╲こんにちは/

いつもお付き合いいただきありがとうございます。

 

今日も、最近読んだ本のご紹介です。

 

『さよなら紛争~武装解除人が見た世界の現実』伊勢崎賢治

河出書房新社 14歳の世渡り術シリーズ 2009年4月初版発行

 

昨日に引き続き、河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズです😅

近藤にはこれくらいがちょうどいい😅

 

平和についての本は、たっくさんあるし、色んな評論家の色んな意見を聞くけれど、この本の著者のように、実際に現場に行って汗を流した人の生の声は、やはり聴いておくべきだと思って、読んでみました。

 

 

さて、河出書房新社のウェブサイトの紹介文を引用させてくださいね。

こうしている今も世界のどこかで紛争が起きている。アフリカ等の貧困国で武装解除を指揮してきた著者が、知られざる紛争の現状を伝える。日本人が平和のためにできるユニークな方法も提案。

ウクライナ侵攻が始まった時から思ってました。

アフガニスタンとかシリアの内戦と同じで、結局、大国のメンツと利権争いのはざまで代理戦争の犠牲者として、ずっと貧しいまま、危険なまま、憎しみあったままになっちゃうんじゃないかな…

 

この本を読んで、やっぱりそうなっちゃうよね…、と、悲しい気持ちになった半面、そうならないためにはどうすればいい?と考えるようになりました。

 

 

最初に書かれていたのは、シエラレオネでの武装解除の体験でした。

現地の人々の惨状に心が痛むのは勿論なのですが、私がしんどいなと思ったのは、著者の苦悩でした。

なんとかやり遂げたけれど、本当にあれで良かったのか…。

著者はこの本を書くことで、少しでも心を軽くしたかったのかもしれません。

懺悔の気持ちもあったのかも。

少しでもしんどさが軽減されたなら、良かったと思います。

加害者も被害者も仲裁者も、誰もスッキリ終われない、それが「紛争」なんじゃないでしょうか。

 

アフガニスタンについても、わかりやすく書かれていました。

アルカイダのリーダーだったオサマ・ビン・ラディンですが、彼も元々は、ソ連が進行したことによりアフガニスタンで難民になってしまったイスラム教徒たちを助けたいと考え、活動していたそうです。

むしろその頃はアメリカから何らかの支援を受けていた。

最初から反米のテロリストだったわけではなかったんですね。

それが、色色色々あって、9.11の同時多発テロを起こすことになってしまうのですが、そのあたりの説明が、とても分かりやすかったです。

「アルカイダやタリバンの事や、9.11の事、よく分からないな」という方、ぜひこの本を読んでみてください。

こちらから見れば凶悪なテロリストでも、あちらから見れば正義を貫く勇者だったわけで、それぞれが異なる価値観、異なる正義を掲げて、暴力へと突き進んでしまった、そういう事情がよくわかります。

より良い社会を目指していたのは一緒なのに…切ないな…

その他にも、旧ユーゴのコソボ紛争の背景についても、わかりやすく説明してくれています。

ぜひ。

 

 

以下、近藤の備忘録的にまとめてみました。

 

 

私は当初「武装解除人って、なんだかすごいことをしているんだろうな」という程度で読み始めました。

読み進めるにつれ、

武装解除とか紛争の仲裁と言えば聞こえは良いけれど、要するに、加害者側の罪に目をつむり、その上支援を与えて暴力に戻らないようにする、いわば「妥協の産物」。被害者側も、許せない気持ちを押し殺すのは辛いだろうけれど、それをわかってて被害者に「我慢しろ」と言わなければいけない側も、しんどいだろうな…

と思うようになりました。

難しい仕事ですね…子どもの喧嘩の仲裁だって、全員を完全に納得させるのは難しいもの。


それから、

「矛盾しているかもしれないが、武力を押さえるための武力が必要。世界中のすべての国が武器を捨てれば世界が平和になるというのは、残念ながら夢物語。」

というのは、昨日の『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』でも言っていましたね。

ただ、救いなのは、カッコつきで

「理想として胸に秘めておくことは大切なのですよ!」とあること。よかった。

 

 

以下、ドキッとした部分です。

 

「悲しいかな、戦争は、カネになる。武器商人や建設業者だけではない。ジャーナリストも儲かる。」

 

ちょっと長いですが、引用させてください。

 

そういった戦場の映像をリビングのソファに腰掛けて眺めている我々も「戦争」を 消費しています。消費文化としてのメディアのなかで、我々は戦争をサポートしている立場に立たされているわけです。(中略)

