新聞のコラムの「〝これだ〟と気に入った作品は、すぐに手放してきました」
という言葉が目に留まりました。
名匠と呼ばれる有田焼の陶芸家の言葉です。
窯出しの時に気に入らない作品を壊すのが陶芸家ですから、
気に入った作品を手放さず手元に置きたくなるのではと思っていました。
なぜ、すぐに手放すのでしょうか.
その陶芸家が言うには、気に入った作品を手元に置くと
技術の向上の妨げになるからだそうです。
自分自身に満足してしまうと、過去に捉われ新しい作品が生み出せなくなるということでしょうか。
たしか室町時代初期の猿楽師の世阿弥も、
同じようなことを言っていたような気がします。
「風姿花伝」の中の「守破離」という言葉だったでしょうか。
「守破離」とは、先代の教えを守り、次にそれを破り、離れていくことですが、
詳しくは、「守」とは、師匠からの教えを忠実に守り、実行すること。
「破」とは、師匠からの教えや型を破ること。
「離」とは、師匠の教えや型から離れて自分の型を構築すること、だそうです。
この考え方は、すべての習い事や仕事にも言えるそうです。
ある落語家が師匠の話し方を徹底的にまねて、仲間内から絶賛されました。
ところが師匠は「あれは芸じゃない、コピーだ」と切り捨てたそうです。
常連さんで繁盛するラーメン店を先代から息子が継ぎました。
息子は先代の味を継承するために、夜も寝ずに努力しました。
そのラーメンを食したある常連は「先代と同じ味だ。でも何か足りない」と言ったそうです。
ようするに、先代の味より一歩進まないと、先代の味とは思えないということでしょうか。
私事ですが、カウンセラーになりたての頃、
楽しくわかりやすい講座がしたくて、その道の第一人者の講師について半年間勉強しました。
それで得たことは、私にはその講師のような講座はできないということでした。
なぜなら、私とその講師のキャラクターが違うからです。
真似るのではなく自分なりの講座を開いていけばいいんだと思ったら、
なんだ心がふっきれて軽くなったような気がしました。
(今の自分が、自分なりの講座ができているか自身はありませんが…)
どんな世界や物事でも、もうこれでいいやと満足したら
もうその先には進めないということでしょうか。
でも、気に入った作品を手放すことって、結構勇気がいりますよね
それでは、また
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