来週末、26日と27日にNHLのドラフトがおこなわれます。
今日はそのドラフトについて書きます。
中でも、ドラフト指名権をトレードに使うという点が私たち日本人には馴染みのないところです。
指名順の決め方はこれまで何度かの変遷を経てきていますが、直前のシーズンの成績をもとに決められることに変わりはありません。
そこには一人の選手を複数の球団が指名してくじ引きをするとか、逆指名という日本のプロ野球のような選手の気持ちに配慮した制度はありません。
それはそもそもドラフト制度というものが特定チームに選手が偏らないことを目的に考えられた制度だからです。
ですから、指名されたら好むと好まざるに関わらずそのチームに行くか、数年待って再度ドラフトで指名されるのを待つかしかありません。
しかし、その間、今の体力、技術を保つためにどこでどうやって過ごすか、そして数年後のドラフトで再び指名されるという保証はありません。
ですのでほとんどの場合、指名されたチームに入団します。
逆に日本のプロ野球にはないことが「ドラフト指名権のトレード」です。
トレードというと選手同士の交換というのが私たちには馴染みのあるところではないでしょうか?
NHLでは(北米の他のスポーツでも?)、選手の他に金銭とドラフト指名権もトレードの対象になります。
今回のドラフトでは全32チームの第一巡目の指名権のうち九つが他のチームからのトレードで得たものです。
その結果、例えば、カルガリーやセントルイスは第一巡目に二つの指名権を持っています。
逆にデトロイトは第一巡目には指名権がなく、最初に指名できるのは第二巡目、通算47番目が最初です。
また第一巡の指名権だけではなく、二巡目、三巡目の指名権もトレードの対象となり、必ずしも翌年のものだけではありません。
例えば、あるチームが主力選手を放出する代わりに、別のチームから選手に加えて「来年の1巡目指名権」と「再来年の2巡目指名権」を得る、といった形です。
トレードの相手チームがどういう順位で各シーズンを終えるかは分からないのですからドラフト指名権をトレードに使うのは賭けと言って良いでしょう。
相手チームが下位で終わるほどドラフトで上位の指名権を得られる可能性があるわけです。
そして、当然のことですが、ドラフト1位指名選手がその後活躍するとは限らず、そこは選手を見極めるスカウトとその情報をもとにどのようなトレードをするかというGM(ゼネラルマネージャー)の腕の見せ所です。
また、ドラフトについて言えば、シーズン後のドラフトで上位の指名権を得るためにシーズンが終盤になるとわざと負ける”タンク (tank)”と呼ばれる行為がおこなわれ、ファンもそれを期待する、ということもあるようです。
最後にドラフト1位指名選手にまつわる話題を一つ。
2023年のドラフトで通算1位でシカゴに指名されたコナー・ベダー(Conner Bedard)。
その数ヶ月後の2023-24シーズンの開幕戦ではシカゴの第一ラインのセンターとして試合開始に臨みました。
これはおそらくチームのファンサービスでしょう。
そして、いよいよ試合開始というときの主審の第一声。
“Welcome to the NHL”
https://youtu.be/Hp7yv759CPw?si=fgqAmmTTcd9k_51W