本当は怖ろしい日本国憲法 | 気が向いたときに適当に

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本当は怖ろしい日本国憲法/ビジネス社
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今月発売されたばかりの本で、憲法の3大原理と言われる
国民主権
基本的人権
平和主義
について、長谷川三千代先生と倉山満先生の対談の形式で説明されている本です。
ページ数も180ページほどですし、非常に読みやすくなっています。

主権も人権も欧州で発明された考え方で、その発明段階を追って、思想的な怖さを説明されています。
元々領民を物と捉え、殺生与奪をほしいままにしてきたのを、数百年の思想研究と闘争により生み出されてきた、人は人であるという考え方が、聖徳太子の御代には百姓(ひゃくせい)を大御宝と呼んでいた我が国には、馴染まないことは当然のように感じます。
さらに、平和主義が、国民主権・民主主義とは矛盾するということも納得できます。 

詳しい内容は読んでいただけるのが一番ですし、浅学な私の解説ではかえって理解の邪魔になることでしょう。

それでも読後思いついたことをいくつか挙げてみたいと思います。
2週間ほど前のチャンネル桜の討論「消費税は日本を破壊するか」の回にて、田中秀臣先生が「戦後レジームとは誰も責任を取らないという体制だ」と発言されておりました。
倉山満先生は、他でも「国民主権とは無責任」と仰られております。
まさにつながっているのだなあ、感じました。 
昨日未明の伊豆大島の水害は悲惨なものです。
町長が避難指示もしくは要請を出さなかったことが、今後問題となりそうです。 
Twitterを見ていて「そういう町長を選んだのは町民なのだから仕方ない」などという書き込みを見ました。
果たしてそうなのでしょうか?
民主党政権の時もそうでした。
そういう政権を選んだ国民が悪い。
私もある意味そう思っていましたし、無責任ではないとも思います。
しかし、本来責任を取るべきは権限を持つものであるべきで、正体不明の集合代名詞である「有権者」などに責任をもってこられても、誰ひとり責任など取れません。
政治は結果責任ですし、賞賛されることもあれば腹を切らねばならないこともあるはずです。
失政は万単位の命を奪います。
それを俺を選んだ有権者が悪いでは、許されるべくもありません。
官僚も同じです。
権限に見合った責任を追及されるべきです。
薬害等で係争がある時も、訴えられるのは国です。
国に責任があるとされれば、国庫から賠償金が支払われます。
その事案での責任者が誰かは分からぬまま、誰も責任は取らず、なぜか国民全体の財産から賠償されるのです。
おかしな話と言わざるを得ません。
救済措置として支払われるならわかります。
同じ国民が被害に遭っているなら助けたい。
しかし、賠償・謝罪すべきは権限者であるべきです。 
結局この国は、国民主権の美名の下、政治家も官僚も誰も、責任を取らない社会になっているのではないかと感じました。

人権と国民の権利はニアイコールであるとの説明には、目を開かれる思いでした。
人権が天与のものであるという思想は、多分に欧州的だなと思います。
結局、一神教の神・ゴットを媒介としての考え方なのでしょう。
我が国には馴染みません。
昨今の権利の安売りは苦々しいものがあります。
権利にはそれを担保する義務が伴うという、私にとっては至極当たり前のことが通じないのは、異星人を見る思いです。
しかし、今はそれが横行しているように感じます。
それと本の中で、国民の権利を人権と言い換え、本来違ったものを同じことのように使うことで、外国人参政権などの問題が発生しているのだそうです。
確かに、国民の権利と人権は異なるものだと思います。
それをあえて混同させられているのかもしれません。

最後に平和主義ですが、確かに民主主義とは相反するように思います。
国家の目的が国民の生命財産を守ることにあるとすれば、さらに民主主義であればそれはより強く求められるはずです。
自分の家族や知人・仲間に生命の危険があれば、その保護を強く政府に求めるはずです。
それとも、自己責任だからと諦めて殺されますか?
今の日本は、平和主義の偽看板の下、国民を見捨ててきています。
そんな国がまともな国だといえるのでしょうか。

本来、民主主義は戦争をより悲惨なものにするのだそうです。
なるほどなと思います。
殺されるのが家族なのですから、その恨みは簡単には晴れないのですから。

ついでに言えば、軍国主義はとにかく悪いことで民主主義の敵だとよく言われます。
軍靴の音が聞こえる~ぅってやつです(笑)
倉山先生のお話では、民主主義と軍国主義は対立概念ではないそうです。
確かに、民主的な軍国国家はあってもおかしくないですね。
まあ、軍国主義の定義がよくわからないのではありますが。
で、民主主義の対立語は神主主義だそうです。