いつもお付き合いいただきありがとうございます。
今日は読書の記録です。
『梅と水仙』植松三十里 PHP研究所 2020年1月14日第1版第1刷発行
2024年7月から新しくなる五千円札の肖像画は津田梅子です。
早いなあ、もう来月…あと2週間後ですね
津田塾大学を創始し、女子教育の先駆者として有名ですね
この本は、梅子と父仙の物語です。
まず帯の紹介文を引用させてください。
冬枯れの中、真っ先に咲く花とならん――
新5,000円札の肖像で話題!わずか6歳の娘をアメリカに送り込んだ父、
17歳で帰国後、父との葛藤、周囲との軋轢に悩む娘…
女子教育の先駆けとなった津田梅子とその父の人生を描いた感動の歴史小説。
幕府瓦解、欧化政策
時代の波に翻弄された父と娘
私は本当は、アメリカなんか行きたくなかった。遠い知らない国に行くのが怖かった。怖くてたまらなかった。それでも父上のためと思って、我慢してきたんです。立派になって帰ったら、父上が喜んでくれると信じて。それで頑張り通して帰って来てみたら、こんなことって、こんなことって(本文より)
梅子が話題に取り上げられることは今までもよくありましたが、その父仙が取り上げられることはあまりありません。
偉業を成し遂げた人物は、その人物に当てられる光の陰の、周囲の人物の光に気付きにくいものですね。
この本は、基本は梅子の人生を語っているのですが、構成は父の段、娘の段、父の段…と、主人公を交互に変えながら語られていきます。
私はむしろ、仙の段にとても共感しました。
仙は幕臣であったため、明治維新に際して大きく人生が変わりました。
英語が堪能であったため、新政府でも重用されていましたが、そのことで嫌がらせをされたり、肩身の狭い思いをしたり。
そこで一念を発起して、西洋式の農場を作り、西洋式の農業を教える農学校を設立しました。
そんな父を、梅子はとても尊敬していました。
だから、父の言に従って、怖いながらもアメリカに行ったのです。
アメリカでは良い人々に迎えられ、厳しいながらも充実した毎日を過ごしました。
帰国し、留学させてもらった恩返しをしようと張り切っていましたが、日本はまだまだ女性が虐げられていて、そのことに女性自身も気づいていない社会でした。
自分の力を発揮したい梅子と、それを許さない社会。
その中で、梅子は、憤りを感じ何とかしたいともがきます。
この本では、「梅子、頑張った!」だけではなく、とても人間らしい悩みも取り上げてくれています。
例えば、ともに留学した友人に引け目を感じたり、結婚を決断した友人を歯がゆく思ったり、思いが先行しすぎて空回りしてしまったり…
その中で、父に対する尊敬の念が揺らぐ事件も起こります。
父は父で、愛する娘を心配したり、力になり切れない自分を不甲斐なく思ったり。
子どもは、気付かないんですよね、そういう親の気持ち。
梅子も、今風で言えば「ウザ」と思っていました。
この本の題名を見た時、もちろん「梅子」と「仙」という、父娘の名前なのですが、「どちらも春浅い時期に咲く花だなあ」と思いました。
その感覚が正しかったと、物語の最後で思わせてくれます。
勝海舟が仙と梅子に言った言葉が、とても心に残りました。
「まあ、そいつらだって、失敗するかもしれねえが、失敗だって悪かねえ。幾らでも失敗すりゃいいんだ。その積み重ねの上にこそ、成功が待っているんだし」
梅子も仙も、自分の失敗が心にずっと引っ掛かっていたけれど、この言葉ですっとそのとげを飲み下せ、次に進む心の準備ができたのだと思います。
津田梅子が、とても身近に感じられる本でした。
今日のおやつは
琉球黒糖株式会社さんの「黒のショコラ コーヒー味」です。
これは美味しい!
コーヒー味ではあるけれど、自分でもコーヒーを入れて、マリアージュを楽しみたい一品でした
それではまた!
せっかくですから、津田塾大学のウェブサイトの梅子に関するページも貼っておきますね
クリスマスの頃に行ってみてください。
両脇のヒマラヤスギにライトが灯されて、とてもきれいですよ
女子、頑張りましょう
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楽しい育児クラブで子育てカウンセリングをして10年になります。
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