だいぶ前の話である
金子国義の家を訪ねたことがある。
30代の終わり頃だった。
手を尽くし彼の電話番号を手に入れ
電話をした。
「絵を描いて欲しい」と頼むとすんなりとOKを貰えた。
で、妻と訪ねる事になった。
場所は南大井、
あたりに車を止めるスペースがなく
駅近くの駐車場に入れた。
駅前のイトーヨーカドーの花屋で
深紅のバラとかすみ草の花束を作ってもらった。
画家の家は神奈川ではよく見かける
米軍人に貸すために作られた
「ハウス」と呼ばれている家ふうのたたずまいだった。
呼び鈴を押すが誰も出てこない
藪蚊に襲われながら暫く待ったが、
どうやらすっぽかされたらしい、
仕方がないので名刺に訪ねた旨を書き花束に挟み
引き返した。
つづく
