日本の鉱工業生産(2011年5月速報値)から:出荷・在庫モメンタムは大きく低下!
2011年3月の鉱工業生産統計(速報値)がすでに発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。
下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2011年3月の生産指数は前月比-15.32%と大幅に下落しました。5カ月振りの前月比マイナスです。大方の予想は-10.0%でしたから、コンセンサス予想よりも悪い内容となっています。
一方で、在庫率指数は前月比+4.03%となりました。3カ月振りの上昇です。
予測指数をみると、4月+3.9%、5月+2.7%と上昇を見込んでいます。先行きについては上昇すると予想していますが、実際には下方修正される可能性が高いと筆者はみています。
今後のポイントは、生産の減少がどこで止まるか、です。ちなみに、“リーマン・ショック”の際には、5カ月で生産水準が31.1%減少しています。
下記は予測指数を加えたチャートです。
ちなみに、経済産業省の基調判断は、「生産は、東日本大震災の影響により急激に低下したものの、先行きについては回復していく見込みである。」となっています
下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。3月は-15.19で、前月(-3.34)に比べれば大きく低下しています。2カ月振りの低下です。
出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動が今後大きく減少する可能性を示唆しています。
下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価はこの先下落する可能性が高いといえます。
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