日本の鉱工業生産(2011年1月速報値)から:出荷・在庫モメンタムは2カ月連続で低下!
2月28日(月)に2011年1月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。
下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2011年1月の生産指数は前月比+2.43%と上昇しました。3カ月連続の前月比プラスですが、コンセンサス予想(+4.0%)を下回っています。
一方で、在庫率指数は前月比+0.74%となりました。2カ月連続の上昇です。ただし、3カ月平均をみるとまだ低下中です。
予測指数をみると、2月+0.1%、3月+1.9%となっています(2月の予測指数は前回調査の-1.2%より上方修正された)。先行きについてはさらに上昇すると予想しています。
今後のポイントは、引き続き生産の増加と同様に出荷も増加するかどうか、そして在庫が減少するかどうか、です。
下記は予測指数を加えたチャートです。
ちなみに、経済産業省は、「総じてみれば、生産は持ち直しの動きがみられる。」と、基調判断を据え置いています。
下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。1月は-4.10で、前月(1.71)に比べれば低下しています。2カ月連続の低下です。
出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動が今後伸び悩む可能性を示唆しています。
下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価はこの先下落する可能性を示唆しています。
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