花。
特になんとも思わなかった。無論見て綺麗だなとは思うが、ぼくのハートを鷲掴み~みたいな胸躍ることもなく。嫌いな訳ではなく、持って生まれた自分の血に元々入っていないと言うか。
なので、花屋なんかほぼ行ったことなく。なんと言うか場違いで居心地悪いし。でも、人によっては凄く喜ぶんだよなぁ。思い入れもなく店員に勝手に選んでもらって、軽い気持ちであげても、こちらが思った以上に。
たかが花ごとき、なんでそんなにと不思議だった。しかも!花っていうのも思いのほか高い…(笑)
しかし、卒業祝いにたまたま花をもらったことがあった。記念ってことで、相手も別に特別な感情など多分無く。お花、なんて自分には無縁なシロモノだった。
その時初めて知った。あれ、…花瓶無ぇ(笑)でもせっかくだし部屋に飾りたい、が花瓶が無い。丈も結構ある。何かないものか、さぁ困った。あった。行き着いた先は…海苔の缶。あまりにも色気が無く、さすがに自分でもヒいたため、缶に紙を張り…(笑)
なんとか部屋に飾り眺めた。花があるだけでも、いつもとは何か違うってのは分かる。
そして、二日三日経ち、これまた予想外な出来事が。つぼみが少しずつ咲き始めたのだ。それって多分当たり前のことなんだろうけど。毎日少しずつ形が変化して、上手く言えないが「花が咲く」ってことに、こう、軽く感動した覚えがある。花って結構いいもんなんだなと。名も知らない花だったが。
で、枯れていく。
花は何のために咲くのか。きっと人間を喜ばすためではないのは確かだ。でも、その使命を背負って人の手から人の手へ運ばれる。そして咲いて、枯れる。