ステンレスにも安いステンレスと高いステンレス
があります。
安いか高いか見分けるのは簡単です。
磁石がひっ着くステンレスが安いステンレス。
磁石がひっ着かないステンレスが高いステンレスです。
18-8ステンレスというものが高いステンレスです。
マルテンサイト系ステンレスが安いステンレスです。
どういうことかというと、錆びにくい、18-8ステンレス
というものと、どちらかというと錆びやすいが、刃物に加工
できるマルテンサイト系ステンレスというものがあるためです。
その違いは、ステンレスの合金成分の違いから
マルテンサイト系のステンレス鋼は
一般に鉄(Fe)-クロム(Cr)合金のクロム鋼で、
磁性体としての性質も持ち、すなわち磁石にひっつく。
鉄本来の性質に近いため、鉄と同じように刃物に
加工出来るわけです。
鉄に近いから錆びやすいといえるでしょう。
オーステナイト系ステンレス鋼は
鉄(Fe)-クロム(Cr)-ニッケル(Ni)合金のクロム-ニッケル鋼です。
クロムとニッケルというそれぞれ錆びにくい、耐腐食性の金属を
加ええたことで、錆びにくいステンレスとなりました。
そして、クロムとニッケルは鉄より割高な金属です。
そのため、たとえば18-8ステンレスは鉄の約10倍の価格
で高いわけです。
ちなみに、溶接でよく利用するステンレスは、18-8ステンレスです。
JIS記号では18-8ステンレスはSUS304やSUS304Lと
図面に記載されます。
マルテンサイト系ステンレスは、溶接時に割れやすいため、一般的には
溶接加工にはあまり利用しません。

