限られた文字数の中で、自分の意見を書く小論文。
決められた紙面の中で、写真や文章を魅力的に配置する雑誌。
この二つはまったく異なる分野のようでいて、
実は共通点があると考えています。
その共通点を5つ、ピックアップしてみました。
①「企画」を立てる(テーマ・ターゲット)
雑誌を作るとき、まず決めるのは
「誰に、何を伝え、どう動いてほしいか」です。
小論文もほぼ同じ。
小論文に置き換えると、
ターゲット:出題者(大学の先生)
ゴール:「この受験生は我が校にふさわしい」と思わせること
となるでしょうか。
ここがブレると、どんなにアイデアが斬新でも
企画はボツになってしまいます。
②「取材」と「セレクト」(リサーチ・要素抽出)
次に欠かせないのが、リサーチ・裏どりです。
膨大な資料を集めて精査し、
ときには足を運んで自分の目で確かめ、
その中から誌面に載せるべき情報を
決め込んでいきます。
情報(ネタ)や選定が良くないと
編集長や先輩編集者にやり直しを命じられます。
小論文でも、蓄えてきた知識や課題文の中から、
論証に必要となる要素をピックアップし、
どの情報を使うかセレクトする作業が欠かせません。
3. 「ラフ」を描く(デザイン・構成)
編集者は、1ページまたは見開き2ページの空間に、
「ここに写真を、ここにコピーを、ここにはあしらいを」と
ラフ案と呼ばれる下書きを描きます。
このラフ案は、まさに小論文における「構成メモ」。
「限られた文字数(スペース)」の中で
意見、根拠、例示、結論の要素を配置し、
読み手が迷子にならない論証を考えます。
小論文は序論・本論・結論の型が決まっています。
4. 「発注」して「ピース」を集める
雑誌では、カメラマンやライター、デザイナーなどに
素材を依頼しますが、
小論文ではその何役も自分でこなします。
写真:説得力のあるエピソード
文章:論理を繋ぐ的確な言葉
デザイン:読みやすく伝わる段落構成
これら一つひとつのピースが揃って、
説得力が生まれます。
5. 「読者の行動」を促す(クロージング)
「この服が買いたい!」
「ここに行きたい!」
と思わせるのが雑誌の力。
小論文の出口も同じ。
読み終えた瞬間に、採点者が
「この子の考えをもっと詳しく聞いてみたい(合格させたい)」
という欲求を抱くかどうか
ではないでしょうか。
「書くことがない」
「書くことが整理できない」
という悩みは小論文ではあるあるです。
それはまだ「編集」の技術を
習得できていないだけとも言えます。
こうして書き出すと
生徒がどこでつまずいているか
分かりやすくなりました。
編集者としての経験を生徒に伝え、
彼らが最高の1ページをプロデュースする
「編集者」の視点を持てたとき、
小論文はもっと面白く、
そして強くなりそうな予感がします。








