コーチの名和です。
毎日、たくさんの選手を指導していて、感じることがあります。
スクールには、いろんな選手がいて、練習に来ている動機も様々です。
ほとんどの選手は「野球が上手くなりたい」とスクールに入会したいとご両親にお願いし、練習に来ています。
中には、ご両親から「もっとできるようにならなきゃダメでしょ!ここに入会して練習しなさい!」と強制的に入会させられた選手も一部いるようです。
どちらの選手が伸びる可能性が高いか、よくわかりますよね。
ご両親から言われて来ている選手は、長続きしませんし同じ注意を何度でもされています。
上手くなりたいという選手は、スクールで指導されたことを自宅でも何度も練習し、次のスクールの練習時にはそれができているという進歩が見られます。
先日、私は恩師である元愛工大名電高校野球部の中村監督の家に遊びに行き、上手くなる選手について話をしました。
愛工大名電野球部時代の中村監督は、25年の監督生活の中で、13人の選手をプロ野球選手に育てました。
その代表はイチロー選手ですね。
昨年現役を引退した工藤さんも有名で、来年も現役を続けると宣言した、中日ドラゴンズの山崎武志選手も中村監督の教え子です。
さて、たくさんの選手を育ててきた中村監督の教えで知られているのは
「人生のレギュラーを目指せ!」ですが、
もう一つ、
「やらされる100発よりやる気の1発」という教えがあります。
文字どおりの内容で、やれと指示されたことをイヤイヤ100回やるより、自らの意思で1回やった方がはるかに効果が高い、身になるという意味です。
こんなことを中村監督と話していたのですが、その中で私が、
「謙虚さもないと技術向上はないですよね?」
と言ったとき、
「おいおい、現役時代は謙虚さのかけらもなかったお前が、そんな偉そうなこと言うか?」
と冷やかされました。
中村監督が私のことを誰かに紹介するとき、
「こいつはなぁ、現役の時はとんでもないわがままな選手で、凡打すると頭に来て一塁手にヘルメットをぶつけるような選手だった。」
このような紹介をされます。
これが事実かどうかはここでは問題にしませんが、これが事実ならとんでもない選手ですよね。
それから、中村監督に言わせると、私は監督に反発していた選手だったそうです。
自分ではそんなつもりはなかったのですが、素直ではなかった自覚はあります。
言われるとふてくされる・・・
叱らていても腹の中では舌をだしてる
目つきが悪い・・・・
そんな印象の選手だったようです。
私が監督なら実力があってもこのような態度の選手を試合で使えるかどうか、私は人間ができていないので自信はありません。
でも、中村監督はこんな私でも試合に使い続けてくれて、その理由を聞いたことがありました。
「こんなむかつく選手をよく使ってくれましたね?」
そしたら中村監督は、
「チームの全員がオレの方を向いているイエスマンばかりで揃えるのはいかんと思った。」
「9人のレギュラーのうち、3人が私の方を向いている者、3人はどちらでもない、3人は私に背中を向けている者らで揃えると、ちょうど良いバランスになる。」
「お前は自分でどのタイプの選手だったかわかるよな?」
ということです。
私は背中を見せて反発していたつもりはないのですが、中村監督からはそう見えたのでしょうね・・・
スクールでは皆が上手くなりたいと自ら練習に参加している選手なので、そんなところで私に反発する選手はいません。
チームならそんな選手がいるのでしょうね・・・
豊田大谷高校で、私が中村監督の下でコーチをしていたとき、私だけでなく中村監督にも猛反発していた選手がいます。
この選手はチームのリーダー的存在で、この選手が反発することで他の選手も追随し、チームは常にしらけた状態で、それを一丸とするためにほんと苦労しました。
猛反発した選手はNという選手で、その後は大学に進み、社会人野球チームでも活躍した選手です。
そのNという選手は、今はある野球スクールでピッチングコーチをして、良い投手をたくさん作っているそうです。
そのコーチはあなたも見たことありますよ。
今では反発しまくった過去を感じさせないくらい良い青年になっています。
教えられたことを素直に聞ける姿勢がその時にあればと後悔しても遅いです。
ある程度大人になったとき、その時の指導者が言わんとしていたことが理解できるようになります。
その時に理解できても遅いのです。
素直さ、謙虚さ、子供には難しいかもしれないが、身につけてもらいたいものです。
私やNのように反発するのではなく、素直に謙虚に受け入れることにより、技術向上があります。
なんだかまとまりのない内容ですが・・・・
またあした。