コーチの名和です。
玉川コーチがブログで愚痴っていて、読者の方から同情を引いている
ようですね。
私としては、いつまで経っても先輩なので、決して見下したり
偉そうな態度をとっているわけではないのですが、
先輩である玉川コーチのプライドを知らず知らずのうちに
傷つけているみたいですね。

というより、ブログネタとして私を使っているんじゃないかと
思うのですが・・・・
玉川コーチとは、高校時代と社会人野球時代を野球部の合宿所で
一緒に過ごしたこともあり、他の多くの先輩より気心が知れていると
思います。
社会人野球部時代は、玉川さんにしょっちゅう酒を飲みに連れて
行ってもらい、迷惑なくらい飲ませていただきました。

その払いはすべて玉川コーチで、私たち後輩が「払います」と
言っても、
「ばかやろう、お前らは気にすんな!オレが払えないときは
誘ったりしないから気を遣うな!」
と怒られたものです。
この前のラーメンの一件でも、私が出したのはそれ1回で、
それ以外はずっと玉川さんにごちそうになっていました。
その一件が気に入らなかったようですね。
高校時代は、一つ学年が上の玉川さんに対しても気軽に声を掛けられない
存在というか、野球部ではそのようなしきたりでした。
高校時代は下級生の同級生が集まると、「○○自慢」が始まります。
「おい、知っとる?」
「昨日の夜、オレは◎◎さんに、どうでもいい因縁をつけられ、
罰だと言われて◎◎を◎◎時間させられ、手と足の皮がむけて
不自然な歩き方になったのと、痛くて顔すら洗えない手になったんだぞ!」
「お前なんかまだましだよ、オレなんて◎◎さんに、たかが△△の
ことで、□□を2000回もさせられ、足がつって階段を普通に
下りられなくなったんだぞ!」
「ばーか、オレなんて、◇◇さんにやっていもいない××のことを
オレのせいにされて、○○を50セットもさせられて
死にそうになってたんだぞ!」
「あいつらひどいよな!」
「くそタマなんか、明日ノックの時、わざと変化球やショート
バウンドの送球を投げて、(当時、玉川さんは一塁手だった)後逸させ
てやろうぜ。」
「それを続けると、何回目には監督に○○られるよな。」
「もしかすると、ショートバウンドなんか投げると、先にこっちが
監督に○○られるかもしれないけど、それを後逸し続けたら、
くそタマも間違いなく○○られるよな。」
「よし、内野手のオレたちに任せろ、自分らにも危険があるけど、
それは覚悟の上だ!」
「明日ノックの時、くそタマをどツボにはめてやる。」
なんて、聞いた話ですが、私以外の選手がそんな話をしていました。
私は尊敬する玉川さんにそんなことをするわけありません。
そして、私は聞いた話なので、これを実行したかどうかわかりません。
野球部合宿所では、バリカン使いに高評価がある者が、床屋的な
存在になり、先輩に呼ばれてただ坊主頭にするだけなのですが、
細かな注文をつけられ、ちょっとでもミスをすると大変なことに
なります。
どんなことになるか?
それは想像にお任せします。
名電野球部は全寮制で、年間に数回だけ自宅に戻ることができ、
合宿所の厳しい規則や先輩からの眼から逃れられ、大きく羽を
伸ばせる日「帰宅」といわれる神の言葉があります。
それは、大会で優勝したときなど突然「帰宅」という言葉が
コールされ、その瞬間、心の底から嬉しさがこみ上げてきて、
甲子園を決めたときのような喜びがあります。
しかしその喜びを顔に出すと、
「なんだお前、嬉しそうだな、そんなに練習が休みになるのが
嬉しいのか?」
「お前は帰るな!」
ということもあったので、
「帰宅」というコールを聞き、両手を天に突き上げ、大声を出して
叫びたいほど嬉しい気持ちを押し殺し、誰も表情一つ変えません。
なぜこんなに嬉しいのか。
それは、合宿所の生活を知っている人しかわかりません・・・・
「帰宅」したときには、それぞれの自由があり、友人の家に遊びに
行ったり、中には彼女とデートしたり、その時間は普通の高校生
になれます。
「帰宅」コールされたその夜、翌日の「帰宅」に合わせて
床屋的な存在である下級生の一部の者が忙しくなります。
次々に先輩に呼ばれ、バリカンで坊主頭を刈揃えます。
バリカンを使った人にはわかると思いますが、バリカンには
刃に取り付けるプラスチック製のアタッチメントがあり、
それを付けると、素人でも毛の長さがきれいに5mmや10mmの
長さに調節できます。
野球部のしきたりとして、3年と2年はアタッチメントの使用が
許され、3年生は10mm、2年生は5mm、1年生はアタッチメント
なしで、バリカンの刃を直接頭に当てることになります。
アタッチメントなしの1年生は1mmくらいの毛の長さになり、
爪でも毛がつかめず、タオルで頭を拭くとマジックテープのように
タオルが頭に張り付く状態になります。
「帰宅」前夜は床屋的存在の選手がフル稼働になり、順番待ちを
している先輩の頭を次々に刈っていきます。
ここでも下級生の捨て身で、ささやかな仕返しがあります。
普段からよくかわいがってくれる上級生の頭を刈るとき、
アタッチメントを付け忘れたふりをして、1年生と同じ
バリカンの刃を直接頭にザクッと当て、一部の髪を刈ってしまいます。
そのような状態になったら、全ての髪をその長さで刈らなければ
おかしくなる(トラ刈り状態)ので、上級生といえども1年生と同じ
1mmの長さに刈り揃えることになります。
その先輩は「帰宅」では、デートの約束があるにもかかわらず、
1mmのツルツルの頭になって恥ずかしい思いをします。
それをやった床屋的な存在の下級生は、その後どのようになるのかは
みなさんの想像にお任せします。
1mmに刈られた先輩から、その後どのような仕打ちをされるのか
恐怖もありますが、それでも覚悟の上でバリカンの刃を直接先輩の
頭に当てます。
その下級生は同級生の中で英雄です。
「ざまぁみろ!!」
「あのときの恨みだ!」
「この帰宅で恥ずかしい思いをしやがれ!!」
下級生による捨て身のささやかな抵抗というか、仕返しです。
暗闇の中から、それをやった床屋的存在の選手の悲鳴が聞こえて
いました・・・
これも私が聞いた話なので、本当かどうかわかりません。(笑)
私にとって、高校時代の玉川さんには、よく助けてもらいました。
今でもよく助けてもらっている、頼りになる先輩です。
と、面目を保っておきます。