「でもニュースを見ないと現実がわからないじゃないか、知ることがまず責任を果たす最初の手掛かりだろう」ともいえますが、新聞でイラクやアフガニスタンの惨状を知らされて、どれだけの人が自らの人道的なアクションに結びつけたでしょうか。結局、「わぁ、大変だな。かわいそうに」というレベルにとどまってしまうのであれば、何もしないで見殺しにしているのと大差ないのではないでしょうか。
しかし、実際にアクションする人なんて、1000人にひとりでも十分だと僕は感じています。そういう人が存在してくれる限り、世界から紛争をなくすことができる 希望があると信じています。(中略)

戦争の被害にあっている人々にどれだけ近い意識でいられるか。そのことが世界を変えるきっかけになっていくはずです。(中略)

「君はどうしたいの?」と意見を求めたときに、「僕は紛争は避けたいです」っていう声が何人から上がるのか。いったい何人が「戦争はやめようじゃないか」「戦争は支持でき ない」と手を挙げることができるか。
どんなに儲かる条件がそろっているとしても、自分と同じ人間が命を奪われていく戦争はストップさせなければならない。戦争を防ぐための手段として最後の最後に試されるのは、その意志の力だけなのかもしれません。

 

そうか…私も戦争を「消費」しているってことなのか…ちょっとショックだけど、受け止めないとね。

 

 

それから、以下は平和を作るための著者からの提言を、備忘録としてまとめました。


「平和」で儲かる仕組みをつくる

戦時中は、軍部が広告を使って人々を戦争へと向かわせた。今度は人々を平和へと向かわせるような広告をする。(ピース・アド)

以前は企業から「カネにならない」と敬遠されていた「環境問題」が、今はESG投資の盛り上がりなど、「環境に配慮しないと儲からない」ようになっている。

同じように、「平和に貢献しないと儲からない」仕組みを作る。

 

憲法9条を世界にアピールする

日本人は、壊れにくい家電や自動車といったものを通して、「日本は身近」「信用に足る製品=信用に足る国民」と思われている。

さらに日本人は、ある意味「無宗教」なので、宗教的対立とも無縁。

そして、日本には憲法9条がある。

丸腰の人を攻撃しようとは思わない。

日本人は、「戦争はしない」と決めた9条があることで、多大な恩恵を受けていることを自覚すべき。

上記の3点から、日本人は良い意味で「人畜無害」と思われている。これは他の国にはない大きな財産。

実は、日本の憲法は、世界平和の鍵だとして、欧米諸国ではかなり研究されている。

日本は国としてこれをアピールすべき。

自衛隊は9条の中でも十分に活動できる。(憲法でなく、法律の改正で十分)

にもかかわらず、いったい誰の顔を伺って「日本はテロ戦争において軍事的な活動で国際協力しています」「軍事的な国際協力をするために改憲します」と言っているのか。

そんなことを言ったら、テロリストは「日本はアメリカと一緒になって我々を攻撃しようとしている」と思い、日本(海外にいる日本人を含む)がテロの標的になってしまう。

テロ対策が不十分な日本は、テロリストの格好のターゲットになる。(ソフトターゲットというそうです🤓)

まず、国として、憲法の正式な翻訳を作ることから。(特に、アラビア語、中国語、ハングル、ロシア語)

 

 

う~ん、選挙の時、公約をよ~く読んで考えないとな。

 

 

その他にもたくさんのメッセージがありました。

 

対テロ戦争に終わりはない。

 

願いや祈りで獲得できるほど、平和とは単純で、イージーに手に入れられるものではない。

 

世界の国々が平和であるからこそ、日本も平和なのである。

 

人類に共通な正義など存在しない。人間の正義には限界がある。

 

人道主義にも限界がある。人道主義は矛盾だらけ。安易に振り回すべきではない。

 

 

そして以下は、著者が「この本の締めくくりとして」述べているメッセージです。

 

「平和とは、それを維持する努力を怠るとすぐに壊れるもの。壊れ始めるときにはなかなか気づかず、気づいたときにはもう壊れるのを止められない。平和とは、不断の闘いなのだ」

 

この本は10年以上前に書かれたものですが、残念ながら今、著者の「平和は、壊れ始める時には気づかず、気付いた時にはもう止められない」という心配が的中しはじめているような気がします。

完全に的中する前に引き返せるよう、著者の言う❝「戦争は支持できない」と手を挙げる人❞になろうと思います。

 

 

それではまた!

 

 

追伸

今日は安倍元総理の国葬ですね。

「国葬」と言われたら、昭和天皇の時の大喪の礼とか、先日のエリザベス女王の葬儀のイメージがあって、どうなの?とは思いますが、功罪に対する意見はさておき、頑張って生きた一人の方が亡くなったことに対しては、心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

願わくば、黙とうの間の数分間くらいは、「はんた~い!」と叫んでいる方々も、静かにしていただけたらと思います。

 

 

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