Cocteau Twins 『Heaven or Las Vegas』


昔買って聴いた時は、なんだか随分変わってしまったなぁだった。トーンが明るくなり空から地上に降りて来た感じで、悪く言えば俗っぽくなったと言うか。何度かチャレンジしたけどもあまりいいと思えずに、しばらくして知人にあげてしまった。


で、思い出したように最近改めて聴き直したら、これがいい。ほんっとにそんなのばっかりだ(笑)こんなアルバムだったっけ…??突き抜けるような解放感に満ちていて、なんかある種の到達点を感じる。『Treasure』とかを通過して、とうとうここまで来たって感慨が。今聴けばこれでも充分浮き世離れしてるし。多分彼らへの偏ったイメージが強過ぎて、当時自分が求めていたものとは違ったんだろう。

この世界は初期のCURVEに凄く通じるものがある。そもそもシューゲイザーの源流と言われているのだから当然かも知れないけど、CURVEこそコクトー・ツインズの血を受け継ぐフォロワーだったのではないかと。さらにゴス、インダストリアルを強めて、打ち込みによるテクノ・グルーヴをプラスしたような。
ほんとに好きでよく聴いていた(いる)のだけど、CURVE解散のアナウンスにポッカリと心に穴が空いてしまい、当時はなんとかそれを埋めようと代替品を血眼になって探していた。似ている、近い、同系列と聞いては飛び付き結果落胆、みたいなことを何度繰り返したか。どれを聴いても何かしっくり来ないと言うか。どこが似てるよ?と思うのばかりで。特にシューゲイザー付近には違和感ありまくりだった。上手く言えないけど、鳴ってる音は近くても感覚的に違うって言うのか。それだったら、インダストリアルの方が余程通じると言うかね。そんな何年にも渡る探していた答えが、たったのこれ1枚で完結(笑)これだったのかー!と。女性ボーカルのバンドでは今まで聴いた中で一番近いと思った。あの膨大な労力はなんだったんだ。一度は買って手元にあったのにねぇ。しかし、CDあげた後にCURVEとは出会った訳だし。巡り巡ってやっと届いた。


と、ほぼCURVEの話に終始するという…(笑)好きだから仕方がない。
甘くてドリーミー、でも食い過ぎれば腹を下すような毒も含む。特に顕著だったそんな初期が好きな人ならきっと理解してもらえるかなと。この作品とまるで入れ替わるように、91年のデビューだったんだな。