╲こんにちは／
いつもお付き合いいただきありがとうございます。
今日は読書の記録です。
『のち更に咲く』澤田瞳子 新潮社 2024年2月15日発行
今年の大河ドラマ「光る君へ」に合わせて、平安時代の小説をいくつか読んでいるのですが、この本は「歴史小説」だと思って読み始めると「あれ？ちょっと違う」と思わせられます。
まずは帯の紹介文を引用させてください。
わたくしの花は、
千年先までも咲き誇る。
道長邸の女房が追う、
『源氏物語』に隠されたある夜の出来事。
歴史を揺るがす宮廷の悲恋。
華麗なる秘密の御簾がいま上がる
権力に抗う和泉式部。
すべてを見通す紫式部。
平安ヒロインたちを織り込んで、
艶やかに魅せる澤田絵巻の頂点！
藤原道長の権勢を転覆させようと
京を暗躍する盗賊たち。
その首魁が死んだはずの兄だと聞いた
道長邸勤めの女房・小紅は、
盗賊の正体を追いはじめる。
折しも中宮・彰子の解任が判明し、
道長の栄華の月が満ちようとする中、
王朝の禁忌が明らかになる
祖父は政争に敗れて失意の中で悶死し、悪霊となったとうわさされる藤原元方、
父は酒癖が悪く、酒の席で人を殺めて流罪になった藤原致忠、
兄二人も暴れまわった末に殺害されたり捕縛されたのち獄中で自害したり、
姉はそんな家族を嫌がって寄り付かない、
そんな肩身の狭い中で、
中の兄の保昌と主人公の小紅は、時の権力者藤原道長に出仕することで懸命に世を渡っていきます。
そんな中である噂がささやかれ始めます。
今京で乱暴狼藉を働いている❛袴垂❜という盗賊一派の頭領が、20年も前に死んだはずの兄保輔ではないか
出来れば家族の不始末には触れないで生きていきたかった小紅と保昌でしたが、
「今さら、古傷に触れられたくない」
と思いつつ、次第に、その噂の真偽を確かめたくなります。
もしかしたら保輔は誰かにはめられたのかもしれない、ならば兄の汚名をすすぎたい…
盗賊藤原保輔は、以前杉本苑子さんの『散華～紫式部の生涯』の中でも登場しました。
実在はしたのだと思いますが、その描かれ方は随分と違いました。
でもどちらの保輔も、今でいう「ちょい悪」で魅力的な青年でした。
時代小説だと思って読み始めたのですが、これは「ミステリー」でした。
誰かが誰かの事を思って黙っていたこと、行動したことの理由が、物語が進むにつれて、点と点がするするとつながって、とんでもない秘密に行き当たります。
真実を白日の下にさらせば、いたずらに多くの人を傷つける。
愛するがゆえに、鬱屈とした感情を抱えたまま、墓場まで持って行く。
ドラマティックな「表の歴史」の裏に流れる、悲しく、けれどとても人間味あふれる物語。
隠そうとすればするほど、その事実は消えるどころか、ますますその人の心の中で美しく輝いていくのかもしれません。
ラストでは、題名と、表紙の絵と、物語の最初の漢詩が、全部回収されます。
やっぱりこれは、歴史小説の顔をしたミステリー小説でした。
表紙の絵は村田涼平さん。
先日読んだ、同じく澤田さんの『恋ふらむ鳥は』の挿画もそうでした。
この方の絵も最近とても好きです。
さて、今日のおやつは
神戸銘菓風月堂のミニゴーフルです。
頂き物です
私が子どもの頃、特別なお客様から頂くちょっと「良い」お菓子でした
懐かしいお味でした
それではまた！
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楽しい育児クラブで子育てカウンセリングをして10年になります。
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