猫の脱走-3【生死の分からない猫を探す日々】
名探偵キャッツ(猫探偵)さんに依頼した時
「プロに頼んだのだからきっとシオは見つかる」そう思っていました。
しかし、いくら探しても野良猫を見かけるだけでシオが見つかる事はなく
捕獲器を仕掛けても、同じ猫が入るだけでした。
キャッツさんとの契約が切れ(カメラに写らない猫の再契約は労力の無駄だと断られました)、目撃情報もなく、
生死すら分からない猫を家族だけで探す事になりました。
教えていただいたノウハウと
ネットで調べた情報をひたすら実践していく日々が続きました。
迷子猫チラシの連絡先がキャッツさんだったので
新しい物を作りプリントネットで印刷し改めてポスティングしました。
猫が隠れていそうな場所、外飼いの犬のお宅、獣道の様な場所にカメラを設置しました。
預け先の近所の人は皆さんいい人で
カメラの設置も快諾してくれて「早く見つかるといいね」と声をかけてくれたり
犬の散歩コースを変えてシオを探してくださる方もいました。
しかしながら、数日カメラを仕掛け、シオが写らなかったら場所を変えて仕掛ける。
これを何度も繰り返すうちに、もうどこにカメラを仕掛ければいいのか、どこを何回探せばいいのか分からなくなりました。
そもそもシオは生きているのか。
脳裏に過る疑問を払拭する為に、獣道や草が生い茂っている場所を歩き回ったり
犬の散歩をしている人に「10月に入ってからカラスが群がっていた所を見たことがあるか」と聞き込みもしました。
何をしていてもシオの事が頭から離れず、毎日探す事が出来ないもどかしさにイライラし、
ネガティブな思考回路からも抜け出せず、この頃が精神的に一番辛かったと記憶しています。
毛色が似ている動物を見ては泣き
シオの写真を見ては泣きました。
生き別れは何て辛いのでしょうか。
「誰か助けて!」と心で叫び続けていました。
猫の脱走-2【猫探偵に依頼する】
旅行から帰宅した翌日。シオ脱走8日目。
こったんに留守を任せ、カジを連れて預け先へ向かいました。
シオが脱走した事実を聞いてから
検索魔と化した私は藁にもすがる思いでカジにシオを見つけてもらおうと思ったのです。
同居猫が迷い猫を探すと、その迷い猫が姿を現わす。
その情報を信じて、カジにリードを付けて預け先の周辺を捜索しました。
結果として、カジの鳴き声に住民が「迷子の猫が出て来たのかと思った」
と混乱を招いただけだったので、カジの任務は早々と終了しました。
夕方になり名探偵キャッツ(猫探偵)さんが到着し、説明→契約→ヒアリングを行いました。
キャッツさんはゼンリン地図のコピーを持参し
「猫は川を渡らないので、この範囲に潜んでいます」とおっしゃいました。
預け先から少し先には川があったので、捜索範囲が絞られるだけでもありがたいなと思いました。
また、外飼いの犬がいるお宅でも、猫は「繋がれていてこれ以上は来ない」と学習するので
隠れる場所があれば隠れていて、犬の餌を食べる場合があるとも聞きました。
「1週間経って外の世界にも慣れた頃なので、暗くなる今頃から餌を求めて動き出すと思います。
なので捜索範囲を探しながら早歩きで歩き、猫と出会う確率を高めましょう」
そう言って21時位までシオを探しましたが見つかりませんでした。
キャッツさんは
「脱走しても1日に1回は家の様子を見にくるので、次回は捕獲器を仕掛けましょう。
捕獲器の前に暗視カメラを置いて、シオ君が来たかの確認もしましょう」
そう言って帰って行きましたが、その後設置した捕獲器にシオは入らなかったし、増設したカメラにも写りませんでした。
キャッツさんは捜索、聞き込み、チラシ(制作)貼りを同時にしてくださいました。
右も左も分からない私達からすると、シオの名前を呼んで捜索する事に専念できたのでとてもありがたかったです。
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依頼した猫探偵さんは名探偵キャッツさんです。
成功報酬制度をとっているので、猫が見つからなければ交通費のみの支払いです。
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猫の脱走-1【飼い主が1週間後に知る事実】
シオが預け先から忽然と姿を消したのは2022年10月上旬のことでした。
旅行期間、猫達のシッターさんの予約が取れず
自宅から車で1時間30分の所に預けました。
預けてから数日経ち、「猫達はみんな元気です」と共に送付され続けていた猫の写真は無くなり
日々の「変わりなく過ごしています」の文章を軽い疑問を抱きつつ旅行最終日まで過ごしました。
自宅に戻り、スーツケースを広げようかなとした瞬間その電話が鳴りました。
1週間前にシオがいなくなりました。
換気の為に掃き出し窓を数センチ開け網戸にし、その場を10分離れ、戻るとシオだけが居ませんでした。
朝晩と必死で探しましたが、まだ見つかりません。
警察等に届け出は出してあります。
その話を聞いた瞬間「やっぱり」頭の隅の冷静な部分がそう呟いた気がしました。
猫達の報告が途中からテキストだけになった違和感の正体、最悪のパターンでした。
1拍おいて言葉を発する前に、ヒトは絶望を感じつつも事柄を一度受け入れるんだなと思いました。
主人は直ぐ預け先へ向かい
私は娘に背中をさすられながら、ペット探偵を調べ数社に連絡を取りました。
それは土曜日の21時過ぎでしたが、1社だけ連絡が取れ翌日曜日に預け先に来てくれる事になりました。
泣きながら娘を寝かせた頃に
主人から「シオを探したけど真っ暗で何も見えない、夜に探すには装備が不十分過ぎるから一旦コチュとカジを連れて帰る」
との連絡があり、第二の絶望を感じたのを覚えています。
シオは臆病だからきっと預け先周辺で隠れているはず。
11年一緒に過ごしたんだから飼い主の声には反応するはず。
そんな淡い希望も虚しく目の前で消えて無くなりました。