日本の鉱工業生産(2010年6月速報値)から:出荷・在庫モメンタムは4カ月連続で低下! | COTレポートの読み方

日本の鉱工業生産(2010年6月速報値)から:出荷・在庫モメンタムは4カ月連続で低下!

 730日(金)に20106月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。

 下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。20106月の生産指数は前月比-1.46%と低下しました。4カ月振りの前月比マイナスとなっており、前回調査の予測指数(+0.4%)を大きく下回りました。さらに、コンセンサス予想(+0.2%)をも下回っています。生産活動がピークをつけた可能性があります。

 一方で、在庫率指数は前月比+0.73%となりました。3カ月連続の上昇です。増加基調となってきました。


COTレポートの読み方-鉱工業生産1-201006

予測指数をみると、7月-0.2%、8月+2.0%となっています(7月の予測指数は前回調査の+1.0%より下方修正された)。

 下記は予測指数を加えたチャートです。


COTレポートの読み方-鉱工業生産2-201006

ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している」から「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きがみられる」と基調判断を下方修正しています。

 下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。6月は16.44で、前月(21.81)に比べれば低下しています。4カ月連続の低下です。

出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は今後さらに減少する可能性が高いといえます。


COTレポートの読み方-鉱工業生産3-201006

 下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後下落する可能性を示唆しています。


COTレポートの読み方-鉱工業生産4-201006

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