サンプル分の輸送手段を考えるより
いっそ持ち帰った方が話は早い、
確かにね⁈
でもセクレタリーが抵抗します。
「えーっ!
これをどうやって運ぶの⁈
これからグラナダやバレンシアを
周るのに?
これを担いで⁈
誰が担ぐの?
俺⁈
えーっ‼︎
これも荷物持ちの範疇なの⁈
何だよオッサン!
オマエが駅まで運んでくれよ‼︎」
そのオッサンが今度は
ガッツポーズをしました。
〈何だよ、オッサン‼︎〉
ドイツやイタリアのように
大きな見本市で生産者が持ち込んだ
製品をチョイスするのとは異なり、
生産地を回って探し集める作業が
直輸入の原点であるのだとしても
量産や流通に注力する事なく
ひたすら伝統工芸を守る生産者に
直接交渉する事には
かなり限界を感じました。
伝統的なトレドの陶器を守り続けて
いるのは今や、5家族しか無く
その、5家族の全てが血縁であり
中心人物が名工ランチャさんとの
事です。
何か良い方法論はないものか!
〈うーむ、どうするかなぁ!〉
我が社以外の企業が目を付けている
様子もありません。
ならば折角の、この出会いを
最良の機会とせずに何とする!
スッタモンダしている間に
オッさんが、かなり丈夫な袋に絵皿を
入れ替えてくれました。
アイディアだけでなく
ちゃんと具体案を考えて提示する、
実行力が備わった(出来るオッさん!)
である事に敬服しました。
折角なので...
「箱から入れ替えてくれた事だし
とりあえず、絵皿入りの袋を
持ってみようか?」
「えーっ!そうなの⁈」
〈クーッ! これを持つのかよ!〉




