/aSsrm1WW0JE?si=-J8z2Msz9Ule4cTc

 

以前はベンチ総出の乱闘がありました。

 

https://youtu.be/sY8z8B8gC40?si=HBadoPlWdK5t3Po9

 

その後、乱闘が始まったときにリンクにいなかった選手がベンチを離れると反則が科されるようにルールが変わりました。

 

選手同士ではありませんが、こんな(三つ目の動画)乱闘もありました。

 

https://youtu.be/VMcbdBYuGTE?si=gxsuANtY6yksKPPZ

 

ご興味があったら1:30あたりからご覧ください。

 

でも、激しいスポーツでありながらもホッケーは美しいスポーツだと、私は、思っています。

 

来週末、26日と27日にNHLのドラフトがおこなわれます。

今日はそのドラフトについて書きます。

中でも、ドラフト指名権をトレードに使うという点が私たち日本人には馴染みのないところです。

 

指名順の決め方はこれまで何度かの変遷を経てきていますが、直前のシーズンの成績をもとに決められることに変わりはありません。

そこには一人の選手を複数の球団が指名してくじ引きをするとか、逆指名という日本のプロ野球のような選手の気持ちに配慮した制度はありません。

それはそもそもドラフト制度というものが特定チームに選手が偏らないことを目的に考えられた制度だからです。

ですから、指名されたら好むと好まざるに関わらずそのチームに行くか、数年待って再度ドラフトで指名されるのを待つかしかありません。

しかし、その間、今の体力、技術を保つためにどこでどうやって過ごすか、そして数年後のドラフトで再び指名されるという保証はありません。

ですのでほとんどの場合、指名されたチームに入団します。

 

逆に日本のプロ野球にはないことが「ドラフト指名権のトレード」です。

トレードというと選手同士の交換というのが私たちには馴染みのあるところではないでしょうか?

NHLでは(北米の他のスポーツでも?)、選手の他に金銭とドラフト指名権もトレードの対象になります。

今回のドラフトでは全32チームの第一巡目の指名権のうち九つが他のチームからのトレードで得たものです。

その結果、例えば、カルガリーやセントルイスは第一巡目に二つの指名権を持っています。

逆にデトロイトは第一巡目には指名権がなく、最初に指名できるのは第二巡目、通算47番目が最初です。

また第一巡の指名権だけではなく、二巡目、三巡目の指名権もトレードの対象となり、必ずしも翌年のものだけではありません。

例えば、あるチームが主力選手を放出する代わりに、別のチームから選手に加えて「来年の1巡目指名権」と「再来年の2巡目指名権」を得る、といった形です。

 

トレードの相手チームがどういう順位で各シーズンを終えるかは分からないのですからドラフト指名権をトレードに使うのは賭けと言って良いでしょう。

相手チームが下位で終わるほどドラフトで上位の指名権を得られる可能性があるわけです。

そして、当然のことですが、ドラフト1位指名選手がその後活躍するとは限らず、そこは選手を見極めるスカウトとその情報をもとにどのようなトレードをするかというGM(ゼネラルマネージャー)の腕の見せ所です。

 

また、ドラフトについて言えば、シーズン後のドラフトで上位の指名権を得るためにシーズンが終盤になるとわざと負ける”タンク (tank)”と呼ばれる行為がおこなわれ、ファンもそれを期待する、ということもあるようです。

 

最後にドラフト1位指名選手にまつわる話題を一つ。

2023年のドラフトで通算1位でシカゴに指名されたコナー・ベダー(Conner Bedard)。

その数ヶ月後の2023-24シーズンの開幕戦ではシカゴの第一ラインのセンターとして試合開始に臨みました。

これはおそらくチームのファンサービスでしょう。

そして、いよいよ試合開始というときの主審の第一声。

 

“Welcome to the NHL”

 

https://youtu.be/Hp7yv759CPw?si=fgqAmmTTcd9k_51W

 

 

NHLはカロライナ・ハリケーンズがベガス・ゴールデンナイツを4勝2敗でくだして優勝し、ホッケー界の最高の栄誉とも言えるスタンレーカップを獲得しました。

ハリケーンズにとっては2006年以来2度目の優勝です。

 

この優勝に大きく貢献した選手の一人、テイラー・ホール(Taylor Hall)。

プロ16年目、そして7チーム目にして初めてカップを手にした遅咲きの選手です。

今年34歳。

選手として決して若くはありません。

低迷していたエドモントン・オイラーズ再建の要になることを期待されて2010年のドラフトで1位指名を受けたものの、その期待には応えられず、2015年にニュージャージー・デビルズにトレードされました。

以後、アリゾナ・コヨーテズ、バッファロー・セイバース、ボストン・ブルーインズ、シカゴ・ブラックホークスを渡り歩き、昨年1月にカロライナにトレードされました。

このように常にトレード要員とされる選手は人知れず選手生命を終えることが多いのですが、ホール選手はそうではありませんでした。

コーチが語っているように「どうしたらチームに貢献できるかを常に考え」、他の二人と共にプレーオフでもっとも安定したフォワードラインを組み、優勝を決めた一戦では先制点を挙げました。

 

スタンレーカップを頭上に掲げてリンクを1周する。

ホッケー選手の誰もが憧れる光景です。

最初にキャプテンが受け取ったカップを一人一人順番に手渡されます。

テイラー・ホール選手がその3番目であったことから、チームからの信頼を得ていることが伺えます。

 

 

遅咲きながらもようやく辿り着いた自分にぴったりのチーム。

それを伝える記事の一つの見出し。

 

“Taylor Made (テイラー・メイド)”