小説 大倉崇裕「福家警部補シリーズ」「白戸修シリーズ」感想 | タパボーイのブログ

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大倉崇裕のミステリーはサクサク読めて、かつ現実感もある程度残していていいです。
福家警部補シリーズは倒叙物(刑事コロンボ、警部補古畑任三郎などの最初に事件の全容が描かれてからの推理劇)の作品で、訪問販売か宗教の勧誘にしか見えない地味な女警部補福家が地味に犯人を追い詰めていく。
最初こそキャラが薄いように思えたが回を重ねるごとに、「警察手帳をどこにしまったかわからなくなる」「お笑いや映画などの娯楽に詳しい」「酒豪」等々じわじわ肉付けされていく福家警部補に今後も期待。ドラマ版は永作博美という配役はともかくコメディにより過ぎて微妙な出来です。
白戸修シリーズは中野駅で降りるとウラ稼業というかアンダーグラウンドな業界の事件に必ず巻き込まれるお人好しの大学生(途中からサラリーマン)の白戸修が主人公。
スリ業界、万引き業界、違法看板業界、盗聴業界などの職場体験記みたいになっていて話運びもスピーディーで飽きさせない。
裏業界の話なのでちょっと漫画的な強キャラも登場するのだが、中でも最強と思われる私立探偵の宇田川一のアクションシーンは非常にカッコ良い。
最近の作家にはよくあることなんだろうけど、大倉崇裕の作品は世界設定を共有していて、福家警部補シリーズでは特撮番組「ブルーマン」のデザイナーで玩具メーカー社長の新井が福家警部補に逮捕されるが、白戸修シリーズではそのため「ブルーマン」のフィギュアが高騰していてそれ絡みの事件がおきたりしている。嫌みのない範囲の遊び心で好感がもてる、かも。