幼い頃、祖母の家からの帰り、駅のホームから見上げるビルの屋上、このキャラのネオンサインが見えていた。
白いカルピスがグラスから、飲み干され、また満たされる…。
このくり返されるサインの動きに、目を奪われながらホームで電車を待っていた。
幼き頃の遠い記憶のひとつ。
一人っ子の私は、祖母の家にいる従兄弟たちと過ごす時間が何より楽しかった。
奇声をあげ、大声で笑い、歌を唄い、
とにかく大騒ぎだった。
その楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰りのホーム。また、あの静かな我が家に帰るのかと思うと、なんだかとても悲しかった。
その切ない記憶がこのサインにはある。
大人になった頃、このサインは「差別だ」と非難を浴びて消え去ってしまった。
これのどこが、差別なんだろう?
第一次世界大戦でダメージを受けたドイツのデザイナー救済のために、彼のデザインを起用した…といった話を聞いたことがある。
当時の日本の企業としては、なんてグローバルな視点なんだろう。
素敵だ。
キャラ自体、センスもいい。
なのに…。
これを差別という、
差別意識こそ、問題な気がする。
このカルピスのキャラ、
公私ともに切ない存在だ…(笑)
