子どもたちが将来なりたい職業にユーチューバーがトップというのは、もう真新しいことじゃない。それは理解しているが、やはり、この職種には違和感を感じている。昨年は、正義の使者気取りで、覚醒剤現行犯逮捕の瞬間をライヴ動画しょうとして教唆容疑で逮捕された。私人逮捕劇場だろうが、度を超えている。あの国会議員までなった、胡散臭い男は、動画投稿サイトで何千万円近く稼ぎがあった。動画投稿サイトは、再生回数に応じて投稿者が収益を得る仕組みだそうだが、世間から注目を浴びるため(動画再生回数)なら、それこそでっちあげだろうが、過激な言葉でおとしめる手法とかで再生してもらえばいい!となるのは必定!毎日新聞の記事には、月100~200万円台後半ぐらいとあった。YouTube運営会社は、結局、広告掲載で収益を得るのは、かってのマスコミと同じこと。動画再生回数が、雑誌の売り上げ部数となる。最悪な事態が、今回の能登大地震にも拡散した。朝日新聞「天声人語」にも「倒壊した家屋に家族が閉じ込められた」なる偽情報がネット上に拡散された。

「X(旧ツイッター)が表示回数を満たすと収益が分配される仕組み」も書いている。どんな時も必ず流言やデマは差別・偏見を生み、愉快犯の活躍の場となる。困ったものだ!

 先日、コンビニで女性週刊誌を手にして驚いた。あの週刊女性なんか、かっての三分の一くらいのページ数。トップの女性セブン、二番手の女性自身も大幅な縮少枚数だった。それはともかく、SNSは、不寛容な方が主張が強く、論争でも優位に立ったりする。作家の箒木蓬生さんがネガティブ・ケイパビリティ(負の能力)という、答えの出ない事態に耐える力こそが大事なのに、今は何か答えをすぐに見つける問題解決能力のポジティブ・ケイパビリティ(正の能力)が強い風潮がある。なぜかというと、答えが出ないとヒトの脳は分からない状態に耐えきれずに何かを決めつけて理解したつもりになろう!とする。ノウハウ、マニュアル、ハウツーが歓迎される。正の能力でのしあがったのがトランプ前大統領。箒木さんは、不寛容の行きつく先には戦争だ!と言う。軍事力を強化する人は強気になる。相手を敵と決めつけて、一気に答えを出そうとしてはいけない。寛容を踏みにじられた先に戦争がある。寛容を保つことこそ、平和を支える精神である!と、精神科医らしい分析をしている。

 今、世界では二つの地域で戦争をしている。日本の政治家は、相手国に攻撃する軍備を増やすことが抑止力になる!と思っている。違うでしょう。政治家の仕事は外交で戦争をしない道を探ること。左手に武器を隠し持って右手で友好の握手をしょうとする相手を誰が信用するだろうか!

 まあ、戦争へ突っ込んでいく時にこそ、このユーチューバーたちは大活躍するのだろうなあ!自然災害でもあることないことを安全地帯から隠れて発信し続ける。高齢者のわたしには、今だにこのユーチューブは不可解な存在でしかない!