卒業式や修了式があって

そしてまたすぐに入学式や進級進学を迎える。


そんなお祝いムードの溢れるこの時期に

複雑な思いを持っている親子さんも

たくさんいるかもしれません。




子どもが幼稚園や保育園に入園したら卒園して

その次は小学校に入学して卒業して

その次は中学校に入学して卒業して

その次は高校に入学して卒業して

その次は大学や専門学校に行ったり、働いたりする。


そうやって時間が過ぎていくんだと

子どもたちが不登校になるまで

そのことを疑うことさえなかったように思います。

正確には、その時間の流れが当たり前すぎて

勝手にそう思い込んでいることにすら気付いてもいなかった。




「卒業おめでとう」「進級おめでとう」「進学おめでとう」「就職おめでとう」

まさかこの純粋なお祝いの言葉が

ナイフのように突き刺さってくることがあるなんて

思いもしなかった。


今はそのかつての自分自身の傲慢さに

本気でビックリしたりします。




卒業式に参加できなくて

別室で証書を受け取った子や保護者に代理で受け取ってもらった子もきっとたくさんいます。

1日も登校しなかった学校の卒業証書になんの意味があるのかと思っている子もいるかもしれない。


周りがキラキラと進学先や就職先の話をしているように思えるその雰囲気に

押し潰されそうな子もきっといるはず。


もちろん、不登校の子どもやひきこもりの人たちがみんなそうだと言いたいわけでもない。




「あなたはあなたのペースでいいよ。大丈夫。」

「その子にはその子のペースがあるからね。今は、待ちましょう。」って

どれだけ言われても

自分たちの中のしんどさは

もしかしたらちっとも変わらないかもしれません。


綺麗事ばかり言いやがって…!と思ってやさぐれていた時期が

私にもありました。笑




モヤモヤする気持ちは蓋をせずにモヤモヤしたらいい。

見守るって決めたのにモヤモヤしちゃった…とか

そうやって自分を責める必要もないと思います。


でも、一人で抱え込むのはちょっとしんどすぎるから

誰かに吐き出したり共有したりしてほしいと思います。

あ、でも親御さんが子どもに

そのモヤモヤをぶつけるのだけはできるだけやめたほうがいいかもしれません。




きっと親御さんと同じように、もしかしたらそれ以上に

子どもたちもまたいろんな思いを抱えています。

だって、誰も肩代わりをしてくれない自分の人生だもの。


だから、しんどい。

どれだけしんどくても辛くてもそれを誰も代わってくれないから。




そして、親もまた

大切なわが子のそのしんどさや辛さを代わってあげられないしんどさがあるんだと思います。


でも、親はそれを奪い取っちゃいけない。

そのしんどさや葛藤はその子のものだから。

この子ならきっと乗り越える

今、乗り越えられなくてもまたきっといつかどうにかしていく

と、信じることしかできない。

そして、それが子どもを尊重するということだと

今はそう思っているし、いつも自分に言い聞かせています。




いろんな思いがきっとあるけれど

綺麗事ではモヤモヤは消えないかもしれないけれど

それでも年度末のこの時期にやっぱり

「おめでとう」や「1年間お疲れ様」を伝えたいと

私は思います。


だって、どんな形で3月のこの時期を迎えていようとも

ここまでの日々を歩んできたことは確かだから。

新生活に踏み出す親子も踏み出さない親子も

そこに良いも悪いもきっとないと思うから。






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