パーラーの支払いも帰りの電車賃も

私が財布を持っていたので困る事は

無かった。



電車内でも殆ど無言で気まずいもの

ではあったがそれに加えてOは

明日、学校で何があるか分からない

という不安を抱えていたのでは

ないかと思う。




きっと私が友達に話し、その話題は

何処まで広がって行くのかと

さぞかし心配していた事だろう。



しかし私は帰宅してから親にも

翌日、登校してから友達にも

一切何も言わなかった。

初めて男の子と二人きりで行った

銀座でのカツアゲ話は話題性があり

周囲の興味が大きく集まる事は

間違いなかった筈。





でも誰にも言わず胸に収めたのは

その頃、ある程度は思慮深い少女

だったのだと思う。

少なくとも今の私よりは遥かに...




それに、胸に収める事がOに少し

貸しを作る事に繋がるような気持ち

にもなった。

借りより貸しを多く抱えている方が

良いに決まっている。




その証拠にその後、Oは私に

一目置くようになり更に

かなり気を使うようにもなった。

もしかしたら誰にも言わなかった事に

恩義を感じたのかもしれない。




そんな事を含めてあの頃の私は

今よりかなり賢かったと思う。

そういった駆け引きを無理なく

実行出来ていたと思う。




もし今なら言うだろうなぁ〜。

黙っていられずに、

「ちょっとちょっと聞いてよ!

それがね!何と何と...」とか

言い出すのだろうなぁ〜と思う。





それ程、今の私は成り下がっており

思慮に欠け、

〈何処か計り知れない〉という要素が

欠落している。




大人になると何でも軽々しく

気持ちを言葉にするようになるもの

だと周囲の大人達を見て強く思う。

言って効果の無いものは

言わない方が効果的だという事が

ある。




言わない強味と

言われない痛み。

その辺をわきまえない大人は案外

多い。




大人になった私は

「人間性が丸見え!...と言われても

致し方ない要素が満載。

全くしょうもない大人になった! 笑






〈これは未だ、計り知れない...という

     要素があった10代の私〉




   


友達4人と...


もし若くして命を落とすような事が

あった時、遺影にする写真を選んで

おこう!という話になり

持ち寄った写真がこれ。





どうしてそんな話になったかは

覚えていないが皆んな、

かなり乗り気だった。

皆、それぞれ数ある写真の中から

遺影に相応しいと思われるものを

選んだのだと思う。




他の子達は正面を向いた写真だったが

私はこの1枚。

何故、下を向いているものを選んだ

のか、これまでの悪行を悔いる意味

なのか...というような事を聞かれた。




「そうでは無い!

れんげの花に囲まれ、下界の者達を

俯瞰している図だ!」と説明。




「最後まで強気なんだね⁈ 笑」と

言われた。





あーそうだよ‼︎

そして若くして命を落とす事もなく

いつまでも、やたらめったら元気で

タワ言、ザレ言をほざき

憎まれっ子世には憚る!とは

オイラの事だ‼︎


 


しかも手に白い花のようなものを

持っているかに見えるのは

実はおにぎりなのだ。




何処かの民宿で出た朝ごはんの

残りをひとり、せっせとおにぎりに

していた所を誰かがパチリ!と

撮ったもの。




最後まで食べ物に執着する図が

私らしくて良いと思ったのだった。笑