はたして私はこれまで一枚の絵を見て涙した
ことなどあっただろうか、
先日の日曜美術館で感動的な一枚に出会い、
このブログを見てくれている人にも
是非、7月3日夜8時の再放送を是非お勧めする。
お話は2008年の5月、南米ボリビア・ウユニ塩湖で
交通事故に遭い亡くなった娘の肖像画を描いてほしいとの
両親からの依頼を受けた画家が一枚の絵を仕上げていく様を
丹念に追っていく
映像は画家のアトリエでほぼ完成しかけた女性の
絵が映し出された。
女性は腕時計を外す仕草でこの世との決別を表していた。
私は何か違うのではないかな、
ご両親はきっと納得しないのではないか
とその絵を見て感じた。
両親からもメールが届き「娘をいつも感じていたい」と
云うような事を言っていたと思う
画家も納得がいかなかったのか、
それまで仕上げた絵を白く塗り潰した。
画家は義手メーカで彼女とそっくりであろう手を探す
肖像画とは顔とともに手も重要な位置を占める。
画家は家族を事故や事件で亡くした人々のNPOを訪ねる
そこである遺族の言葉にそれまでの思いや悩みから
解き放たれた表情を見せる。
やがて肖像画は完成し、画家自ら手で両親に届けられる。
画家の手により壁にかけられ絵が映し出されると
私は嗚咽してしまった。
写真にはない存在感、
両親からプレゼントされた時計の文字盤が見えるよう
両手で持ち、微笑もうとする一瞬のように見える表情
画家とはなんと素晴らしい職業なんだろうと思った。



