私が住んでいる区に

 

名主屋敷なるものがあります。

 

 

(名主屋敷の全景)

 

 

(名主屋敷の門)

 

 

そこで

 

「ごぜ唄」の

 

ライブ演奏会(2010年)を

 

したことがあるそうです。

 

 

(「江戸川区郷土資料室令和元年度第1回企画展パンフレット」から)

 

 

「ごぜ」とは

 

目の不自由な女性が

 

三味線を携えて旅をして

 

家々を廻りながら

 

唄や語りを聞かせる人達のことです。

(そういう女性達が、昭和の時代までいたそうです)

 

 

 

彼女らは

 

家々を一軒ずつ回ったことから

 

門付(かど)けとも呼ばれていたようです。

 

 

(「江戸名所図会」より)

 

 

今から話す話は

 

ある教育者の

 

小学校二年生の時の体験です。

 

 

 

 

小雪の舞う冬休みのある日、

 

門付けの母と女の子が家に来たそうです。

 

母親が三味線を弾いて歌い、女の子が踊りました。

 

彼(小学校二年生)の目には、その母子が哀れに映ったのでしょうか、

 

曲が終わった後、彼は自分が食べていた駄菓子の残りを女の子にさしだしました。

 

その時、

 

彼の父が彼に走りより、

 

いきなり彼を地面に殴り倒したそうです。

 

 

 

 

その後、彼の父親は

 

門付けの母子にむかって、

 

丁寧に頭を下げ、

 

彼の非礼を詫びました。

 

そして、彼にも土下座をさせて、

 

誤らせました。

 

 

 

後に教員になった彼は、

 

父はあの時

 

自分に、人間の尊厳性や平等性を態度でたたき込んでくれたのだと

 

言っていました。

 

 

 

その話を聞いた時、

 

ああ、素晴らしいお父さんだなぁ、と思いました。

 

 

 

 

もちろん、暴力はいけませんが、

 

人間の尊厳や

 

人間の平等性は

 

頭ではなく

 

身体で理解させる必要性があるのではないでしょうか…。

(よく、身体で覚えるといいますよね…)

 

 

 

その意味では

 

心と身体は別々ではなく、

 

心身一如といいますか

 

連動しているものなんですね…。