日本の鉱工業生産(2010年10月速報値)から:生産指数は予想よりも良かったが…
11月30日(火)に2010年10月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。遅れましたが、足元の生産活動を確認しておきましょう。
下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2010年10月の生産指数は前月比-1.83%と低下しました。5カ月連続の前月比マイナスですが、コンセンサス予想(-3.2%)よりも良い結果となりました。
一方で、在庫率指数は前月比+7.63%と急上昇しました。2カ月連続の上昇です、3カ月平均をみても上昇基調となっています。
予測指数をみると、11月+1.4%、12月+1.5%となっています(11月の予測指数は前回調査の+1.7%より下方修正された)。先行きについて持ち直すと予想しています。
下記は予測指数を加えたチャートです。
ちなみに、経済産業省は、「総じてみれば、生産は弱含みで推移している」と、基調判断を据え置いています。
下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。10月は1.12で、前月(9.28)に比べれば急低下しています。8カ月連続の低下です。
出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は今後も減少基調が続く可能性を示唆しています。
下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価はこの先下落する可能性を示唆しています。
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