アパレル会社の経理をちょっとだけしていた時期があります。
オフィスというのは、もう机が決められていて、そこから動けないのでとにかく苦手でした。
でも、仕方ないので、なるべく郵便局だの銀行だのに行く用を作って外出。千駄ヶ谷のビルだったので、原宿まで歩いて好きだったペーターズギャラリーで絵を見たり、裏原宿をよくブラブラ散歩したりしてました。

さて、隣の机にいた女の人は、ちょっと山田邦子さんに似ていて、結構いい人だったのですが、スケープゴートにされて苛められてました。

僕は正直なところ、人に悪意とかを持ったことがないので、苛めたりする人達の気持ちが本当に理解できない。
ともかく、その女の人は上司に相談して同じグループ会社の別の部署に異動することになり、僕は内心良かったなあと思って、その日彼女がその職場に来る最後の日も、いつも通りに仕事をしていた。

ふと見ると、隣の机のその女性がいつもと違う靴を履いてるのが見えました。新品ではないみたいだったけど、ちょっと目立つ感じの真っ白なパンプスだった。

最後の日だから、彼女なりに頑張ってお洒落してきたのか、いつものように経理伝票を数えている彼女の足元の白い靴は、そこだけとても目立って見えた。
頑張ってる人が好きだなあと、彼女のその白い靴を見ながら思いました。

どんな小さなことでも、頑張っている人がもうそれだけで。とても好きですね。