ロイ・リキテンスタインとマチスの金魚 /ホイットニー美術館展(4)
まず、この有名なマチスの金魚について。マチス(Henri Matisse, 1869-1954 wiki )といえば、フォービズムの人で、ものすごく鮮やかな色を大胆に使う人と認識していますが、この絵もまた、ピンクの背景に、緑色の葉っぱ、そして金魚の赤に、光の黄色。なんというかマァ派手です。
去年から今年の初めにかけて日本をまわっていた、大きな展覧会、プーシキン美術館展 の大目玉だったので、私ももれなく、国立国際美術館で見ました。大きい絵だったけど、とてもユニークでファニーでラブリー(カタカナ語多用したくなるような印象を持ちました)な絵でした。
私は、そこまで芸術(その他、学問とか、礼儀とかまで含めて)を固く考えたり、型にはまって考えたりするのはあんまり(むしろ全然!)好きじゃないので、適度な情報量と曖昧さ、フレキシブルな対応と、その場で解釈可能ないい加減さを好む傾向が強いのですが、マチスの絵っていうのは、写実でもないし、割といい意味で「てきとー」なところが私は好感を持っていたりします。じつはその「てきとー」さは、大胆にやってもちゃんとまとまる、ある種の経験や、才能や、実は背景ではちゃんとやっている(かもしれない)計算の代物なんでしょうが、なにより、てきとーーっぽく見せているところが、マチスのすごいところだと思ったりします。写実主義のホントにリアルな塗りとかを見ると「ムァーこんなの、すっごい修行を積んだんだろーな!! ひぇースバラシイ」と思うけれど、マチスの絵は、なんというか、技術より感性的なもので満たされていて嫌味じゃないというか。( いや、それもきっと策略のひとつなんでしょうが)
で、今回見たリキテンスタイン(Roy Lichtenstein 1923-1997 wiki )の金魚はこんな感じだったのですね。
これ、絵じゃないです。オブジェです。下のところはちゃんと三脚になっていて、床にホントに置かれていたんです。一瞬、漫画かと思って目を疑いましたが、実際におかれていたんですね。上の部分は、平面で、裏から見ても似たような感じに見えるのですが。
何がやりたかったのか、そこまでよくわかったわけでもないんですが、なにしろ、見たときに「! これは!!」となって、そのあと、とんでもなく愉快な気分になったんですね。引用の妙。
見ていると、共犯になったような気分になって、にしし、というような笑みがこぼれてきてしまい、危うくアヤシイ(あぶない)お姉さんになるところ、我慢して、何事もなかったかのように、この周りを何回かぐるぐる廻り、この気分の源泉をどう捉えたらいいのか、ちょっとまじめに考えてみたけれど、なにより、これが「面白い」って思ってしまったことが大事なような気がして、それだけで満足したのでした。
絵を切り取ってきて、立体にして、引用だぜ、どうだ、あの絵だぜ。へへへ。(いや、本当は、構図云々みたいな話もあるんでしょうけど)みたいな軽率さが、この平板の中にいるかわいらしい真っ赤な金魚と、あまりにも単純な青い色で表現された水に如実に表現されているような気がしました。
私の感想も、やたら、軽率ですね。
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