私はI。
僕もI。俺もI。

アチキもアタイも儂も拙者もワラワもワテもオラも小生もウチも我輩も、みんなI。


日本語って素晴らしい。「I」一文字からは到底感じ得ないそれぞれに香る風情。由来や使い方使い分けなぞ正しく知らずとも、その言葉だけでも何となく独特の香りが漂ってくる。

例えば、アタイって言われると何となく小生意気な感じがするし、アチキって言うと身軽でシャキシャキした粋な感じ。儂って言われると重量感あって堅物なイメージを持つし、オラだと素朴で田舎臭い感じがしてくる。「我輩、東京さ行ぐだぁ~」とはならない(笑)

きっと身分や地域によって、それぞれ昔から発展してきたんだろな。ある人が、「愛」も「恋」も英語では「LOVE」だと言っていた。

日本語って素晴らしい。このちょっとしたニュアンスの違い。て、英語使ってるけど(笑)ニュアンスの和訳って何だ??この2つはきっと意味が全然違うんだろう。凄い。日本人は頭いいんだな~。その違いを表現する術を得ようとした。合理的な物ではなく、複雑でより難しい進化の道を選んだ。目には見えない風情に心奪われるってことは、それだけ感じる力があるってことな訳で。まさにワビサビの世界。


合理的な物が時にはうらやましく思ったりもする。余計な気を回さずに済むし。こういう場では、「私」と言った方が相応しいのか…?とか(笑)でも、フとした時に日本語の威力を感じるんだ。西洋文化を崇拝する前に、日本語への自信と誇りをもう少し持ってもいいじゃないか。